P04-05 袋井の人+特別編THE対談 北海道日本ハムファイターズ 浦野 博司さん 市長:プロ野球ドラフト会議での指名、そして北海道日本ハムファイターズへの入団決定おめでとうございます。  プロ野球という夢の舞台へ踏み出す浦野さんの、「これまで」と「これから」について教えていただきたいと思います。 少年野球からプロまでの道のり 市長:野球を始めたきっかけは? 浦野:僕の野球人生のスタートは、小学3年生のとき。笠原スポーツ少年団に入団したのが始まりです。  もともとは、祖父が好きだった陸上をやろうかと思っていたんですが、父に誘われたのがきっかけでチームに入ってみると、野球が楽しくて楽しくて仕方なくなっていくのを強く感じました。投手をやるようになったのは5年生のころからですね。 市長:小学生で野球を始めてから、中学・高校・大学、そして社会人と続けてきたわけですが、その中で嫌になったり気持ちが折れてしまったりするようようなことはありませんでしたか? 浦野:1度決めたらとことんまでやり抜きたい性格というか、負けず嫌いなんですよね。だから、試合で負けて悔しいと思ったことはあっても、野球が嫌になったりやめたいと思ったことはありませんでした。  「ケガをして痛いから休みたいとか、遊びたい、やめたいとか、簡単に言うな」という父の言葉も、野球を続けてこられた原動力の1つです。 市長:プロ野球選手になることを意識したのはいつごろでしたか? 浦野:高校生のころからひそかにプロを夢見ていましたが、そのころは「甲子園にも出られないようではプロは無理」だと考えていました。でも、「もっとレベルの高いところで野球をやりたい」という気持ちは強かったので、高校の監督からの勧めもあって愛知学院大学へと進学しました。  プロ入りを本当に強く意識するようになったのは、大学を卒業するころですね。大学からストレートでプロに行きたいと考えていた時期もありましたが、大学4年で出場した全日本大学野球選手権大会を通じて、「今の自分の力では、まだプロでは通用しない」と痛感しました。 市長:プロを諦めようと思ったことは? 浦野:プロを諦めようという気持ちがなかったと言ったらうそになりますが、諦めようという気持ちと同じくらいか、それ以上に諦めたくないという気持ちもありました。そんなときに、セガサミーに声を掛けていただいたんです。  「社会人野球で2年間がんばって力を付け、プロに行く」。そう考えられるようになってからは迷いもなくなり、それまで以上に自分に自信を持って野球と向き合えるようになった気がします。 市長:ドラフト会議は、どんな心境で見守ったんですか? 浦野:当日は、セガサミー本社に用意していただいた記者会見場のモニターでドラフト会議を見守りました。自分の名前が呼ばれたときは、突然だったので驚きましたが、素直にうれしかったです。 プロ1年目への思いとふるさと「袋井」への思い 市長:夢だったプロ野球選手としての1年目が始まりますが、プロの世界で目指すことはどんなことですか? 浦野:新人賞などのタイトルを目指したい…という気持ちはもちろんありますが、まずは1日でも早く1軍に定着できるようになりたいですね。そして、1日でも長く現役として野球を続けていきたい。試合以外の部分も含めて、誰からも愛される選手になりたいとも思います。 市長:こうしてお話をしていると、浦野さんは良い意味で飾り気がないというか、とても素直な印象を受けますね。そんな自然体でいてくれたら、チームメイトやファンの方も応援せずにはいられなくなるのではないかと思います。 浦野:実は、マウンドでは闘志をむき出しにするタイプなんです(笑)。でも、高校時代に監督から「お前1人がカリカリしてもチームのためにはならない」と諭されて、後ろで自分を支えてくれている仲間のためにも意識的に冷静に装うことを心掛けるようになりました。プロの世界でも、負けず嫌いな部分をプラスの力に変えていくことができればと思います。 市長:本格的にプロでの活動が始まると、今まで以上に袋井を離れることが多くなると思いますが、ふるさとやご両親、地域の方たちへの思いなどはありますか? 浦野:笠原の自然いっぱいの中で育ち、野球に出会い、そしてここまで来られたのも、両親や周りの皆さんが支えてくれたからだと思っています。特に両親は、自分が野球に集中できるようにできる限りのことをしてくれました。言葉では言い尽くせないほど感謝しています。  周りの皆さんも、様々な場面で僕が目指す夢を後押ししてくれました。早くマウンドで投げる姿を見せて、少しでも恩返しができたらと思います。 子どもたちへのメッセージ 市長:最後に、プロ野球選手という憧れの存在となる浦野さんから、野球に取り組んでいる後輩、そして袋井市の子どもたちへのメッセージをお願いします。 浦野:自分が子どものころは、毎日が楽しかった記憶があります。野球だけではなく、学校や地域で友人と過ごす時間がとても大切だったんだなと、今になって強く感じています。特別ではないと思っていることや、当たり前だと思っている日常の中にも、将来の自分にとっての財産や宝物になるものがきっとあるはずです。  子どものころの時間は、とても貴重な時間です。色々な経験を重ねながら、自分のやりたいこと・なりたいものといった夢を見つけて、その夢に向かってがんばってください。 市長:これからも浦野さんらしさを忘れずに、プロの世界で大成し活躍してくれることを期待しています。 ■ 浦野博司さん プロフィール 平成元年7月22日生まれ、24歳。袋井市山崎出身。小学3年生から笠原スポーツ少年団(写真1)で野球を始め、5年生から投手となる。笠原小学校〜浅羽中学校(写真2)〜浜松工業高校(写真3)〜愛知学院大学へと進学。 愛知学院大学(写真4)では、1年春から愛知大学野球連盟リーグ戦に出場。3年春から主戦投手となり、同学の4季連続リーグ優勝に貢献した。リーグ戦通算成績は24勝。3年春・4年春にはMVP、ベストナインに輝く。4年の全日本大学野球選手権大会ではベスト4、明治神宮大会では準優勝。 平成24年、セガサミーに入社し、先発の柱として活躍。平成24年・25年の都市対抗野球大会では、チームの本戦出場と勝利に貢献した。 10月24日に行われた「2013年プロ野球ドラフト会議」で、北海道日本ハムファイターズから2位指名を受け、入団が決定。日本ハムファイターズでの背番号は『17』(写真5)。178p・70kg・右投げ右打ち。