P28-29 市民編集員がお伝えします Citizen's Eye 企画・編集:市民編集員(小関裕子) 歯は健康のバロメーター 毎日歯磨きしてますか? 「歯ごたえがある」・「歯がゆい」など歯に関連して感覚や感情を表す言葉は多くあります。 歯は、毎日の生活に欠かすことができないものです。歯の健康に意識を向けてみませんか? 歯の健康 予防が大事  子どものころ、抜けた乳歯を屋根や床下に投げた記憶はありますか?近年では、抜けた乳歯を保存しておくケースなども市販されており、手元に残しておく家庭もあるそうです。  歯の健康は全身の健康にも関わり、「虫歯になったら治療する」から「虫歯にならないように予防する」ことに力を入れる時代になってきています。  市の健康づくり計画では、口腔の健康推進事業があり、平成27年までに、1人あたりの平均虫歯保有数0.8本(12歳児の場合)を目指しています。  具体的な取り組みとしては、乳幼児健診での歯科相談やフッ化物塗布、成人の歯周疾患検診を実施しているほか、8020コンクールや歯に関する出前講座も行われています。  阪神大震災以後注目されていることですが、災害時には、口の中の衛生を保つことが病気の予防にもつながります。唾液には口の中の汚れを洗い流す働きがあり、口の体操などで唾液を出すことも有効です。日ごろから口腔ケアを心掛けることで、虫歯や歯周病の予防にもなり、特に検診機会の少ない若い世代は、毎日のセルフケアが大切です。もちろん歯科検診を受けるのも効果的だと思います。  自分にあった方法を見つけ、自分の歯を大事にしていきたいですね。 知っていますか?「8020運動」  「8020運動」は、80歳になっても自分の歯を20本以上残そうという運動です。市では毎年コンクールを実施し、今年は28人が入賞しました。  上山梨にお住まいの平野善一さんは、現在83歳。合計28本(親知らず1本を含む)の歯をお持ちで、市長賞(最優秀賞)に入賞しました。 「びっくりしました。遺伝もあると思うので親に感謝したいです」と平野さん。  子どものころから歯磨きの習慣はありましたか?とお聞きしたところ、「子どものころ、どんなふうに磨いていたか記憶はありませんが、姉や兄に『手に塩をつけて磨きなさい』と教わったことは覚えています。今は、朝起きたときと朝食後に歯磨きをし、後は寝る前に磨いています。歯間ブラシも使いますよ」と話してくれました。  好き嫌いはなく、よくかむことを心掛けているそうです。平成11年に参加したウオーキングイベントを機に歩くことが習慣になり、毎朝1時間半の散歩が日課です。囲碁歴は63年、ハーモニカクラブに参加するほか、毎週木曜日に仲間と輪投げを楽しむなど、活動的な毎日です。  歯の健康が体の健康につながっているのは言うまでもありませんが、活力ある生活が、歯の健康を後押ししているように思いました。お話を聞いていて、私も元気をいただきましたよ。 虫歯予防にフッ素と唾液  歯科衛生士の深谷理保子さんに、歯についてのお話を聞きました。 「子どもの虫歯予防のポイントは、おやつや食事の時間を決め、食生活のリズムを整えることです。飲食により歯の表面が溶けますが、食べない時間に唾液で修復されます。絶え間なく食べていると虫歯の原因になります」と深谷さん。  もちろん毎日の歯磨きは大切です。子どもの歯磨きや仕上げ磨き、習慣にするコツはありますか? 「ほめて、励まして、ですね。泣いてしまっても、言葉掛けやスキンシップをしっかりすれば大丈夫ですよ」とのこと。 フッ素とよくかむことの効用  フッ素は、身の回りにある土や水・動植物に含まれ、飲食からも体に取り込んでいます。歯の表面から取り込むことで歯を強くし再石灰化を促す効果があり、歯磨き剤の多くにも含まれています。  市では、1歳6か月児健診から3歳児健診まで、半年ごとにフッ化物を歯ブラシで塗ること、幼稚園や保育園でフッ化物溶液で口をすすぐことを実施しています。その効果もあり子どもの虫歯は減少していますが、あごが小さいため歯並びが気になる子どもが多いそうです。 「子どものあごは、よくかむことで発達を促すことができます。よくかむことは、体にいいことがいっぱいあり、唾液の分泌がよくなるので虫歯予防にも効果的です。脳の発達、消化を助ける、情緒安定などのほか、よくかむことで味がわかるので薄味で食べることができ、生活習慣病予防や肥満予防にもつながります」  唾液を意識したことはあまりありませんでしたが、食べ物はよくかんで唾液のパワーを活用したいですね。 袋井が先進地 お得な健康マイレージ制度  健康マイレージ制度は、袋井市が全国に先駆け平成19年から始めた取り組みです。参加者が健康づくりの取り組み目標(運動面と食事面)を立て、「e-すまいる(携帯電話かパソコン)」または、「すまいるカード(はがき)」で達成状況を報告すると、ポイントがたまります。本年度の対象期間は11月30日(日)まで。食事面の取り組みとして「ひと口30回以上かむ」などの目標で参加してみませんか?詳細は、公共施設に設置されている「健康マイレージ制度参加ガイド」をご覧いただくか、お問い合わせください。 問 健康づくり政策課健康企画室 TEL44-3138 市民編集員のひとこと たまに歯医者さんへ行くと、歯磨きの大切さを痛感します。眠っている間は唾液の量も少なくなるそうなので、就寝前は丁寧な歯磨きを心掛けたいと思いました。(小)