P02-03 ふくろいの近代化遺産 澤野医院記念館  江戸中期から昭和後期まで地域の医療を支えた澤野医院は、平成11年に市指定文化財に指定され、現在は、当時の医療や生活の様子を見ることができる記念館として開館しています。今回は、袋井市の近代化と地方医療の歴史を語る澤野医院記念館を紹介します。 問 生涯学習課文化振興係 TEL23-9264 地域医療の要 澤野医院  澤野医院は、享保12年(1727年)に作られた「山名郡川井村差出明細帳」に内科医(本道医)としてその名が記されていることから、江戸中期には開業していたことが分かっています。旧東海道に面して建てられた民間医療施設で、12代目の医師が亡くなる昭和58年(1983年)まで、地域医療の要としての役割を果たしてきました。  閉院後、澤野氏から市に建物を寄附いただき、まちの近代化と地域医療の歴史を語る遺産として、平成11年4月23日に市の指定文化財に指定。平成13年1月20日に澤野医院記念館を開館しました。 歴史を刻んだ建物群  澤野医院は、病棟・居宅・渡り廊下・洋館の4つの建物で構成されています。増改築を繰り返し行っており、様々な時代の建築様式を見ることができ、木の質感や装飾などから、その時代の特徴を感じ取ることができます。 病棟  昭和9年(1934年)に建築され、待合室・レントゲン室・診察室・手術室・病室で構成されています。実際に使われていた医療器具や備品などが展示され、当時の様子を忠実に再現しています。開業当時は内科医でしたが、明治以降外科として手術も行うようになり、晩年には救急患者が搬送される、いわば総合病院の役目を果たしていました。 居宅  安政2年(1855年)に建築された最も古い建物です。実際に使われていた掘りごたつやタンスが展示されており、当時の生活の様子を見ることができます。  また、日本書道界の第一人者で、袋井市出身の川村驥山がふすまに書いた書を間近に見ることもできます。 渡り廊下・洋館  大正5年(1916年)に建築された洋館は、書斎や家族の生活の場として使われており、居室と洋館をつなぐ渡り廊下と6畳の和室も同時期に建築されました。洋館は非公開ですが、渡り廊下から美しい庭を見ることができます。 記念館を支える世話人会  私たち世話人会は、主に川井地区の地域住民で構成され、館内の案内や建物・展示の管理などを行っています。記念館は、歴史に触れることができるだけでなく、どこか懐かしい雰囲気を楽しむことができる魅力ある施設です。当時の様子を可能な限り再現できるよう、机や椅子、医療器具などの配置にもこだわっています。  来年は、開館して20周年と節目の年となります。これからも歴史あるこの記念館を皆さんが楽しんで見学できるよう努めて行きます。 新しい取り組みにもチャレンジしています! Googleストリートビューで館内を見学  パソコンやスマートフォンを使って、館内の一部を見ることができます。 公式Facebookで記念館の魅力を発信  館内や展示物の紹介、世話人会の活動などを発信しています。 パンフレットをリニューアル  展示内容変更に伴い、パンフレットをリニューアルします。 開館時間…午前10時〜午後4時 土・日曜日、祝日開館 料金…無料 所在地…川井444-1 TEL44-2324