P10 ひと・まち・魅力発見伝 ●伊東忠太が設計した「可睡斎 護国塔」  遠州三山の一つである可睡斎にある「護国塔」が、建立100周年を迎え、11月3日〜27日、同所で記念展示会が行われました。  護国塔を設計したのは、明治〜昭和期に活躍した建築家「伊東忠太」です。  日露戦争の戦没者を慰霊するために建てられた護国塔は、明治44年2月に完成。高さ18mで、当時としては珍しい、インド・ガンダーラ様式で、現存する鉄筋コンクリートの建物としては、県内最古とみられ、昭和53年、県の指定文化財に指定されています。  記念展示会では、当初計画されていながら建築されなかった“幻”の護国塔の模型も展示。県立科学技術高校の生徒が製作し、50分の1の大きさで再現されました。当初計画案は、34mで、現在の18mと比べて、約2倍の高さでしたが、金銭的・技術的に断念したとみられます。  また、可睡斎に保管されている伊東忠太の年表や図面、スケッチブックの複製なども展示されました。  なお、最終日には、記念フォーラムが開催され、後藤治さん(工学院大学教授)や倉方俊輔さん(大阪市立大学准教授)などを迎えて、パネルディスカッションが行われました。  問 伊東忠太可睡斎護国塔100年展実行委員会事務局 事務局長 鈴木 TEL43-7770 ふくろいの仏像 ●西楽寺・木造薬師如来坐像(県指定文化財)  今月は、袋井市春岡にある安養山西楽寺の「木造薬師如来坐像」をご紹介します。  本像は高さ84pで、ヒノキ材を用いています。「一木割矧造」と呼ばれる技法で、一本の木材から像を形づくった後、縦方向に割って、像の内部をくり抜いています。その後、もとのようにきれいに接合しなおしています。こうした作業によって、像の重量を軽くする工夫がなされています。  製作技法などの特徴から、平安時代後期(12世紀)ごろの作と推定されます。  蓮華の台座に座り、右手の第三・四指を軽く曲げ、左手は膝上に置き、薬壺を捧げています。  眼は彫眼で、衣のひだの線もゆるやかで、全体的に肉付けにふくらみがあり、おだやかな表情が特徴的です。  現在、像の大半は木目が現れていますが、一部に「胡粉」と呼ばれる白色の下地材が残っています。残念ながら、当初の仕上げの様子は、はっきりしません。 問 歴史文化館 TEL23-9269(土・日曜日、祝日休館) 健康ガイド ●なかなかやめられない「たばこ」  たばこの煙には、200種類以上の有害物質が含まれ、様々な病気を引き起こします。  しかし、健康に良くないと分かっていても、なかなかやめられないのは、脳が「ニコチン依存症」になっているからです。 「ニコチン依存症」とは?  たばこを吸い始めたころは、脳から出る物質にニコチンが働き、元気になったり、仕事の能率が上がったりします。ところが、たばこを吸い続けると、脳の物質を出す働きが低下し、ニコチンがその代わりをするようになります。つまり、常にニコチンを補っていないと、脳細胞の活動が低下するのです。  たばこを吸ってから30分〜1時間で、血液中のニコチン濃度が半分になり、禁断症状が起きて、体が「次の1本」を欲求してきます。このような状況になると、禁煙するのがなかなか難しくなりますが、脳のニコチン不足による禁断症状を軽くする工夫をすることで、禁煙に成功しやすくなります。 禁煙講演会〜禁煙のコツを学びませんか〜 ◇禁煙治療の専門医が禁煙のコツを伝授します。 日時 1月26日(木) 午後7時〜8時30分 場所 袋井保健センター 講師 源馬均医師(げんま内科・呼吸器内科クリニック院長) 対象 禁煙に興味がある方、禁煙をサポートしたい方など 申込方法 電話で住所、氏名、電話番号をお申し込みください。 申込締切 1月25日(水)  問 申 健康づくり政策課健康指導1係 (袋井保健センター) TEL42-7275 問 健康づくり政策課健康指導1係 TEL42-7275