P10-11 FUKUROI PERSONAL FILE 袋井の人 聞こえることを遮断されても 地域や仲間との絆で幸福に 石川博彬さん(浅羽) 「手話は、心と心を手で結ぶ言葉なんです。耳が聞こえる・聞こえないにとらわれず、お互いに心を通わせ、理解し合うことが一番大切なことです」。  石川博彬さん(68歳)は、ボランティア活動に関心があり、市手話講習会や市内で活動する手話サークルの「手話指導者」として活躍しています。 「聞こえない」を乗り越えて  石川さんは、戦時中だった1歳のころ、急な高熱により、聴力の神経が麻痺し、聴力を奪われました。  小学部・中学部・高等部は、県立静岡聾学校(現在の聴力特別支援学校)へ通学。 人の口の動きや表情から音声言語を読み取る「読話」や「口話」、発声の方法を身に付ける「発語」などの専門的な勉強をしました。 「生徒は本来、寄宿舎に入るのですが、小・中学部の9年間は、心配した母が、学校の近くに家を借りてくれ、2人で一緒に生活。学校での勉強に加え、 家では、母の厳しい指導もありました。高等部までの12年間で学んだことが今の人生に役立っています」  石川さんは、視力・聴力・言語が不自由な「ヘレン・ケラー」の話を何度も何度も母親から聞き、励まされ、自身も障害を乗り越えて頑張っていこうと思ったといいます。 意思を伝える大切な手段 「手話」に興味を持って 「聴力に障害のある人の意思伝達は、手話だけでなく、筆談や身振りなどさまざま。言葉を理解するため、常に体全体で受信・発信しています」  日常生活での会話は、些細なことでも、障害のない人の何倍もの労力が掛かります。また、会話には、家族や手話通訳者などの助けがないと、非常に大変です。 「手を動かすだけでなく、顔の表情を合わせることで喜怒哀楽を伝える『手話』。実際に使ってみることで、興味を持ってもらいたいですね」 不安な災害時… 日ごろのコミュニケーションを大切に  最近では、テレビに字幕放送がついたり、電車の駅やバス停の案内は電光掲示板で表示したりと、今までに比べて、少しずつ便利になってきています。 「不安なのは、地震や台風などの『災害時』。周りの人の声やラジオ・テレビの音声が聞こえないため、早く正確な情報をキャッチできません。さらには、避難場所で周りから孤立してしまうことも予想されます」  自治会の集会などでは、自分から積極的に筆談でコミュニケーションを図っている石川さん。 「まずは、地域の人に、自分は『耳が聞こえない』ということを知ってもらうことが大切です。待っているだけでは、だめなんです」  周りの理解を求めるばかりではなく、自らが一歩前に踏み出す勇気が必要だと、力強く話してくれました。 袋井で 活動中 グループ紹介 市内で活動をしている グループをご紹介ください 自薦他薦は問いません。たくさんの応募・紹介をお待ちしています。  市内で活動しているグループを紹介するこのコーナーでは、市民の皆さんからの情報をお待ちしています。  趣味・スポーツ・ボランティア・文化芸術活動など様々な分野で、活動を楽しんでいる笑顔や頑張っている姿を、多くの人に紹介するために「私たち、こんな活動をしています」といった情報をお知らせください。 選考 応募いただいた中から、季節や地域、これまでの  掲載の有無などを考慮して選びます。採用が決定したグ  ループには、秘書広報課広報広聴係から連絡します。 ◇紙面の都合で掲載できない場合があります。また、営利目的や宗教にかかわることなど、掲載できない場合もありますので、ご了承ください。 応募方法 電話または、ファクス、Eメールでグループ名と代表者の住所、氏名、電話番号、簡単な活動内容(メンバー数、活動日、活動内容)をお申し込みください。 ◇応募は、随時受け付けています。 問 申 秘書広報課広報広聴係 TEL44-3104 FAX44-3150 メール hisyo@city.fukuroi.shizuoka.jp FUKUROI発 The対談2 女性消防団員 市長 「まちの笑顔を守りたい」  市民の生命や財産を、火災や災害から守る消防団。袋井市消防団でも、4月1日から、女性消防団員が誕生します。  今回は、「市民の安全・安心」をテーマに、消防団の皆さんと対談しました。 問 秘書広報課広報広聴係 TEL44-3104 袋井市消防団初の女性団員 入団の動機は? 市長:入団の動機や決め手はどんなことだったんですか? チャレンジ精神がわいてきた 岡本礼香さん (梅山在住、会社員) 岡本:募集のチラシを見て「やってみよう」と。自分の中でチャレンジ精神がわいてきた感じかな。 金原:自宅が浅羽海岸の近くにあるのですが、東日本大震災の津波被害を見て「少しでも防災の知識を身に付けられたら」と思って。 深見:以前、消防団員確保対策の委員を経験した時に「袋井市でも女性消防団員の採用を」と提言したことがあって。  また、「50代でも入団できるんだ」と、門戸を広げる意味でも、やってみようと思いました。 女性の視点や感性を取り入れて 高橋祐一さん (延久在住、消防団長) 高橋:女性団員は、火災発生時の出動はありませんが、男性にはない視点や感性を、災害対応などに積極的に取り入れていきたいですね。 プラス? マイナス? 消防団のイメージ 市長:今まで「外から見ていた消防団」のイメージや存在感を教えてもらえますか? 岡本:正直なところ、消防署や消防団についての知識はほとんどありませんでした。 金原:テレビ番組などでの印象が大きいのですが、地域のために頑張ってくれているということと、やはり「危険」というイメージが強いですね。 正義感の強い、究極のボランティア 深見広美さん (中新田在住、自営業) 深見:夫や息子が消防団経験者なので、良い面も悪い面もいろいろと聞きました(笑)。  正義感の強い人たちの集まりで、究極のボランティアだと思いますよ。 東日本大震災から 感じたこと 市長:東日本大震災から、まもなく1年が経過しようとしていますが、教訓や、今後の活動で活かしてみたいことはありますか? 金原:東日本大震災の被害は、これまでやってきた避難訓練などが意味のあるものだったのか、疑問に思えるくらいの衝撃でした。 深見:自分の身にも降りかかるかもしれないことを痛感しました。  消防団員という立場になれば、災害時の発言にも力が宿るのではないかと思ったのも入団の動機ですね。 市長:確かに、「災害現場では、制服を着た人の言うことは、みんなが聞いてくれる」と聞きした。 女性の視点・感性を 活かした活動を 市長:女性消防団員として、どんな活動をしたいですか? 岡本:講習の受講や指導はもちろんですが、活動の各場面で、女性からの意見を聞いていきたいです。 金原:以前、急病で倒れている人がいたのに、何もできなかった経験があります。活動で得た知識や技術を、自分だけでなく地域全体で共有して、「無知の非力」をなくしていけるようになりたいですね。 知識や技術を地域全体で共有 金原麻利さん (湊在住、会社員) 深見:非常時に皆さんのお役に立てるように知識を身につけながら、周辺の女性消防団の皆さんとも交流を持って、情報交換しながら、有意義な活動をしていきたいです。 高橋:今回入団する3人の意見はもちろん、3人が活動を通して市民の皆さんからいただいた意見を、今後の消防団活動に活かしていきたいですね。 市長:何かをする時、先駆者や開拓者には大変な痛みや苦労が伴いますが、こうして入団を決意してくれたことを、とても心強く思います。皆さんのこれからの活躍に期待しています。 原田市長 女性団員募集中 ◇消防団活動で、応急救護や防災に関する知識や技術を身に付け、いざという時にご家族や地域の皆さんを守れる力を身に付けませんか。 ◇応募資格や処遇など、詳しくは、お問い合わせください。 問 防災課消防団担当   TEL44-6092