P17 輝くふくろいの人 絵の雰囲気を感じて、幸せな気持ちになってもらえたら パステルアート画家 加藤直子さん(可睡の杜) 「誰かに優しくしているような、優しい気持ちになれるような、そんな絵が好きなんです。  見た人に“癒された”って言ってもらえるとうれしいですね」  自宅のアトリエでパステルを削り、指やコットンなどで伸ばしながら絵を描いていくのは、加藤直子さん52歳。県西部のカフェやホテルで定期的に個展を開催しています。 パステルアートとの出会いはスピリチュアル?  直子さんとパステルアートの出会いは、今から8年前のこと。旦那さんの仕事の都合で15年前に袋井市へ移り住んだ直子さんは、その後もしばらく、元の職業のプログラマーを続けていましたが、40代で会社を退職。再就職のための職業訓練として、浜松技術専門校の広告デザイン科に通います。  「専門校では半年間、色彩やレタリング、チラシやラベルの作成などを学び、修了しました。でも、今さら広告代理店などで働くのは現実味がなくて。  そんな時、ふとイベントで立ち寄った占いで、パステル画を勧められたんです」 技法を学び、グループ展を開催。そして個展へ  占いをきっかけに、パステルアートに興味を持った直子さんは、講座に通い、技法を習得。その後、同じ講座で学んだ仲間と浜松市内の雑貨カフェでグループ展を行ったのが、直子さんにとって初めての展示会でした。 「インストラクターの資格も持っているんですが、教える側ではなく、絵を見た人に喜んでもらいたくて。  それからですね、自分で個展を開くようになったのは」 ワニの「ワンダー」シリーズに取組中。家では愛犬にメロメロ  そんな直子さんが今、頻繁に描いているのが、かわいいワニのキャラクター「ワンダー」くんが登場する作品です。  もとは、動物の親子4部作の1つとして、ゾウやカバ、キリンとともに描いた名もなきキャラクターでしたが、その穏やかな表情から、お気に入りに。驚きや奇跡を意味する「ワンダー」と命名し、優しい笑顔と、時にユーモラスなポーズで、見る人に心温まる世界を届けています。  いつか自分の作品で、絵本や画集を出版してみたいと夢を語る直子さん。  普段は、日本スピッツの愛犬・空くんにメロメロで、同じ犬好きの集まりに参加するため、全国各地に出掛けることもあるといいます。  次の個展に向けて、今日もパステルを手に取る直子さんの作品は、今もどこかで、誰かの心を癒しています。