P06-07 ふくろい自慢の学校給食 〜中部学校給食センターが学校給食表彰を受賞〜 市では、3つの学校給食センターで、14幼稚園・12小学校・4中学校の学校給食を、1日あたり約1万食作っています。安全でおいしい給食を提供するだけでなく、市内産農作物を活用した学校給食を教材として、食育にも取り組んでいます。 今回は、学校給食の市内産農作物の活用について紹介します。 問 おいしい給食課おいしい給食推進室 TEL45-3883 食育とは 食から始まる学び  「食育」とは、知育・徳育・体育の基礎となり、様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現できる人を育てることです。  近年、偏った食生活や朝食を食べないなどの食生活の乱れ、太りすぎ・痩せすぎなど、子どもたちの食を取り巻く問題が深刻化しています。  食習慣が身に付く時期は、児童期から青年期で、特に10歳位までの食経験が大きく影響すると言われていることから、毎日の学校給食を通して子どもたちの望ましい食習慣の形成に努めています。 学校給食は「生きた教材」  給食の時間は、幼稚園から中学校まで、12年間にわたり毎日繰り返し行われる食育の場です。  学校給食は、栄養バランスのとれた一食の見本であるとともに、国語科や社会科などの各教科でも教材として活用しています。  例えば、五感を使って対象物を観察し、特徴を書き表すことを学ぶ小学2年生国語科の「かんさつ名人になろう」の題材の一つとして、翌日の給食の食材となるグリーンピースのさや剥き体験を行い、より深い学びに繋げています。 市内産農作物活用のために 施設の整備  平成25年9月の中部学校給食センターの新設にあたっては、食育推進のため、市内産農作物を活用できるよう泥付き野菜をしっかりと洗浄できる設備を整備しました。袋井・浅羽それぞれの給食センターでも施設を改修し、本格的に市内産農作物の活用の取り組みを開始しました。 市内産農作物確保のために  以前から、米は全量、パン・麺は約3割、市内産を使用していましたが、野菜も市内産の使用を増やすため、センターでは、年間で使用する食材の量と時期を生産者に示し、それに基づいて、全量買い取りを前提に作付けを依頼。その結果、給食用食材を納入してくれる生産者が増え、平成30年度の市内産野菜の使用日数は、給食日数196日中191日と、ほぼ毎日使用できるようになりました。 素材を生かした献立の工夫  学校給食を「生きた教材」として活用するためには、それが子どもたちにとって魅力ある、おいしいものでなければなりません。そのため、新鮮な地場産物を味わえるよう、農作物の生育状況を生産者と共有することで、旬を捉えた献立づくりを行っています。  また、冷凍食品などの既製品を使用せず手作りすることで、市内産農産物を使った多様な献立を提供しています。 地域への経済効果  給食で使用する市内産野菜類の食材購入金額は、平成24年度には年間350万円程度でしたが、平成30年度は2,571万円と約7倍にまで増えました。主食である米などを加えると、市内産の食材購入金額は年間で約5,600万円にもなり、保護者が支払う給食費が、地元生産者へ返るという、経済の地域循環が図られています。 おいしく楽しく学ぶため  学校給食は、単なる昼食ではなく、子どもたちの食習慣を身につけるための「生きた教材」です。子どもたちが、地域の作物や農業を身近に感じることで、より実践的な食育につながります。  これからも、安全でおいしいことはもちろん、地場産物を積極的に活用した学校給食の提供に取り組んでいきます。