P18-19 経済(エコノミー)から考える天ぷら油の資源化 普段、天ぷら油の処理はどのようにしていますか? ちょっと面倒な油の処理ですが、ひと手間かけることで、お金にも軽油に代わる燃料にも生まれ変わります。 廃食用油のいまとこれから  天ぷら油など使用後の油を廃食用油といい、近年、この廃食用油は「貴重な資源」になることが注目されています。  市では資源ごみの収集日に廃食用油を回収していますが、平成24年度の統計によれば全体で20t、市民1人あたりでは年間231mlの回収量ということです。それ以外は燃えるごみとして出すなど、そのまま捨ててしまっているのが現状のようです。  現在、燃えるごみの処理費は1kgあたりおよそ20円で、回収運搬費用もかかっています。その一方、廃食用油については、1L5円で再生処理施設(株式会社袋井清掃)に売却され、市の収益となっています。回収された廃食用油は、軽油に代わる燃料である「バイオディーゼル燃料」に生まれ変わり、ごみ収集車などの燃料に使用されています。  また、地場の菜の花などから搾油した食用油を消費し、廃棄時に回収・再利用することで地域における資源の循環を目指す取り組みも盛んです。この活動は「菜の花エコプロジェクト」と呼ばれ、市でも3年前から取り組んでいます。  今後、廃食用油の回収とリサイクルが進めば、ごみ処理費の節約になり、バイオディーゼル燃料車が増えて環境負荷の抑制にもつながります。  廃食用油はごみではなく、価値ある資源。分別・回収に協力していきたいですね。 ●廃食用油のゆくえを追ってみよう● 1 家庭で出る食用油を分別 @常温にさまし、オイルポットなどで軽くこします。 Aジョウゴなどを使い、透明か半透明のプラスチック製の食用油の空きボトルまたはペットボトルに入れます。 2 収集場所にある専用のコンテナに出します。 食用油の空きボトルは、油がこぼれないようにキャップをしっかり締めよう!食品包装用ラップでまくのもいいね。 資源ごみ回収を日曜日にも行っています 収集日 場所 時間 第1・第3日曜日 袋井市役所北側駐車場西側 午前9時〜午前11時 第2・第4日曜日 浅羽支所庁舎南側 3 再生処理施設にてバイオディーゼル燃料に加工 廃食用油に出せないもの ラードなどの動物性油、機械油、オイル、灯油など 4 市内を走っています バイオディーゼル燃料は、軽油と比べても燃費やパワーはほとんどかわりません。良質な燃料ですので臭いもありませんよ。 廃食用油を良質なバイオディーゼル燃料へ再生! 株式会社袋井清掃へ行ってきました!  この業務を始めたきっかけのひとつとして、浄化槽、排水処理関連の仕事をしていることから、下水道の負荷軽減にもつながるためと伺い納得。高度な設備がなくても技術的に可能になったことも大きかったそうです。 ●生産量は1日に6時間弱で200L ●精製工程はシンプルかつ丁寧 ●現在市内では、自社車両13台と他社2台のバイオディーゼル燃料車が走行中 バイオディーゼル燃料の特徴は? 軽油と比べて黒煙の発生は3分の1、二酸化炭素の排出量はゼロカウント(※)、環境負荷の少ない再生エネルギーといえます。 ※食用油に含まれる二酸化炭素は原料の植物が大気中から吸収したものであり、バイオディーゼル燃料は地球環境中の二酸化炭素を増加させません。 教えてください!「あなたのおうちの油事情」 〜エコキャンドル作り体験に参加した皆さんに聞きました〜 このイベントは…  菜の花エコプロジェクトの一環で、菜種の搾油とエコキャンドル作りを体験。エコキャンドル作りでは、普段は捨ててしまう天ぷら油を使ってキャンドル作りをしました。 ●昨日も揚げ物をして長い時間揚げていました!使い終わった油は、ペットボトルに入れて回収へ出しています。 ●工房でパン作りをしています。パン作りで出た油は、ドラム缶に入れて業者さんに引き取ってもらいます。 ●以前は、新聞紙を詰めた牛乳パックに入れてごみへ。回収してくれて助かりますね。 ●オイルポットでこし炒め物などで使い切ります! 使ってみよう!やってみよう! オイルポットがあると便利! 揚げ物の最後にジャガイモの皮を素揚げすると、油がキレイに! きになるコトバ 遠州弁 (参考「遠州の方言考」浅井昂著) 「はいね」 これちょうだい! はいね〜 感動詞なので強い意味はないが、「はいそうです」というゆったりとした肯定を表すことになろうか。 市民編集員のひとこと  油を資源にすることはエコロジーなだけでなくエコノミーだと今更気づき、目からウロコでした。(小)  バイオディーゼル燃料車の排気ガスは臭いはほとんどありませんでした。油は貴重なんですね。(谷) 小関裕子、谷口史恵