P04-05 「超・超高齢社会」の生涯を通じた健康づくりパートナー 聖隷袋井市民病院  平成25年5月1日、袋井市民病院と掛川市立総合病院の統合に合わせて、旧袋井市民病院の建物・施設を活用しながら、従来とは異なる新たな使命を持った病院として開院しました。高齢者が可能な限り住み慣れた地域で自立した生活ができるよう、保健、医療、介護、福祉などの資源や施策をつなぎ、地域医療を支えるという大きな役割を果たしています。開設から6年目を迎え、ますます地域密着を進める聖隷袋井市民病院の機能と役割について紹介します。 問 地域包括ケア推進課地域医療推進係 TEL43-7640 地域包括ケアシステムとは  高齢者が住み慣れた地域で、自立した生活ができるように、必要な保健・医療・介護・福祉のサービスなどを一体的に提供し、すべての世代で支え、支えられるまちづくりをすることです。  市では、保健・医療・介護・福祉の機能が連携し、乳幼児から高齢者まで、市民の生涯を通じた健康づくりに取り組み、かつ、地域包括ケアシステムを実現する拠点として、平成27年5月に、旧袋井市民病院を改修整備し、袋井市総合健康センター(はーとふるプラザ袋井)を開設しました。 地域包括ケアシステムの拠点 聖隷袋井市民病院  聖隷袋井市民病院は、市が直接運営する袋井市総合健康センターと連携して「超・超高齢社会」というこれまで経験したことのない社会的変化に対応していく使命を持ち、社会福祉法人聖隷福祉事業団を指定管理者とし、開院しました。  地域包括ケアシステムの中で地域医療を支える新たな病院として、大きく3つの役割を担っています。 役割@ 多様な入院ニーズへの対応  重い病気やケガによる手術などを終え、急性期を脱した患者を受け入れ、自宅での生活を円滑に始める準備・訓練や地元で療養することができる病院として、地域医療の充実を図る機能を果たしています。  回復期リハビリテーション病床、一般病床、療養病床それぞれ50床を備え、様々な状態の患者が安心して療養できる環境を用意し、住み慣れた地域生活への復帰を支援しています。  さらに、在宅介護をする家族のサポートやレスパイトケア(介護する人が一時的に休息を取れるようにすること)、介護サービス事業所との連携を行い、多様な入院ニーズに応えています。 役割A 在宅医療・介護予防の支援  認知症やロコモティブシンドローム(運動機能の低下)、生活習慣病などの課題解決のため、市の介護予防や健康づくり施策などと連動した医療を提供するほか、かかりつけ医においてCT・MRIの検査が必要と判断された場合、外来受診することなく検査を実施するなど、医療連携も行っています。  また、退院後の生活を支援するため、スタッフが365日のリハビリテーションを提供し、早期の日常生活復帰につながるように事業を展開しています。さらに、今年4月からは訪問リハビリテーションも開始し、退院後のリハビリ指導も充実していきます。 役割B 健康づくりに向けた健(検)診機会の提供  市国民健康保険の特定健診、後期高齢者健診、肝炎ウイルス検診、前立腺がん検診などの検査を実施し各種検査の受診率の向上を図るほか、高齢者予防接種などの機会も提供することで市民にとって身近な受診機関として、健康づくり施策の推進に努めています。 聖隷袋井市民病院 リハビリテーション係理学療法士 堀野広光さん 質の高いリハビリで在宅へ  当院が行うリハビリテーションが果たす役割は、入院・外来の患者に対して在宅での生活を重視した質の高いリハビリテーション医療を提供することです。当院が持つ施設やノウハウを生かしながら、多職種によるチームアプローチを進めることが、入院から退院後まで切れ目のないリハビリテーションを市民の皆さんへ提供するために必要なことだと考えています。  また、介護予防推進に向けた介護予防・日常生活支援総合事業として、しぞ〜かでん伝体操の出張指導や介護認知症リハビリテーション相談会、介護家族への講演会などの事業を市と協力して実施しています。  今後も、市の認知症初期集中支援チームへの参加やリハビリ専門職連絡会を開催するなど、多職種による連携を進め、地域の皆さんが、安心して生活できるように取り組んでいきたいと考えています。 健康づくりのパートナーとして  30歳代をピークに、年齢を重ねるほど、全身の筋肉は低下すると言われています。  だからこそ、年齢を重ねてもコツコツ身体を動かし、筋力トレーニングを積み重ねていくことで、5年後、10年後の未来を作ることができます。運動をすることは、認知症予防にも効果的だと言われており、転倒防止や介護予防にもつながります。  近年、介護予防に積極的に取り組んでいる方が非常に増加していると感じます。これからも元気な地域をつくるために、介護予防や健康づくりに努める方々を支えていくパートナーでありたいと考えています。  また、医療や介護だけでなく、地域の学校や市民団体との連携を深め、院内コンサートや文化芸術活動の場の提供などの新たな取り組みも進めるなど、より多くの方々に愛され信頼される病院として、地域包括ケアシステムの拠点としての役割を担っていきます。