P04-05 〜早期発見が、健康を保つ道しるべ〜 「がん検診」を受診しましょう がんは日本人の死因第1位で、2人に1人が生涯のうちにがんにかかる可能性があるといわれています。 がんは早期発見・早期治療を徹底すれば治る確率が高まるといわれ、検診を受診することががんの早期発見・早期治療につながります。いつまでも健康でいられるように、正しい知識を持ってがん検診を受診しましょう。 問 健康づくり政策課検診推進係(袋井保健センター) TEL42-7275 そもそも「がん」とはどんなもの?  人間の体の細胞は、約60兆個の細胞からできていて、毎日1%くらいの細胞が死んでいくといわれています。  減ってしまった細胞は、細胞分裂により補われていきますが、この細胞分裂の際にコピーミスが起こり、遺伝子の突然変異により「死なない細胞」として残った細胞が『がん細胞』です。 「がん」は死因の第1位です  がんは、日本人の死因第1位で、生涯のうちにがんで死亡する可能性は、男性の約4人に1人、女性の約6人に1人といわれています。  静岡県でも、死因の第1位はがんが占めていて、「主な死因別の死亡率の年次推移」(平成24年静岡県の人口動態統計より)をみると、がん(悪性新生物)はほぼ一貫して上昇傾向にあります。 どんな「がん」が多いの?  平成22年に新たに診断されたがん(罹患全国推計値)は約81万例で、男性が約47万例・女性が約34万例でした。  がんの発症が多い部位は男女で異なり、国立がん研究センターがん対策情報センターがまとめた「2010年のがん罹患数(全国推計値)が多い部位」(地域がん登録全国推計によるがん罹患データより)をみると、男性では「胃がん」が最も多く、次いで「肺がん」、「大腸がん」の順となっています。女性では「乳がん」が最も多く、次いで「大腸がん」、「胃がん」の順となっています。  また、平成24年にがんで死亡した人は約36万人で、男性が約21万人・女性が約15万人となっています(人口動態統計によるがん死亡データより)。 ◎2010年のがん罹患数(全国推計値)が多い部位 1位 2位 3位 4位 5位 男性 胃 肺 大腸 前立腺 肝臓 女性 乳房 大腸 胃 肺 子宮 ◎2012年のがん死亡数が多いがんの部位(全国) 1位 2位 3位 4位 5位 男性 肺 胃 大腸 肝臓 すい臓 女性 大腸 肺 胃 すい臓 乳房 ◇男性では、40歳以上で消化器系のがんの死亡が多くを占めますが、70歳代以上ではその割合はやや減少し、肺がんと前立腺がんの割合が増加します。 ◇女性では、40歳代では乳がん・子宮がん・卵巣がんの死亡が多くを占めますが、高齢になるほどその割合は減少し、消化器系と肺がんの割合が増加します。 自覚症状がなくても検診を!  がん罹患率は男女とも50歳代くらいから増加し、高齢になるほど高くなりますが、若い世代の方も油断は禁物です。  大腸がんは男女ともに40歳代から、女性の場合、乳がんは40歳代から、子宮頸がんは20歳代〜30歳代前半でかかる人が増えてきています。  がんは、早期に発見できれば治る可能性が高く、治療による体への負担も少なくてすみます。しかし、がん細胞が小さい早期の段階では自覚症状がほとんどないため、がん検診を受診することが早期発見・早期治療につながります。  「自分は大丈夫」と油断せず、若いうちから定期的にがん検診を受診しましょう。 ☆次ページでは、袋井市の「がん検診」について、詳しくお知らせします。  袋井市の「がん検診」では、過去5年間(平成21〜25年度)の受診者のうち139人の方からがんが発見されています。 「がん検診」では、どんな検査をするの?  袋井市の実施している「がん検診」は、次の1〜6の6種類があり、それぞれ次のような検査を行います。 1 胃がん検診…バリウムを飲んで、胃のレントゲン撮影を行います。 2 大腸がん検診…2日分の便を採取して提出し、便に潜血反応があるかを検査します。 3 胸部検診…胸のレントゲン撮影を行います。 4 前立腺がん検診…男性が対象の検診です。血液検査で、前立腺から分泌されるタンパク質の一種であるPSA(前立腺特異抗原)の値を調べます。 5 乳がん検診…女性が対象の検診です。年齢により検査内容が異なります。 @30歳代の方…視触診と乳房エコー検査を行います。 A40歳以上の方…視触診と乳房のレントゲン撮影(マンモグラフィ検査)または、乳房エコー検査を1年ごとに交互に行います。 6 子宮頸がん検診…女性が対象の検診です。子宮の入り口部分を軽くこすって細胞を取り、異常な細胞がないかを調べる検査を行います。 ◇会場や実施時期、受診料は、下表「袋井市の「がん検診」」をご覧ください。 袋井市の「がん検診」 種類 対象 会場 実施時期 検査の内容 自己負担額 1 胃がん検診(※1) 40歳以上の方 各公民館(検診車) 6月〜10月 胃部レントゲン検査(バリウム使用) 1,200円 2 大腸がん検診 40歳以上の方 各公民館(検診車) 6月〜10月 便潜血反応検査 1,400円 3 胸部検診(※2) 40歳以上の方 各公民館(検診車) 5月〜10月 胸部レントゲン検査(必要時、喀痰検査) 無料 4 前立腺がん検診 40歳以上の男性 指定医療機関 6月〜11月 血液検査(PSA検査) 1,000円 5 乳がん検診 30歳以上の女性 各公民館(検診車)[完全予約制] 6月〜平成27年1月 問診、乳房視触診、マンモグラフィ検査、または乳房エコー検査 1,200円 中東遠総合医療センター[完全予約制] 6月〜平成27年1月(予約は10月まで) 6 子宮頸がん検診 20歳以上の女性 各公民館(検診車)[完全予約制] 6月〜平成27年1月 問診、内診、細胞診 1,200円 中東遠総合医療センター[完全予約制] 6月〜10月(予約は9月まで) 市内の産婦人科医院[一部予約制] 6月〜平成27年1月 (※1)平成26年4月1日現在の年齢が40歳・45歳・50歳・55歳・60歳で「胃がん検診」を受診される方は、「胃がんリスク検診」(800円)を受診いただけます。「胃がんリスク検診」は、血液検査(※ペプシノゲン値とピロリ菌感染有無の検査)により胃がんになりやすい状態にあるかを調べる検査です。詳しくは、「胃がん検診」の受診の際にご案内します。 (※2)「喀痰検査」(700円)は、「胸部検診」の問診で実施が必要とされる方や希望される方を対象に実施するものです。詳しくは、「胸部検診」の受診の際にご案内します。 「がん検診」の費用は高額なの?  市が実施する「がん検診」は、実際かかる費用より安く受けることができます。  例えば、「子宮頸がん検診」と「乳がん検診(視触診とマンモグラフィ検査)」を受診する場合、全額自己負担では約1万2千円かかりますが、市の検診では自己負担額2,400円で受診できます。 「がん検診」を受診するには、どうしたらいいの?  「がん検診」の受診を希望される方は、健康づくり政策課検診推進係(袋井保健センター)へお申し込み下さい。受診までの流れは、次の@〜Dのようになります。 @電話で健康づくり政策課検診推進係(袋井保健センター)へ、検診の申し込みをしてください。 A検診の日程表と受診票をお送りします。予約制の検診は、受診者ご本人で各医療機関へ予約をしてください。 B検診当日は、必要な物を持参し、注意事項を確認して受診しましょう。 C検診結果は、郵送または、診察の際に直接お返しします。受け取った結果の内容を確認しましょう。 D検診の結果、再検査や精密検査が必要になった場合は、必ず医療機関で受診しましょう。 ☆「がん」は、不治の病ではありません。現在の医療では、早期発見すれば90%以上のがんは治るといわれています。「がん検診」で、いつまでも健康な体を保ちましょう。