P10-11 袋井の人 デフリンピックで金メダルを目指して 第22回夏季デフリンピック競技大会(ソフィア2013)ビーチバレー日本代表 武内晴香さん(中町) デフリンピックとは  4年に1度、世界規模で行われる聴覚障害者のための総合スポーツ競技大会。1924年から始まった歴史ある国際競技大会です。 デフリンピックホームページ http://www.jfd.or.jp/deaflympics/  大会結果もご覧いただけます。  7月26日から8月4日まで、ブルガリアのソフィアで開催された「第22回夏季デフリンピック競技大会」。この大会のビーチバレー部門・日本代表として出場したのが、武内晴香さん(30歳)です。 デフリンピックに出たい その気持ちが私を強くした  武内さんがビーチバレーを始めたきっかけは、24歳の時に台北で行われた「第21回夏季デフリンピック」のビーチバレー出場選手募集を見て、やってみたいという強い思いが湧き起り応募したことです。  それまでビーチバレーの経験がなかったため、砂に慣れること・技術を身につけることに加えて、毎日約2時間ジムトレーニングを積んだことがとても大変だったと振り返る武内さん。台北大会のデフリンピック日本代表には選ばれなかったものの、いつかビーチバレーでデフリンピックに出場したいという気持ちがあったから、辛い練習も乗り越え、続けてこれたそうです。  今回の大会では、リーグ戦でアメリカ・ロシア1・ギリシャ・ブラジルと戦い、2勝2敗で決勝トーナメントに出場。決勝トーナメントでは、一回戦で敗退してしまい、18チーム中9位という成績でした。 「勝てる試合だったのに接戦の末負けてしまったアメリカ戦は、本当に悔しかったです」と、印象に残っている試合について話してくれました。 「大会を通して、学ぶことが多くありました。今大会では、全ての力を出し切ることが出来なかったけれども、新しい目標を見つけることができたことが大きな収穫ですね」と、次に向けて気持ちが切り替わっていた武内さん。ここまで頑張ってこられたのは、練習が終わって、夜11時に帰宅しても、必ず食事を用意して待っていてくれた家族のおかげと、照れくさそうに話してくれました。 攻撃力を強化して 4年後のデフリンピックを目指す 「スポーツの『戦い』や『やっていて楽しい』というところに魅力を感じてます。  今回のデフリンピックでは、自分たちの守備の堅さが世界に通用するということが分かりました。これから多くの試合を重ねて経験値を上げていきたい。4年後のデフリンピックでも、日本代表として金メダルを目指したいですね」と、力強くそして満面の笑みで話してくれました。  4年後のデフリンピックで、笑顔で輝いている武内さんの姿が見られることを期待しています。 袋井で活躍中 グループ紹介  浅羽おっかさの会  私たち「浅羽おっかさの会」は、浅羽町商工会の会員で構成するグループです。地域活性化のため、地元の地場産品を使用した特産品の開発や会員の行う各種イベントの販売補助を実施するなどの盛り上げ活動を行っています。  今回、「平成の命山」にちなんだお土産・特産品の開発に取り組み、『平成の命山 浅羽きなどら』を開発しました。  原材料には、地場産品の豆乳・浅羽産小麦・地豆のきな粉を使用し、きな粉味の餡を増量することで見た目も命山を連想させています。9月1日(日)から、「どんどこあさば」と「菓子司 冨士屋」(袋井市大門)で販売を開始します。価格は1個157円(税込)。是非、ご賞味ください。 特別編 THE対談 今回は、静岡県第4次地震被害想定を踏まえて「袋井市の防災対策」について対談しました。 「地震被害想定から考える地震に強いまち・袋井市に!」 「静岡県第4次地震被害想定」とは  6月27日、静岡県第4次地震被害想定第1次報告が発表されました。  この想定は、現在の科学的知見に基づき、発生すれば甚大な被害をもたらす、あらゆる可能性を考慮した最大級の巨大地震を想定したもので、地震・津波被害ともに、これまでの想定をはるかに上回る数値が発表されています。  静岡県第4次地震被害想定の数値などにつきましては、本紙8月1日号「静岡県第4次地震被害想定が発表されました」をご覧ください。  発表された被害想定から、被害を軽減するためにどうすれば良いのかを、全国各地でのワークショップや災害情報学を専門とし、袋井市の防災対策に対して指導・助言をいただいている「袋井市津波被害軽減対策検討会会長」の牛山素行さんに伺いました。 袋井市の被害想定は? 市長:第4次地震被害想定が発表されましたが、牛山さんから見た「袋井で注意すべき点」を教えてください。 牛山:被害想定では、津波が注目されますが、津波から避難するためにも、まずは自身の安全を確保することが重要です。そのためには、住宅の耐震化がとても大切。旧来の木造家屋を優先に、市内全体で耐震化を進める必要があると思います。 市長:津波対策はもちろんのこと、住宅の耐震化や家具固定も戸別訪問を行うなど積極的に進めてまいります。それ以外にも注意しなければならないことはありますか。 牛山:見落としがちですが、ブロック塀の倒壊対策も、人的被害の防止や避難路の確保の面でとても重要です。ブロック塀の撤去や生け垣への変更に補助制度があることを周知するなど、より強力に広報活動を推進してほしいですね。 災害時に備えた備蓄品やライフラインについて 市長:災害時には、食糧や水などの備蓄が大切だと思いますが、備蓄についてはどう思いますか? 牛山:一般的には、災害時に備えて7日間分の備蓄が必要と言われていますが、なかなか大変です。非常用と限定せずに、普段購入するものを少し余裕をもって買いためておくことで、災害時の備蓄品として代用できると思います。 市長:被災した傷病者の搬送や支援物資・支援者の移動などを行うための輸送路や輸送手段といったライフラインについて、袋井市の状況をどうお考えになりますか? 牛山:袋井市には、輸送道路として、東名高速道路・新東名高速道路・国道1号など東西を結ぶ交通網が整っている強みがあります。しかし、現状では南北を結ぶラインが弱いので強化が必要です。陸路だけでなく、空路を受け入れる体制づくりも進める必要があると思います。 市長:空路の受け入れについては、原野谷川親水公園やヤマハのテストコースなどをヘリポートとして利用していく体制を整えています。今後は、道路の耐震化を研究するなど、災害に負けないライフラインの整備を考えてまいります。 災害時のボランティアについて 市長:東日本大震災でもボランティアの活躍が注目されましたが、受け入れ側として考えるべきことは? 牛山:計画的に受け入れていくことが大切だと感じます。ボランティアを必要としているところに必要な支援がしっかりと行き届くようにしなければならない。そのためには、窓口を一本化したり、行政と社会福祉協議会などが連携を強化したりしていく必要がありますね。 防災対策で最も大切なことは? 市長:大地震が起きた時に、行政として最も心掛けなければならないことはどのようなことでしょうか。 牛山:防災対策に投じることができる人材や資源は限られます。重要度に応じた順位付けにより対応をしていくことがとても大切になると思います。  今回の第4次地震被害想定は、どのような対策を講ずれば、どういった効果が期待できるのかといった、対策の優先度を見極める判断材料となるのではないでしょうか。 市長:市民の命を守るためにこれからも「防災対策」に積極的に取り組んでいきます。今後も、袋井市の防災対策に、ご指導よろしくおねがいします。ありがとうございました。 住宅の耐震化や家具固定で災害に強いまちづくりを 袋井市長 原田英之 「重要度」に応じた順位付けで1人でも多くの人を救いたい 牛山素行さん 静岡大学防災総合センター 副センター長・准教授