P24-25 袋井でお茶を楽しむ やっぱりお茶が好き! おいしいお茶を飲む体験は、お茶が好きになる第一歩! まずは一杯、お茶を飲んでみませんか? 茶どころ袋井  静岡県は全国トップの茶生産地で、製品になる手前段階のお茶(荒茶)の生産量は、全国の約4割を占めます(「平成24年産茶生産量」農林水産省統計資料による)。あたり一面に茶畑が広がる風景は、初めて見る人を驚かせます。  その中にあって袋井市は、中遠の茶どころのひとつです。県内の茶栽培に関わる最も古い記録は、袋井のお茶についてのもので、京都の公家の日記「師守記」に、約650年前から袋井でお茶が作られていたことが分かる記述が残っています。市内の茶の栽培面積はおよそ727haあり、多くの生産者が携わっています。市内のあちらこちらに茶畑が見られ、茶畑が映画のロケ地に使われたこともあります。新茶の季節には、製茶工場の近くを通り掛かるとお茶の良い香りが漂います。 いつも身近にあるお茶  袋井のお茶を飲んだことはありますか?  市内すべての小学校には袋井産のお茶を使った給茶機が設置され、児童は休み時間や昼休みにお茶を飲んだり、お茶でうがいをしたり、活用しています。授業の一環として茶摘み体験やお茶のいれ方教室を実施する小学校もあり、お茶は学校生活にもとけこんでいます。  ふくろい春のお茶まつりなど、新鮮なお茶を楽しむ機会は豊富にあり、まさに茶産地ならでは。市内の茶販売店では、袋井産のお茶を試飲できるお店もあります。  平成23年度袋井協働まちづくり事業で作成した「袋井お茶巡りマップ」には、袋井のお茶スポットやお茶の歴史などの情報が満載です。 問 袋井市役所農政課(袋井茶振興協議会事務局) TEL44-3133 お茶のこれから  日本食や健康ブームに乗って、緑茶への注目は高まっています。海外輸出は10年前の3倍以上に伸びているそうです。 体に良いとされる効能や癒やし効果、コミュニケーションの手段としてなど、お茶を飲むきっかけは様々ですが、どんな形にせよ、お茶を楽しむことで、お茶文化をこれからもつなげていきたいですね。 お茶の生産者の方に袋井のお茶について聞きました!  袋井のお茶の魅力は、「香りと味がいいこと」です。昔は渋いお茶も好まれましたが、今は色がきれいで味がまろやかな深蒸し茶が主流です。お茶の味は、土質以上に自然環境の影響を受けます。だからこそ、いつも茶畑に足を運び、茶の生育を見守っています。  おいしいお茶を作るためには生葉作りが大切。人間と同じで、バランスよく栄養を吸収するよう栽培管理をしています。茶の木は、大きな葉を数多くつけると効率よく日光を受けて栄養を蓄え、うまみ成分を持った茶ができます。  小学校の地域体験学習の一環で、お茶摘み体験をサポートしています。地元の茶業を体験し、そのうちの何人かでも、ずっとお茶を飲んでくれればいいなと思っています。 日本茶インストラクターにお茶のいれ方教室について聞きました!  地元の日本茶インストラクターや茶業青年部とともに、各イベント会場でのお茶の普及活動や、県の事業として小学生を対象としたお茶のいれ方教室を行っています。  子どもたちには、「ドリンクのお茶は各メーカーの人たちが考えて作った、いつもかわらないお茶の味。でも、自分でいれたお茶は茶葉の量、湯の量、湯の温度、抽出時間によって異なる、世界でひとつしかないお茶の味になる」と伝えています。講師として、というよりもわが子に接している感じで話をしています。  市内には、お茶づくりに情熱をもった若手の生産者さん、茶審査技術最高段位の茶師がおり、これからのふくろい茶には希望があり、期待が持てます。 お茶に関心のある、市民の皆さんに自分流のお茶の楽しみ方を聞きました! 6月4日に月見の里学遊館で開催された「お茶を使った料理教室」。参加した皆さんに聞きました。 ○お茶は、夏は水出しして水筒に入れ、家族が仕事場へ持って行きます。新茶の季節には、お茶の新芽と桜えびで天ぷらにします。 ○冬場に風邪予防にいいと聞いたのがきっかけで、家族みんなでお茶を飲んでいます。 ○地元のお茶を普段からよく飲みます。今日教わったお料理も、家で作ってみたいです。 お茶のいい話 ふくろい茶と急須のセットを市から贈呈 本市では、平成19年4月1日から、婚姻届を提出された方にお祝い品として、特産品である ふくろい茶と急須のセットを贈呈しています。 問 市民課市民サービス係 TEL44-3112 贈られた急須は本当に重宝しています! 色々なお店で気になるお茶を買っては、毎日この急須で飲んでいます。中が帯網になっているので、深蒸し茶でも詰まることがありませんし、サイズが大きめなので2人でたっぷり飲めるのもうれしいです。 きになるコトバ 遠州弁(参考「遠州の方言考」浅井昂著) 『くろ』 隅。すみ。共通語では畦をくろというが、畦はまん中ではなく隅の方にあるので、そんなところから、変化してきたものと考えられるのではないだろうか。 市民編集員のひとこと 庁舎2階に、地元特産品を紹介する6次産業展示コーナーがあります。見てね!(小関裕子、谷口史恵)