P10-11 おしらせピックアップ 「袋井市自殺対策計画」を策定しました  自殺を取り巻く社会情勢の変化や、国や県の動向を踏まえ、自殺対策を「生きることの包括的な支援」として、総合的かつ効果的に促進することを目的に、「袋井市自殺対策計画」(2019〜2022年度)を策定しました。 問 健康づくり課健康企画室 TEL84-6127 自殺対策についての基本認識  自殺対策を進めるには、自殺について正しい認識を持つことが大切です。  自殺は個人の問題でなく、その多くが防ぐことができる「社会的な問題」です。  自殺の動機は決して一つではなく、平均4つの要因(問題)が連鎖し、自殺が生じるといわれています。(「自殺実態白書2013(NPO法人ライフリンク)」)  過労や生活困窮、育児・介護疲れ、いじめ、孤立等の「生きることの阻害要因(自殺のリスク要因)」を減らし、誰かの役に立ちたい・必要とされているという満足感や信頼できる人間関係、困難を乗り越える力や生きがい等の「生きることの促進要因(自殺に対する保護要因)」を増やし、社会全体の自殺リスクを減らすための対策が必要です。  また、不安や悩みを抱えている人は、不眠や原因不明の体調不良等、何らかのサインを発していることが多くあります。悩みを抱える人のサインに気付いたら、自分にできる声掛けをし、みんなで支え合うことが大切です。 自殺の現状  全国的に自殺者が平成10年に急増し、年間3万人超と高止まっていましたが、平成22年以降減少し、平成27年には平成10年以前の水準となりました。しかし、年間2万人以上が自殺で命を失っており、非常事態は未だ続いています。  本市の自殺者数は、1995年(平成7年)以降、増加傾向にありましたが、2014年(平成26年)の24人をピークに減少に転じ、2016年(平成28年)には11人と、大幅に減少したものの、2017年(平成29年)には15人と再び増加しています。 基本理念  自殺対策は「生きることの阻害要因を減らす」ことに加え、「生きることの促進要因 を増やす」取り組みでもあることから、全ての市民が自分らしく生きることに希望を持てるよう、地域のつながりや支え合いの中で、安心して暮らすことができるまちづくりを進める必要があります。「かけがえのない“いのち”誰もが生きる喜びを感じられるまち」を基本理念とし、市民一人ひとりが、いのちの尊さを理解し、生きることに喜びを感じられる地域社会の実現を目指します。 数値目標  自殺者数が急増した1998年(平成10年)以前の数値を目標とし、2022年の自殺死亡率を2017年(平成29年)と比べて、33・3%の減少となる11・6%以下とし、2017年(平成29年)の自殺死亡者数を2022年には10人以下にすることを目指します。  また、人口規模が小さいと自殺死亡率は変動率が大きくなりがちであることから、前述の数値目標と併せて、5年間の平均自殺死亡率を数値目標とします。 ※自殺死亡率…人口10万人あたりの死亡者数 目 標 現状値平成29年(2017年) 目標値2022年 自殺死亡率 ※( )は自殺者数 17.4(15人) 11.6以下(10人以下) 目 標 現状値平成25年(2013年)〜平成29年(2017年) 目標値平成30年(2018年)〜2022年 5年間の平均自殺死亡率 20.7 13.9以下 それぞれの主体が果たすべき役割  自殺対策は行政だけの取り組みではなく、市民や地域、関係団体・専門機関企業、事業所・経営者、学校など、社会全体で取り組むことが重要です。  「市民と地域」は、自殺対策に対する理解や関心を深め、自分や身近な人の不調に気付いた時には、早期に、また適切に対処することができるよう、主体的に取り組むことを目指します。また、自治会加入率が高い本市の強みでもある地域のつながりを活かし、支え合いや声掛けによる自殺対策に取り組みます。  保健・医療・福祉・教育・労働・法律分野などの「関係団体・専門機関」は、それぞれの活動内容の特性等に応じて、積極的に自殺対策に関連しうる業務を推進し、相互連携や行政機関との連絡体制を強化し、自殺対策を推進します。  「企業・事業所・経営者」は、「健康経営」に努めることで、従業員のこころと体の健康づくりを推進するとともに、いきいきと働ける職場環境の改善など、勤労者の自殺対策に取り組みます。  「学校」は、児童・生徒等のこころと体の健康づくりや生きる力を高めるための教育を推進するほか、教職員の研修等により、一層児童・生徒の言動に目を配るとともに、教職員自身のこころのケアなどに努め、本市の子どものいのちを守ります。  「行政」は、市民に身近な存在として、相談窓口の充実や周知、悩んでいる人に気付き、声を掛け、話を聴き、必要な支援につなげ、見守るゲートキーパーの育成、関係機関との連携強化などを通して、包括的に自殺対策に係る環境づくりに取り組みます。 施策の体系 基本理念:かけがえのない“いのち=@誰もが生きる喜びを感じられるまち 【実施主体:〇市民・地域 〇関係団体・専門機関 〇企業・事業所等 〇学校 〇市(行政)】 基本方針 基本目標  基本施策 @“生きる”喜びを感じられる環境をつくります @“生きる”喜びを応援します @働く世代への支援 A健康保持への支援 B子育て家庭への支援 C生きがいづくりへの支援 A悩みを抱える人に気付き、手を差し伸べます Aこころの健康への理解を深めます D情報の提供と発信 E教室、講演会による普及啓発     B“いのち”に寄り添う人を育てます Fあらゆる分野におけるゲートキーパーの養成 G自殺対策を支える方の育成     Cよりよい相談支援体制をつくります H相談支援体制の充実 Iハイリスク者の早期発見に向けた取組     J自死遺族へのケア B次世代を担う子どもたちの“いのち”を守ります D子どもへの支援体制を強化します K児童生徒への支援 L児童生徒を支える教職員等への支援 Cかけがえのない“いのち”を守る体制をつくります Eみんなで守る“いのち”のネットワークをつくります Mネットワークの強化と連携体制の整備 <基本的な視点> 〇高齢者への支援  〇生活困窮者への支援  〇働く世代への支援