P06-07 平成26年度 袋井市の財務諸表 市にどれだけ資産(現金・土地・道路など)や負債(借入金など)があるかご存知ですか?袋井市では、行政コスト計算書や資金収支計算書など企業会計の考え方を取り入れた財務諸表を作成し、決算書では見えにくいコスト計算や資産評価などを含めた財政状況を公表しています。 問 財政課財政係 TEL44-3159 対象となる会計の範囲 連結会計 ・一部事務組合会計 ・広域連合会計 ・袋井地域土地開発公社会計 単体会計 ・各特別会計 ・各公営企業会計 普通会計 ・一般会計 ・土地取得特別会計 ※@〜Cの各財務諸表は、連結会計によるものです。 @行政コスト計算書(損益計算書) ◇行政コスト計算書は、企業の損益計算書に相当するもので、1年間の行政サービス(資産形成に係るものを除く)に要したコストと、その財源を示したものです。 ◇現金収支だけでなく、建物などの価値の目減り分も「減価償却費」として計上されています。 ◆性質別経常費用 項目 金額 1.人にかかる費用 92億円  人件費・退職給付引当金繰入など 2.物にかかる費用 82億円  消耗品費・光熱水費・施設の修繕費など 3.移転支出的な費用 221億円  各種補助金・社会保障給付など 4.その他の費用 68億円  委託費・公債費(利子分)など 経常費用合計 463億円 ◇経常収益 ▽使用料・手数料など 95億円 ▽受取利息など 15億円 経常収益合計 110億円 ◆純行政コスト(経常費用ー経常収益) 純行政コスト合計 353億円 ◎行政コスト計算書のポイント ◇行政サービスの規模は、約463億円。  ・税金などから負担する分は約353億円。  ・施設などを使用する際の利用者負担(利用者個人の負担)は約110億円。  ・行政サービス全体の約76%は、税金などにより賄われています。 ◇減価償却費は、約25億円。  ・過去に取得した資産の価値が1年で約25億円分減額しています。 A貸借対照表(バランスシート) ◇貸借対照表は、平成26年度の会計年度末時点(平成27年3月31日現在)に市が保有するすべての資産やその資産の調達に必要とした財源の状況(負債・純資産)の状況を示すものです。 ◇行政の貸借対照表も企業と同じく、資産(現金・土地・道路など)・負債(借入金など)・純資産で構成されています。 ◇資産の部(これまで積み上げてきた資産) 項目 金額 1.公共資産 1,859億円  学校・公園・道路(いわゆるインフラ)などのこと 2.投資等  87億円  基金・積立金・出資金など、市が長い期間かけて積み立ててきたお金などのこと 3.流動資産 74億円  現金預金・有価証券・貸付金など、比較的お金に替えやすい資産のこと 資産合計 2,020億円 ◆負債の部(これからの世代が負担する金額) 項目 金額 1.固定負債 612億円  地方債・退職給付引当金など、支払期限が1年以上先のもの 2.流動負債 76億円  翌年度に支払い予定の地方債・一時的な未払い金など、支払期限が1年未満のもの 負債合計 688億円 ◆純資産の部(これまでの世代が負担した金額) 項目 金額 純資産合計 1,332億円 負債及び純資産合計 2,020億円 ◎貸借対照表のポイント ◇公共資産が資産全体の約92%を占めていることが分かります。  ・公共資産1,859億円÷総資産2,020億円 ◇資産のうち約66%は純資産で、返済の必要がない資産です。  ・純資産合計1,332億円÷総資産2,020億円(詳細は7ページをご覧ください。) B純資産変動計算書 ◇純資産変動計算書は、A貸借対照表(バランスシート)の「純資産の部」の1年間の変動について、財源の受入状況や振替の状況を説明したものです。 平成25年度末純資産残高 1,377億円 項目 金額 1.純経常費用 ▲353億円  純行政コスト負担分 2.財源の調達 457億円  市税・地方交付税などによる収入 3.その他 ▲149億円  資産の評価替え・摩耗による価値の下落などによるもの 平成26年度末純資産残高 1,332億円 ◎純資産変動計算書のポイント ◇地方公営企業会計制度の見直しにより純資産の一部が負債に移行し、純資産約45億円が減少しています。 ◇@行政コスト計算書(損益計算書)で、行政サービスコストから利用者負担を差し引いた金額を補うため、市一般財源などの負担(市民の負担)として約353億円を充てています。 C資金収支計算書 ◇資金収支計算書は、1年間にどのようなお金を得たり、どのようにお金を使ったりしたかを説明したものです。 平成25年度末資金残高 36億円 項目 金額 1.経常的収支 78億円 2.公共資産整備収支 ▲53億円 3.投資・財務的収支 ▲19億円 当期収支(1+2+3) 6億円 平成26年度末資金残高 42億円 ◎資金収支計算書のポイント ◇経常的収支と資本的収支の合計が約25億円の黒字。  ・将来世代に負担を先送りすることなく、平成26年度の経費はその年度の収入で賄っているということです。 ◇財務的収支は約19億円の赤字。  ・銀行などからのお金の借入額よりも返済額の方が上回っているということ。 【ポイント】袋井市の資産状況について ◎「@貸借対照表(バランスシート)」の内容を1世帯当たりで計算すると… 平成24年度 平成25年度 平成26年度 市民1人当たりの資産 241万円 234万円 232万円 市民1人当たりの負債 77万円 76万円 79万円 ◎年々資産が減少し、負債が増加しているけど、大丈夫なのかなぁ… 資産再評価による減額や、会計制度の見直しにより純資産の一部が負債に切り替わるなど、特殊要因によるもので、下表の純資産比率などをみても健全な財政状態であるといえます。 ◎資産のうち、借金の返済の必要がない「純資産」はどれくらい? 【計算式】純資産合計÷資産合計 平成24年度 平成25年度 平成26年度 純資産比率 68.2% 67.6% 65.9% ※数値が低いほど将来世代への負担が大きい ◎市が保有している資産のうち約7割は、返済の必要がない純資産です! 公共施設は将来に渡って長期間使用されるので、建設費の世代間負担を公平にするために借入を行います。純資産比率の全国的な平均値は60〜70%で、袋井市はその数値の範囲内ですが、徐々に将来世代の負担割合が増えています。 ◎「@貸借対照表(バランスシート)」の内容から袋井市の支払能力を分析すると… 【計算式】(資金+財政調整基金)÷流動負債 平成24年度 平成25年度 平成26年度 流動比率 92.9% 75.7% 83.6% ◎改善されてはいますが、まだ不足状態です。 流動比率は、今後1年間における支払予定額に対して、どの程度準備が行われているかを表す支払能力の指標です。100%未満の場合は、すぐに支払いに充てられる資金が少ないことを意味しており、更なる改善が必要です。 【注目!】袋井市の財政上の課題 ◎市が所有する償却資産は、どれくらい老朽化しているか… 【計算式】減価償却累計額÷取得価額総額 (単体会計) 平成24年度 平成25年度 平成26年度 資産老朽化比率 44.4% 45.9% 47.4% ※耐用年数の経過状況をもとに算出する指標で、100%に近いほど老朽化が進んでいるといえます。35〜50%が平均的な値です。 ◎今後発生する資産更新に備え どの程度準備ができているのか… 【計算式】(資金+基金・積立金)÷減価償却累計額 (普通会計) 平成24年度 平成25年度 平成26年度 資産更新準備率 10.8% 11.4% 10.4% ※数値が大きいほど、将来に備えた準備ができているといえます。施設老朽化が進むため、更なる備えが必要です。