P30-31 市民編集員がお伝えします Citizen's Eye 企画・編集:市民編集員(小関裕子) 子育て世代を応援します! 働きながら子育てしたり家族を介護したり、多様で、複雑な課題を抱えている社会です。 そんな社会にあって、子育て世代の支えとなっているものを紹介します! 子育てを支えるもの  インドでは「他人に迷惑をかけるのは仕方がない。だから、あなたも他人の迷惑を許しなさい」と教えるそうです。  子育てにも通じるものがあり、「お互い様」の気持ちで助け合うことが必要です。核家族化が進む今、子育ては家族だけの支えでは負担が大きく、社会全体の支援が不可欠な時代といえます。  市では、保育所や幼稚園、援助を受けたい人と応援したい人がお互いに会員となって助け合うふくろいファミリーサポートセンターなど、様々な保育サービスで子育て世代を支えています。保育所については、認可保育所の定員拡大や認証保育所の設置にも努め、市内には現在、認可保育所が12園(所)、認証保育所が7園あります。  認可保育所とは、児童福祉法に基づく児童福祉施設で、施設の広さ、保育士の数、給食施設など一定の基準をクリアして認可された施設です。保育料は、所得によって決まります。  認証保育所とは、未就学児童を対象に袋井市が認証した保育施設で、所得に応じて保育料の補助をしています。  ほかにも、子育て支援センターや子育てサークル、地域の活動団体など、仲間づくりや相談の場も増えています。  支えを必要とする人に役立つ情報が確実に届くように、支援のネットワークが広がるまちになるといいですね。 働く子育て世代の味方 「保育所」  育児と仕事の両立に欠かせない保育所。公立保育所のひとつ、袋井南保育所へ取材に行ってきました。  児童数は、生後10か月児から5歳児までの93人、正規・嘱託・臨時を含めた職員23人で保育をしています。  休み明けのこの日は、子どもが親と離れがたい様子で、職員は優しく話し掛け、丁寧に対応していました。 「忙しい毎日ですが、休日に親子で触れ合うことを大切にしていただけると心が満たされ、子どもも1週間元気に過ごせます」と大野正惠園長。日ごろから『気軽に相談に乗りますよ』を発信し、積極的に声掛けもしているそうです。 「子育てはパワーが必要です。しかも、働きながらの場合はさらに大変。保育所が第二の家庭となり、子どもや保護者が安心できるよう温かく支えたいです」  保育所の良さは、幅広い年齢の子どもが関わり合い、兄弟のように育ちながら楽しく過ごすことができること、集団生活の体験で社会性が身に付くことです。急な保育時間の変更希望にも柔軟に対応し、急病時すぐに迎えに来られない場合には、迎えに来るまで安静にし、子どもが不安にならないように配慮しているそうです。「子どもは、熱がある時こそ親にそばにいてほしいと願うものです。子育てしやすい職場環境が求められますね」と言葉をつないだ大野園長でした。 新米ママいらっしゃい 「HINAちゃんち」  「HINAちゃんち」は、「うぶごえ応援隊☆HINA」の活動の1つ。実家のような感じで、お産や子育てのことについて気軽におしゃべりできるママカフェみたいなところです。  「うぶごえ応援隊☆HINA」は、身近なところでお産ができ、妊娠・出産・育児に関して気軽に相談できるところがあればどんなに心強いだろうという気づきから活動を始めた団体です。 「“HINAちゃんち”は新米ママの子育て支援中心ですが、赤ちゃんから大人までどなたでも利用できます(毎週木曜日午前10時〜午後2時、袋井保健センター東隣分室2階で実施)。皆さん、おしゃべりに盛り上がっていますよ」と代表の永島君江さん。  永島さんが期待しているのは、ここで過ごしたママたちが地域に戻り、今度は自分の力で子育て仲間の輪を広げていくということ。「自分で考えて自分で解決の糸口を見つける。自立が大事ですね」と、子育て世代へのメッセージもいただきました。  一歩踏み出して、自分で居場所を作っていくというお話は、育児に限らずすべてにあてはまることだなと心に残りました。  ほっとひと息つける場所が1つあるだけで安心でき、毎日の子育ての力になりますね。 子育て世代の声 「HINAちゃんち」は、母子手帳交付時のチラシで知り、妊娠中から利用しています。つわり中でもここに来ると気分が晴れ、子どもが産まれたら顔を見せに行こうと楽しみにしていました。HINAや支援センターのスタッフには、子どもを見せながら育児相談ができ助けてもらっています。(30代お母さん) 子どもがぐずる時、保育所の先生が「いってらっしゃいしようね」と言葉をかけてくれ支えられました。(40代お母さん) 今年の秋に職場復帰の予定です。子育てしながら働く社員は多く、短縮勤務などは職場の理解があればこそ。迷惑をかけることもあると思いますが、お互い様のことなので、次は自分が助けてあげることができれば。(30代お母さん) 市民編集員のひとこと やはり持つべきものは話し相手。ちょっとしたことや子育ての悩みなど、話すことで気持ちが楽になりますよね。人とつながりを作っていくことが大事なんだなと思いました。(小)