P8-9 袋井の人 化石を通じて 地域を、地球を考えてもらえたら スズキ化石資料館 館長 鈴木政春さん(新屋)  今年3月11日、市内国本の旧東海道沿いに、地元で採集した化石などを展示する「スズキ化石資料館」がオープンしました。この資料館の館長を務めるのが、鈴木政春さん(63歳)です。 身近な場所から 化石が発掘できる驚きと喜び  鈴木さんが、初めて化石採集を体験したのは、31歳のころ。子どもと一緒に、市内大日周辺を中心に広がる「大日砂層」と呼ばれる地層で発掘したそうです。  採集した化石がどのようなものなのかを書籍や博物館で調べていくうちに、どんどん化石の魅力に引き込まれていったといいます。 「自分たちの住む場所の近くから、こんなに素晴らしいものが見つかるんだと、感動したことを覚えています。  仕事が終わると、自宅に帰らずに化石採集に向かうこともありました」  その後、仕事や地域の役職について忙しい日々を送るようになった時期でも、化石採集を続けてきたという鈴木さん。  こうして集められ、資料館に展示されている化石は、5,000点余りに及ぶそうです。 地元の人はあまり知らない… 残し、伝えていかなければ  会社を退職されてからは、市観光協会の事務局長を6年間務めた鈴木さん。昨年、事務局長を退任され、旧宅を改修して資料館の開館準備に取り掛かりました。 「化石採集を通じていろいろなことを調べていくうちに、地質学・古生物学的に貴重な場所や化石が身近にあることを、地元の人たちがあまり知らないことに気付きました」  これまで集めた化石を見てもらうことで、自分たちが暮らす地盤がどんなところなのか知ってもらいたいという鈴木さん。 「化石や地層を通じて地球の歴史を知ることで、将来の地球のことを考えたり、想像したりするきっかけになってくれればうれしいですね」  子どもたちの学びの機会になればと、小学校や公民館学級の見学にも積極的に応じているそうです。 「おもてなし」の場所としても 育てていければ  現在、資料館の運営と「おもてなし」は、鈴木さんほか有志8人で、憩いの部屋「遊亀庵」を併設し行われています。 「旧東海道沿いという立地を活かし、ウオーキングの方たちが立ち寄って、休憩できる憩いの場所としても使ってもらえたらと思います」  資料館が、地域のつながりの場や観光スポットになってくれればと語ってくれた鈴木さん。皆さんも、是非、見学に訪れてみてください。 ※見学を希望する場合は、事前に電話でお問い合わせください。 問 鈴木政春さん TEL42-4767 袋井で活動中 グループ紹介 袋井山の会  小笠山や湖西連峰などの里山の日帰りハイキングから、北岳や白馬岳などの雄大なアルプス系の宿泊登山まで、幅広く個々の体力に応じて山登りを楽しむ会です。  頂上から見える青空の中の素晴らしい眺望、四季折々の草花、春のまぶしい新緑や、秋の色鮮やかな紅葉、澄みきった夜空の星。どれも下界では味わえない、体験をしてみないと分からないもので、素晴らしい絶景と感動の数々に思わず立ち止まり、シャッターを押したくなります。  この感動を、私たちと一緒に体験してみませんか? 活動日 定例会:第2水曜日、登山:月2回程度   活動場所 市協働まちづくりセンター「ふらっと」 会員数 約45人  会費 4,000円/年(登山は別途、実費が必要です) 問 代表:根津幸久さん(可睡の杜南) TEL・FAX48-7635 市民×原田市長 THE 対談 今回は、地域の重要な産業である「農業」をテーマに、 次代を担う農業経営者の皆さんと市長が対談しました。 「多くの人に知って欲しい、農業の魅力と私たちの夢」 今、感じる農業の課題は? 市長:皆さんが農業に携わる中で、課題と感じていることは、どんなことですか? 長谷川・鈴木:機械に係る設備投資がとても大きいことは、新規就農・後継者育成を難しくしていると思います。 松田:若い人のお茶離れは、お茶を淹れる手間だけが原因ではないはず。お茶の良さと楽しみ方を知ってもらう努力が、もっと必要だと思います。 岩本:メロンの市場価格は下がり続けていますが、重油の高騰で経費は増えています。品質維持のためにも、もっと販売の安定感があると良いのですが。 農業経営で思うことは? 市長:農業を経営という視点から見ると、どんな視点が必要ですか? 長谷川・安間:若いうちから経営に関わり、自分たちがこれからどう生きていくのか、どう作り、どこに売り、どう採算を取るのか、ビジョンを立てながら経営することが大切です。 市長:世間では、「農家は大変」「後継者不足」というイメージがありますが、その点はどう感じていますか? 鈴木:私たちよりも若い世代では、農業に対する固定観念がなく、興味を持って就農する若者も多いです。農業の変化を、もっとアピールしたいです。 農業に賭ける夢は? 市長:これからの農業に対する、皆さんの夢を聞かせてください。 長谷川:行政・農協と一緒に、コスト削減、地産地消、対外的なPRに取り組み、親子2世代が生活していけるような、魅力ある農業を目指したいです。 鈴木:地域の人たちと一緒に、環境を守りながら、人の命を育み、皆さんを笑顔にできる農業をしていくことが、私の夢であり経営理念です。 安間:新しく挑戦している野菜がうまく栽培できて、市内で喜んで食べてもらえ、薦めてもらえるようになったらうれしいです。 松田:無農薬の茶栽培を、工夫して楽しんで続けることと、相談し合える仲間作りをすることです。 岩本:「メロンと言えば、袋井産のクラウンメロン」と、全国的に言われるようにしたいです。 みんなに知ってもらい、 次世代につながる農業を 市長:農業振興のため、行政にどんなことを望みますか? 長谷川:今回だけでなく、もっと多くの農業経営者の意見を吸い上げてもらうことが、農業の魅力につながると思います。 鈴木:農業を営み農地を維持することは、地域の景観を作り守ることでもあると、市民に知ってもらうことも大切です。 市長:市でも、農業は、環境や健康など幅広い分野に効用があるという視点を持って、「農を活かしたまちづくり」に取り組んでいます。 安間:農業と農産物のアピールや、販売促進などについて、一緒に考えてもらえるとうれしいです。 松田:子どもの頃の農業体験が、就農につながるような教育を期待したいです。 岩本:みんな自分で農業を経営しながら、生産者組合も運営しています。行政から組合に、もっと情報提供や支援があれば助かります。 市長:皆さんの夢が実現し、農業振興と地域の豊かな暮らしにつながるよう、行政もできる限り応援していきます。 若い人たちの日常会話に お茶の話題が出れば 松田博久さん(菩提) 茶栽培(有機栽培) どういう農業をするのか、 強く意識することが必要 安間洋一さん(太郎助) 水稲・麦・大豆栽培 職業として、商品として、 魅力ある農業へ 長谷川政二さん(西同笠) 水稲・麦・大豆栽培 品質維持だけでなく、 ブランド名の普及を 岩本将俊さん(平宇) メロン栽培 農業の幅広い役割を 知ってもらえるように 鈴木俊一さん(宇刈三沢) 水稲・茶栽培 農業の持つ魅力は 本当にたくさんある 袋井市長 原田英之 問合せ/秘書広報課広報広聴係 TEL44-3104