P08-09 ぼくたち・わたしたちの学校紹介 最終回:浅羽東小学校 〜古新田王国にようこそ〜 【地域の魅力を学校活動に活かす】  開校25周年を迎えた浅羽東小学校は、磐周地区で一番新しい学校です。学校の建設予定地から古墳時代中期の豪族住居跡が発見され、古新田遺跡と名づけられました。同種の遺跡としては県内では最初の発見となった貴重なものです。  本校では、学校を「古新田王国」と呼んでいます。校内には古新田の森があり、創立10周年の際には高床式のやぐらもできました。校内行事では、児童が王国の王子・王女・古新田の森の生き物にふん装して登場しています。  古新田遺跡という地域の特色を学校活動に取り入れることで、地域への愛着も深めています。 【諸井里山は地域との交流の場】  新しい学校なりの歴史をみんなでつくっていこうという意識は、学校にも地域にもあり、地域の皆さんによる積極的な学校支援活動の定着にも関連しています。  諸井里山は、学校行事に欠かせない場所です。里山での校外活動では「諸井里山の会」の皆さんにご協力をいただいています。秋の里山集会では、子どもたちは会の皆さんが用意してくださった焼き芋をほおばり、里山で遊びます。地域の人の顔が見えるからこそ今につながる活動です。 学校概要 校訓 「強く 仲よく 美しく」 児童数 337人(平成28年1月6日現在) 問 浅羽東小学校 TEL23-6669 袋井宿開設四〇〇年記念 ぶらり東海道 2016年は東海道五十三次の袋井宿が開設して400年を迎えます。記念の年に先駆け東海道の魅力をご案内! 今回は 袋井宿と久野城址 江戸時代の城  江戸時代には、多い時で280くらいの藩がありましたが、大名は格式によって分けられていたため、城を持つことができたのは170〜190藩でした。城を持たない大名は陣屋を設け、藩政を取り仕切っていました。  1615年、幕府は一国一城令(1つの藩に藩主が居住する城1つを残して残りは廃城とする命令)を出し、多くの城が姿を消しました。 (参考:「日本の城ハンドブック新版」三省堂刊) 久野城の城主たち  現在の袋井市鷲巣にあった久野城は、久野氏・松下氏と城主が移り、北条氏重を最後に1644年で廃城となりました。城址は戦国時代の城郭の様子を今に伝えています。  歴代城主の人物像は興味深く、城を築いたと言われている久野宗隆は可睡齋を開くのに貢献した人で、松下之綱は若き日の豊臣秀吉が松下家に奉公していたことが縁で取り立てられた人です。また、久野城最後の城主、北条氏重は、名裁判で知られる江戸町奉行・大岡忠相の外祖父(母方の祖父)にあたります。  平成28年10月開催予定の袋井宿開設四〇〇年記念事業メインイベントでの時代絵巻パレードでは、久野城の3代城主の勇ましい武者行列が登場します。ぜひお出掛けください! 「ぼくたち・わたしたちの学校紹介」を終えて いま、これから、おらが学校 市民の皆さんに学校の今を身近に感じていただくため、平成25年10月1日号からコラム「ぼくたち・わたしたちの学校紹介」をスタートさせ、市内小・中学校の特徴的な授業や行事などを隔月で紹介してきました。 このコラムも今回で最終回を迎えたことから、これまでの取材を振り返り、これからの学校のあり方について皆さんと考えてみたいと思います。 子どもたちの成長は、学校と地域で支えている  取材を通じて、学校には地域の温かなまなざしがあふれていることを強く感じました。子どもが成長する過程において、地域社会との関わりは欠くことはできません。袋井市では、学校と地域が連携し、放課後や土曜日を活用した学習支援などが行われており、子どもの成長をみんなで支える環境が育まれています。  こうした環境に加え、平成27年度から教育委員会制度が改定されたことで、教育行政の垣根を超えた取り組みが今までにも増したスピードで展開できるようになりました。未来をつくる子どもたちと地域に暮らす人たち、そして、その人たちをつなぐ「学校」の教職員、誰もが子どもたちの成長を支援し見守ることができる関係づくりが、ますます重要になっていきます。 地域と学校をつなぐ『コミュニティ・スクール』〜魅力ある「おらが学校」づくりに向けて〜  平成28年度からは、すべての小・中学校において『コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)』を導入します。  コミュニティ・スクールとは、地域とともにある学校づくりのため、教育委員会の指定のもと、教員と保護者や地域の方などからなる協議会を設置し、学校の運営について話し合ったり支援を充実させたりすることができる仕組みです。  これにより、いじめや不登校、学力向上、英語教育など、現在子どもや学校が抱える課題の解決に向け、社会総掛かりでの教育が実現することとなります。子どもたちの学びや体験活動の充実が図られるだけでなく、その保護者や地域に住む皆さんにとっても子どもたちと向き合う時間が増えることとなり、学校・家庭・地域が一体となってより良い教育を目指して行きます。 問 学校教育課指導係 TEL44-3182  袋井の教育の課題と「魅力ある学校」づくりの実現に向けて 現在、市の教育が抱える課題や地域とともにある学校づくりについて、鈴木典夫教育長にお話を伺いました。 市の教育課題  現在、全国平均などと比較して、不登校児童生徒の発生率が高いことだと思います。  不登校の増加は全国的な傾向であり、その理由も個別的で、特効薬的な対応策があるわけではありません。本市の発生率が高い理由についても、特定は難しいと考えています。 不登校問題と向き合うために 浅羽中学校区では、国立教育政策研究所の指定を受けて、昨年から「魅力ある学校づくり」調査研究事業に取り組んできました。 この研究事業の狙いは、新規の不登校を出さないという試みで(本紙平成26年12月号16ページにて掲載)、「学校が楽しい」・「みんなと何かするのは楽しい」・「授業がわかる」・「授業に主体的に取り組んでいる」という4項目のアンケート調査に基づき、学校生活のすべてを見直し、児童生徒たちにとって「魅力的な学校」を目指すものです。 この試みが成果をあげたことから、平成28年度からは市内すべての学校で実施する予定です。 「魅力ある学校」づくりに向けて 「魅力ある学校」づくりは、地域内の小学校と中学校が同じ目標を掲げ、取り組むものです。 また、地域(学区)単位で取り組む事業であることから、学校の魅力は地域の魅力であるとも言えます。 平成28年度から地域の力をより発揮しやすくする仕組みである「コミュニティ・スクール制度」が市内すべての小・中学校で実施されます。この仕組みを活用し、児童や生徒、教職員だけでなく、地域の皆さんにとっても魅力的な「おらが学校」を実現したいと思っています。