P12-13 平成27年度 袋井市の財務諸表 市にどれだけ資産(現金・土地・道路など)や負債(借入金など)があるかご存知ですか? この特集では、企業会計の考え方を取り入れた財務諸表を通じて、コスト計算や資産評価などの財政状況をお伝えします。 問 財政課財政係 TEL44-3159 対象となる会計の範囲 一部事務組合会計、広域連合会計、袋井地域土地開発公社会計 単体会計:各特別会計、各公営企業会計 普通会計:一般会計、土地取得特別会計、墓地事業特別会計 ※1〜4の各財務諸表は、連結会計によるものです。 @ 行政コスト計算書(損益計算書) ◇企業の損益計算書に相当するもので、1年間の行政サービス(資産形成に係るものを除く)に要したコストと、その財源を示したものです。 ◇現金収支だけでなく、建物などの価値の目減り分も「減価償却費」として計上されています。 ●性質別経常費用 項目 金額 1.人にかかる費用 94億円 人件費・退職給付引当金繰入など 2.物にかかる費用 71億円 消耗品費・光熱水費・施設の修繕費など 3.移転支出的な費用 239億円 各種補助金・社会保障給付など 4.その他の費用 67億円 委託費・公債費(利子分)など 経常費用合計 471億円 〇経常収益 ▽使用料・手数料など 89億円 ▽受取利息など 15億円 経常収益合計 104億円 ●純行政コスト(経常費用ー経常収益) 純行政コスト合計 367億円 A 貸借対照表(バランスシート) ◇平成27年末(平成28年3月31日現在)で、市が保有する全ての資産やその資産の調達に必要とした財源(負債・純資産)の状況を示すものです。 ◇行政の貸借対照表も企業と同じく、資産(現金・土地・道路など)・負債(借入金など)・純資産で構成されています。 〇資産の部(これまで積み上げてきた資産) 項目 金額 1.公共資産 1,850億円 学校・公園・道路(いわゆるインフラ)などのこと 2.投資等 83億円 基金・積立金・出資金など、市が長い期間かけて積み立ててきたお金などのこと 3.流動資産 83億円 現金預金・有価証券・貸付金など、比較的お金に換えやすい資産のこと 資産合計 2,016億円 ●負債の部(これからの世代が負担する金額) 項目 金額 1.固定負債 609億円 地方債・退職給付引当金など、支払期限が1年以上先のもの 2.流動負債 69億円 翌年度に支払い予定の地方債・一時的な未払い金など、支払期限が1年未満のもの 負債合計 678億円 ●純資産の部(これまでの世代が負担した金額) 項目 金額 純資産合計 1,338億円 負債及び純資産合計 2,016億円 B 純資産変動計算書 ◇A貸借対照表(バランスシート)の「純資産の部」の1年間の変動について、財源の受入状況などを説明したものです。 平成26年度末純資産残高 1,332億円 項目 金額 1.純経常費用 ▲367億円 純行政コスト負担分 2.財源の調達 479億円 市税・地方交付税などによる収入 3.その他 ▲106億円 資産の評価替え・減耗による価値の下落などによるもの 平成27年度末純資産残高 1,338億円 C 資金収支計算書 ◇1年間にどのようにお金を得たり使ったりしたかを説明したものです。 ◇A貸借対照表(バランスシート)の流動資産のうち、特に現金預金の動きを説明しています。 平成26年度末資金残高 42億円 項目 金額 1.経常的収支 70億円 2.公共資産整備収支 ▲42億円 3.投資・財務的収支 ▲20億円 当期収支(1+2+3) 8億円 平成27年度末資金残高 50億円 【ポイント】分析の視点と指標 財務諸表から何が読み取れるのでしょうか? @資産形成度 将来世代に残る資産はどれくらいあるの? ○ 資産老朽化比率により、所有する償却資産が耐用年数と比較してどの程度経過しているのかが把握できます。全国の自治体間では35〜50%が平均的な値です。 A世代公平性 将来世代と現世代との負担分担は適切? ◎ 純資産比率は、将来世代への貯蓄を意味します。数値が高いほど返済不要の資金が多く望ましいと言えます。全国の自治体間では60〜70%が平均的な値です。 B持続可能性 将来に渡り健全な財政が持続できるの? ○ 将来返済しなければならない地方債(市債)などの借金がどれだけあるかを市民1人当たりの金額で計算した指標です。地方債額は減少の傾向にあります。 C効率性 行政サービスは適正なコストで提供されているの? △ 1年間に行政サービスを市民の皆さんに提供するために発生したコストを市民1人当たりの金額で計算した指標です。社会保障費の増額で、今後増加が見込まれています。 【注目!】公共施設の更新費用が不足 老朽化する公共施設の修繕や建替のための資金を準備する必要があります。その準備ができているかを示す指標が資産更新準備率です。数値が大きいほど将来に備えた準備ができていると言えます。全国の自治体間では9%が平均的な値ですが、上場企業の平均値40〜50%と比較すると必ずしも十分な状況とは言えません。