P30-31 自分の健康、自分で守ろう 毎朝、鏡の前でにっこり笑ってみると、なんだか元気が出る。 日常のちょっとした気付きが、健康への第一歩につながります。 自分の心と体に毎日少しだけ意識を向けてみませんか? 健康って何ですか?  「日本一健康文化都市宣言」を掲げる袋井市。健康への意識を市民文化として定着させることを目指しています。公益社団法人日本WHO(世界保健機関)協会によれば、健康とは「病気でないとか、弱っていないとかいうことではなく、肉体的にも精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」であるといいます。これは、心も体も元気であり、安心して生活できる社会の中で、社会や他人とよい関係を築いていけることでもあるでしょう。  健康のバロメーターは人それぞれですが、まずは自分の心と体を大切に思うことで、自分の状態を知る意識を持つよう心掛けたいものですね。  公民館や地域の公会堂など市内の施設では、健康に関する様々な講座を開催。定期的なものや、出前講座なども実施しています。皆さんも一度出掛けてみませんか? 運動で心のスイッチが切り替わる! 毎日やろう、心と体のメンテナンス  7月27日、浅羽東公民館で行われた「若返り教室・ボディワーク!」講座。ボディワークとは、「車の整備」という意味のほかに「整体」という意味があります。講師は、健康運動指導士の中野直子さん。全8回の講座を通して、姿勢を改善して動きやすい体をつくっていきます。  この講座は、参加者の安間まさ子さんが中野さんの講座を偶然見学し、いい体操だなと思ったことがきっかけで、公民館での開催に至ったそうです。  この日のテーマは「膝・メンテ!」。参加者15人が、フットケアから開始。「気になるところは触ってみて。体の状態を感じながらやってね」と講師の中野さん。「足首を回して機能を呼び戻しましょう。人が歩く時使っているのは、足首の可動域の30%だけなんですよ」  途中、両足の長さを比べ、動かした足のほうが長くなっていることがわかると、参加者から歓声があがります。 「体の声を聴きましょう。脳から指令を出して体を動かし、心地よさを脳に返してください」  体の軸が整っていると、足踏みしても同じ場所から動かないそうです。揺らぎながら軸を見つけ、『耐震性の高いビル』のような体を目指します。「ぐらぐらしても大丈夫。筋肉が目覚めます。どんどんぐらぐらして」と、中野さんの言葉巧みな声掛けに、皆さん笑顔がこぼれます。 「レッスンで大切にしていることは運動を『好き』のフィルターで感じ、脳も心地よく感動させること。笑顔は心の鏡です」  動きの効果が実感でき、自宅でも続けられそうですね。 超高齢社会を地域で支え合うために 「認知症サポーター養成講座」  日本は超高齢社会を迎えています。長寿は喜ばしいことで、自分自身の健康を維持し、健康寿命を延ばすことはとても大切なことです。しかしその一方で、地域でも、認知症への理解や支援が課題となっています。  認知症は誰もがなり得るもので、85歳以上の4人に1人は認知症の疾患があるともいわれています。  市では、平成18年から、認知症の人やその家族への支援方法を学ぶ「認知症サポーター養成講座」を各地で開催していて、今年3月末までに、およそ3千人の市民の方が受講しています。 子どもと高齢者の交流会で学ぶ  7月28日、神長自治会館で行われた認知症サポーター養成講座には、地域の小学生と保護者、高齢者の30人ほどが参加しました。  講師を務めた袋井南部地域包括支援センターの職員の皆さんは、「住み慣れた地域で、安心して生活していくためには、あらゆる世代の方たちに認知症の症状や、正しい接し方について知ってもらうことが必要」と話します。そのため地域包括支援センターでは、自治会や公民館などに講座のPRを積極的にしていて、今回の講座は「神長やわらぎの会」の協力で実現しました。  講座では認知症の方に接するときの心構えとして、子どもたちに簡単な質問をし、1問目では、同居するおばあちゃんがご飯を食べたあと「まだご飯をもらっていない」と言い出した場合どうするかを一緒に考えました。  職員は、認知症の症状には物事を忘れやすい特徴があり、おばあちゃんはうそをついているわけではないこと、困っている気持ちをくむことなどを説明。それを受けて2問目では、おばあちゃんが「財布を盗まれた」と言った場合に、全員が「財布を一緒に捜してあげる」と答えたそうです。  わずかな時間でも、認知症の人に接するときの方法を理解した子どもたち。受講後には、「自分がもし認知症になったら優しくしてほしいから、優しくしてあげたい」との感想も聞かれ、参加者には、認知症サポーターの証となる「オレンジリング」が贈られました。  皆さんも身近なこととして、認知症について考えてみませんか。 ◇認知症サポーター養成講座のお問い合わせ先 問 いきいき長寿課長寿福祉係 TEL44−3121 きになるコトバ 遠州弁 参考「遠州の方言考」浅井昂著 〜しゅう 「あとは若い衆らでどうぞ」 〜人たち。方言ではないかもしれないが、当地方では多用する。 市民編集員のひとこと  「健康のために運動する」だけではなく、自分が心地いいかどうかも大切なんだなと思いました(小)  自立しながら楽しく生活するために、できることがいろいろあるなと考えさせられました(谷) 小関裕子、谷口史恵