P23 輝くふくろいの人 遠州三山テーマにアルバムを制作 袋井の魅力を音楽にして届けたい フルート奏者・作曲家 山ア 景さん(堀越上)  「自分の感性をそのまま曲にして表すので、共感してもらえるのかという不安は常にありますが、自分だけの作品として曲が完成した時には幸せを感じます」  曲作りについてそう語るのは、フルートの演奏に加え、作曲も手掛ける山ア景さん(26歳)。音楽ユニット「音の郵便屋さん」の一員として、県西部を中心に音楽活動を行っています。 フルートへの興味。音楽を仕事に  3歳からピアノを習っていた景さんがフルートに興味を持ったのは小学校卒業後の春休みのこと。従姉が貸してくれ、教えてくれたといいます。中学校では吹奏楽部に入部し、迷わずフルートを選択。部活は県大会に向けて厳しい練習の毎日でしたが、顧問や外部講師等から指導を受ける中、1つのことを深めていく面白さに魅力を感じました。  そして中3の秋には、「音楽の仕事に就いて、みんなの前で演奏したい」との将来の夢を描き、浜松学芸高校の音楽科に進学。大学は国立音楽大学に進学し、フルートを専攻する中、同時に作曲応用コースも修了しました。 帰郷。そしてユニット結成へ  大学卒業後、袋井に戻ってきた景さんは、音楽教室で講師を務める傍ら、平成28年に川村さんと音楽ユニットを組みます。  在学期間こそ重なりませんが、川村さんは同じ浜松学芸高校の卒業生で、同校の同窓会コンサートや高校時代の恩師主催の演奏会で、景さんの演奏を聞いていました。そして、何回か会って音楽の話をする中で意気投合し、一緒に組むことになったのです。  「音の郵便屋さん」という名前を考えたのは、景さんでした。  「自分で音楽を作って、それをお届けするというイメージから頭にぱっと思い浮かんで。『かわいらしくていいじゃない』と川村さんも賛成してくれました」 4月に3rdアルバム「遠州三山」をリリース。コロナで動画配信も  ユニット結成後は毎年4月に定期演奏会を開催していて、昨年は本市出身のソプラノ歌手・岡田眞弥さんをゲストに迎え、月見の里学遊館で遠州三山をテーマにした作品を初演。今年4月に3作目となるアルバム「遠州三山」をリリースしました。  同アルバムは、可睡斎のひなまつりや風鈴まつり、法多山の万灯祭、油山寺の伝説「照姫椿」が題材の音楽劇など、14トラックを収録。ふるさとに想いを込めて作った渾身の一枚です。  新型コロナの影響で会場が確保できなかった今年は、インターネットの動画配信で演奏会を開催しましたが、本当は生で音楽を届けたいと景さんは語ります。  「音の臨場感を味わってほしいのと、自分たちもお客さんの反応が励みになるので、早く直接顔を見て演奏したいですね。  これからも袋井の魅力を音楽に乗せて、もっともっと多くの人に届けて行きたいと思います」  音の郵便屋さんが奏でる優しいメロディの便りが、多くの皆さんの耳に届きますように。