P10-11 袋井の人 不幸な野良猫を増やさないよう動物愛護の心を育てたい 静岡県動物愛護推進員・動物保護管理指導員 動物愛護ボランティア団体「アニマルサポート・あい」代表 山川壽代さん(大通)  市内で活動している動物愛護ボランティア団体「アニマルサポート・あい」。  この団体の代表を務め、団体設立前から約25年にわたり、野良猫に対する去勢・不妊手術を推進する活動や、捨て猫の里親探しの場の提供を進めているのが、山川壽代さん(72歳)です。 小さな生き物でも、大切な命  山川さんが野良猫の去勢・不妊を進める活動を始めたきっかけは、娘さんが拾ってきた捨て猫でした。産まれたばかりの子猫たちが、なすすべもなく全て死んでしまったことから、このような状況をなんとかしなくてはいけないと思い、活動を始めたそうです。  山川さんは、「5歳のころ、戦時中に東京の大空襲で母と幼い弟、産まれたばかりの妹を失いました。幼少の悲しい経験が元となって、命の尊さや、命を奪われる生き物の苦しみを、より思いやるようになったのだと思います」と語ります。 活動を通して増えていく理解者と救われる命  最初は親しい友人と2人で野良猫の去勢・不妊を進めていましたが、活動規模と資金の両面で限界を感じるようになったそうです。  そこで、動物愛護活動と野良猫対策の先進地やボランティア団体の活動を参考に、公的な補助金制度の創設や活動基盤の整備のため、賛同者の協力を得ながら「アニマルサポート・あい」としての活動をスタートしました。 「活動を続けていく中でうれしいと思うことは、野良猫に全く関心を示さなかった方が、私たちの活動を理解してくれるようになっていくことです。野良猫や捨て猫を飼い猫として育ててくれた多くの方に、『もらって良かった。違う世界を知ることができた』と喜んでもらえました。  野良猫の治療や去勢・不妊の費用にあてるためにバザーを開催してくれる病院もあり、本当に感謝しています」と山川さん。  一方で、悲しいと感じることは、「地域での共存に対する理解を得られずに引き取り処分に出されたり、交通事故や病気・衰弱などにより命を亡くす不幸な野良猫が、まだたくさんいること」だと言います。 不幸な猫を増やさないために 「猫を飼うときは、15〜20年ほど生きる猫を、最後まで育てられるかを考えることが必要です。猫には連絡先を書いた首輪を付け、行方不明になったときは警察署と市役所に届け出て、動物病院にチラシを配るなどして探すことが大切です。  猫も、人間と同じように痛みや苦しみを感じ、反対に喜びを感じることもできる生き物だということを、多くの人に実感してもらえるように活動を続けていきたいです」と語る山川さんからは、活動に対する意欲が伝わってきました。 ※本紙12ページの「市政Q&A」のコーナーもご覧ください。 袋井で活動中 グループ紹介 I LOVE ECOPAの会  私たち「I LOVE ECOPAの会」は、市の掲げる『おもてなしのこころ』の実践と青少年健全育成を目的にボランティア活動を行っています。  10月6日にエコパスタジアムで開催された静岡ダービー(Jリーグ・ジュビロ磐田×清水エスパルス)では、会員と袋井中学校・袋井南中学校の生徒たちと一緒に、来場者にフェイスペイントシールをはってあげる活動をしました。12月9日に開催されるクラウンメロンマラソンでは、第3給水所で、ボランティアとして選手の皆さんを応援します!  活動に興味がある方は、お気軽にご連絡ください。 活動日時 随時   活動場所 小笠山総合運動公園エコパほか 問鈴木信弘さん(上貫名) TEL42-5918 市民×原田市長 THE 対談 今回は、「ボランティア」をテーマに、市内でボランティア活動に取り組まれている皆さんと市長が対談しました。 「ボランティア活動を通じて人もまちも温かで元気な袋井市へ」 ボランティア活動に取り組んだきっかけは? 市長:皆さんがボランティア活動に取り組むようになったきっかけは何ですか? 竹山:高校1年生のころ、友人に誘われてボランティア活動に参加したのがきっかけです。それからずっと続けています。 村松:大学で社会福祉を専攻していて、実習で社会福祉協議会にお世話になりました。その時のご縁で声を掛けていただいたのがきっかけです。  ボランティア活動をしてみたいという気持ちは漠然と持っていましたが、声を掛けていただいて実際に動き出すことができました。 村田:大学でデザイン関係を専攻していますが、作品集を作ったら、子どもをテーマにしたものが多いことに気付きました。それから積極的に子どもと関わってみようと思ったのがきっかけです。 田中:大学生のころも学童ボランティアをしていましたが、現在の活動に取り組むようになったきっかけは、袋井に戻ってきてから友人に誘われてですね。 西尾:困っている人を助けたいと学生のころから考えていました。その気持ちが、きっかけでしょうか。 ボランティア活動の魅力、行政への要望は? 市長:ボランティア活動は、みんなが幸せになるためのものだと思いますが、活動をしていて、自分にとって幸せだと感じることはありますか? 西尾:手話で聴覚に障害のある方と話すことが、とても楽しいです。手だけではなく、表情や動作で気持ちを伝えます。一番大切なのは、「伝えたい」という気持ちなのです。 竹山:ボランティアの対象の方と接することで、自分の気持ちが温かくなるのを感じます。  活動に赴く前は重かった気持ちが、帰るころにはリセットされて「行って良かったな」と感じられるのが幸せですね。 村松:以前は、人とのコミュニケーションが得意ではなかったのですが、ボランティア活動を通じてそれを克服し、自分が成長できたと感じています。 市長:皆さんが取り組むボランティア活動が、さらに意義あるものとなるために、行政に望むことはありますか? 村田:児童ボランティア、特に絵画や工作などの文化的活動のボランティアや、子どもたちの受け入れ口がもっと増えてほしいですね。 西尾:手話通訳者の待遇が良くなれば、手話通訳者を目指す人や手話に携わる人が増え、聴覚障害者の方がもっと住みやすい社会に近づくと思います。 田中:市内で活動しているボランティア団体が集まる機会が、増えるといいですね。横のつながりが広がったり、足りない部分を補っていったりできるのではと思います。 村松:活動をしたい人と必要としている人を結ぶ情報提供を充実してもらえればと思います。 市長:皆さんの話を聞くと、ボランティア活動を通じて人間として成長できる、豊かな心になれることを感じました。今日はありがとうございました。 「お手伝い」というよりも自分も楽しみながら 竹山恵生さん(可睡の杜) 知的障害ボランティア 自分の力を活かしながら社会貢献ができたら 村田勇希さん(沖山梨) 子どもたちへの工作指導 自分の経験を、活動を通じて伝えていきたい 田中信裕さん(小川町) 袋井市青年団団長 相手の立場に立つことの大切さを知ってほしい 西尾のぞみさん(浅羽) 手話奉仕員 「誰かのため」だけでなく「自分のため」の活動にも 村松菜美さん(方丈) 知的障害ボランティア 活動している人の元気をまちの元気に活かせるように 袋井市長 原田英之 問合せ/秘書広報課広聴係 TEL44-3104