P18-19 備えあれば憂いなし おうちでできる!減災対策 「減災」という言葉を知っていますか? 災害時に発生しうる被害を最小限に抑えるための取り組みのことです。今すぐ自分でできること、いろいろありますよ。 「げんさいカフェ」体験してきました。    お茶を片手に減災について楽しく学ぶ「げんさいカフェ」は、メロープラザ市民提案事業のひとつで、地域防災力の向上につなげることを目的にしています。  講師を務めるのは、整理収納アドバイザーとして活動中の鈴木陽子さん・秦詠子さん(暮しごと舎)。備蓄していた防災用品を、管理できずに無駄にしてしまった経験から、「同じ悩みを持っている人に『もっと楽に』『無駄なく備える』ノウハウを伝えたい」と思ったことがきっかけだそうです。  この日の「げんさいカフェ」のテーマは『気軽に備える備蓄品』。「講座途中でも飲み物やお菓子はご自由にどうぞ」という説明の後、参加者同士で自己紹介をすると、会場内は和やかな雰囲気になりました。 自宅避難できる備えには 普段使っているものをちょっと多く持つ  自分でできる備えには、@自宅避難できる備えA外出時の備え(飲み水やお菓子などを携帯)B非常持ち出し袋の3種類があります。  講座のメインは@です。自宅が安全なことを前提とした、自宅避難用の7日分以上の備蓄と管理が大きな鍵です。 「回転備蓄(ローリングストック法)が便利です。家庭でよく使い、非常時にも利用できる食材や日用品の備蓄をちょっと多めに持ち、使ったら買い足すことがおすすめです」と秦さん。在庫管理が楽で、ロスが出にくいと聞き、興味がわきます。 備蓄品どれだけ持つ?どこに収納する?  回転備蓄を実行するためには、適正な備蓄量の把握と、置き場所の確保が必要だそうです。  例えば毎日使うトイレットペーパーも、家庭でどのくらいの量を使用しているか意外とわからないもの。講座では、トイレットペーパーの備蓄量を考えたり、備蓄品を使った7日分の献立用に何をどのくらい備蓄すればいいか知恵を出し合ったり、みんなで盛り上がりました。 「買う前に必ず不要なものを減らし、スペースを確保しましょう。色々試しながら備えの方法を見つけてくださいね」  わが家の減災対策、これなら手軽に始めることができそうです。 「げんさいカフェ」は、ほかに『安心できる部屋作り』、『簡単パン作りと非常食の食べ比べ』のテーマでも開催しました。  パン作り講師の江川唯姫子さんを招いた簡単パン作りの講座は、「減災講座だけど何か楽しそう!」と好評でした。 参加者の声 ・耐震補強は関心を持っていたが備蓄については考えていなかったので、参加してみました。楽しかったです。 ・いろんな備蓄品があると子どもも楽しく食事ができますね。 ・内容が具体的でよかったです。 ・ガソリンの容量が半分になったら給油しているという被災地の体験談を聞き、実践しています。 防災課にお話を聞きました! 「市民の皆さんの自助・共助の意識をいかに高めるかを大切に、防災対策に取り組んでいます」  市の地震・津波対策の基本目標は「人命被害ゼロ」。自分で自分の身を守る(自助)とともに、地域の皆さんと協力し合う(共助)ことで、地域全体の被害軽減につなげることができます。  お願いしたいのは、それぞれの家庭での7日分以上の水や食料の備蓄と、住宅の耐震補強や家具の固定です。耐震補強や家具の固定には充実した補助金制度もあります。  災害時の安否確認のためにも、ご近所同士顔が見えるお付き合いをする中で、地域とのつながりを深めていただきたいと思います。防災訓練で顔を合わせることもいいきっかけになります。市民一人ひとりが自主防災隊員という意識を持って、是非ご参加ください。 自分でできること、探そう 女性目線での防災対策について  防災対策に女性の視点を取り入れようと、市では自主防災組織の地域防災対策会議に、できるだけ多くの女性に参加していただけるようにお願いしています。  さらに結成から3年目を迎える、袋井市消防団女性消防隊の活躍もあり、災害時にも女性の声が届きやすい、心強い体制作りがすすめられています。  阪神・淡路大震災や東日本大震災を体験した方の中には、女性ならではの問題で困ったという話が多数ありました。特にトイレの問題は深刻です。  市では災害時のトイレ対策として、災害対策本部と支部、避難所にそれぞれ組立式の仮設トイレや簡易トイレ(合計およそ650基)を備えています。また市内の建設機械レンタル事業所5社と、災害時に仮設トイレの供給をしていただけるよう、災害時支援協定を結んでいます。  しかし、まだ十分な状況とはいえません。災害時でもトイレは欠かすことのできないものです。是非、私たち自身で備えておきたいですね。   教えて!もしものときのトイレ対策  女性消防隊の皆さんに、女性視点での災害時のトイレ対策について聞きました。 ◎自宅や避難所のトイレが使えなくなったときは、ビニール袋を便器やバケツにかぶせて、中に細かくした新聞紙やペット用砂を入れて使います。目隠しがないときは、レジャーシートや授乳用のマントが使えますよ。 ◎おむつ(大人用・子ども用)がないときは、レジ袋やふろしきをおむつカバーに、生理用品がないときはハンカチやティッシュで急場をしのげます。 ◎女性にとって災害時に声をあげるのは勇気がいりますが、自分のことを自分で解決していく姿勢が大切です。それぞれの家族構成によって、備蓄に必要なものを工夫しておくといいですよ。 こちらの問いかけに気さくに答えてくれた女性消防隊の皆さん。「災害時にも女性の視点を生かして、リーダーシップをとっていきたい」と語ってくれました。 袋井市消防団女性消防隊の愛称が決まりました! 愛称 袋井市消防団女性消防隊「ルビーズ」 愛称の意味 美しさと高い耐火性をあわせ持つ宝石のルビーにちなみ ◇市消防団では、女性消防隊が市民の皆さんに親しみを持ってもらえるよう愛称を募集しました。 ◇今後も市消防団ならびに女性消防隊「ルビーズ」をよろしくお願いします。 きになるコトバ 遠州弁 参考「遠州の方言考」浅井昂著 なんのかんの 「準備もなんのかんのあるじゃん」 なんだかんだ、の変化したもの。あれやこれや。あれこれ。 市民編集員のひとこと 「いつかやる」から「今やる」へ。気軽に話題にしながら、備蓄意識を生活の一部に!(小) 大きな災害が起きると、トイレは不足すると聞きます。すぐに備えたいですね。(谷) 小関裕子、谷口史恵