P02-05 幼小中一貫教育 4月から全面実施!  市は、「夢を抱き、たくましく次の一歩を踏み出す15歳〜「自立力」と「社会力」の育成〜」を目的として、幼児教育(3〜5歳)から中学3年までの12年間を見通した幼小中一貫教育を4月から全面実施します。  これまで、4つの学園がそれぞれ教育目標や各種カリキュラムの検討を進め、全面実施に向け準備をしてきました。今回は、幼小中一貫教育の内容や4つの学園について紹介します。 問 教育企画課幼小中一貫教育推進室 TEL44‐3194  自立力と社会力を兼ね備えた15歳を育てる 社会環境の急激な変化等によって、児童生徒の学習意欲の低下や学習のつまずきを抱えての進級・進学、さらには不登校などの課題が顕在化しています。  また、AI(人工知能)の進化による急激な社会・産業構造の変化により、将来が展望しにくい時代を迎えています。  このような背景から、幅広い知識と柔軟な思考力に基づいて、自立した人間として主体的に判断する「自立力」、多様な人々と協働しながら新たな価値を創造する「社会力」を兼ね備えた15歳を育成することを目的に、3つの目標を掲げ幼小中一貫教育を導入します。 【目 標】 @学力の向上と不登校の改善 A社会生活で必要となる資質・能力(考える力)の育成 B家庭、地域、学校、行政が一体となった「オール袋井」による子育て体制の充実 幼小中一貫教育とは  3歳から中学校卒業までの12年間を通じた教育プログラムを編成し、4つのカリキュラムで、生活習慣や学びに向かう力(好奇心・協同性など)、考える力(思考力・判断力・表現力)、基礎学力、自己有用感・自己肯定感の5つの力を段階的に育成します。 カリキュラム 内容 @就学前教育(3歳〜5歳) 日々の遊びや体験の中で生活習慣、学びに向かう力、考える力(思考・表現の基礎となる力)を段階的に育成し、小学校からの学習の土台をつくります。 A幼小接続(年長9月〜小1年5月) 幼児期の遊びや体験をとおして芽生えた学びを、小学校の自覚的な学び(授業)へと円滑につなげます。 「アプローチカリキュラム」(年長9月〜3月)、「スタートカリキュラム」(小学1年生5月まで) B教科(小1〜中3) 基礎学力の定着のため、つまずきのポイントや学習のつながりを押さえた指導を行います。 また、考える力の育成のため、思考ツール(※)を使った授業により、論理的に考え、表現するスキルを身に付ける指導を行います。 ※頭の中の考えを形にすることができる図のこと。 C教科外(小1〜中3) 「人間関係形成・社会形成能力」「自己理解・自己管理能力」「課題対応能力」「キャリアプランニング能力」などを育成するための指導を行います。 また、他者の存在を認め、協働する力を身に付けるとともに、一人ひとりの主体的な意思決定を大切にし、自己有用感・自己肯定感を育みます。 袋井の一貫教育の特徴 ◎幼児期からスタート  全国的に、小中一貫教育を導入する流れはありますが、小学校からの学びを充実させるため、幼児期を含めた教育プログラムを構成していることが、本市の一貫教育の大きな特徴です。  幼児教育3年・小学校6年・中学校3年の12年をつなげた教育カリキュラムとすることで、子どもたちがよりたくましく成長できる環境をつくっていきます。 ◎幼児教育で学習の土台をつくる  幼児期と小学校のつながりを意識した「就学前教育・幼小接続プログラム」では、学習の土台となる生活習慣や学びに向かう力、思考・表現の基礎となる力を幼児期から段階的に身に付けます。それらを養うことで、とまどうことなく、意欲的に学校生活をスタートできることを目指します。 小中学校で「考える力」と「自己有用感」を育てる 本市の一貫教育では、基礎学力の向上はもちろんのこと、考える力の育成を重視しています。 ◎思考ツールを使って論理的に考える  新しい時代には、他者と協働しながら新たな価値を創造する力が必要です。  その基礎となる考える力を育てるため、全教科において頭の中の考えを形にすることができる思考ツールを活用し、考えを深め合う授業を実施します。思考ツールを使うことで、発言や表現することが苦手な子でも、自分の意見を伝えることができるようになります。 ◎「自己有用感」を醸成する  他者の存在を認め、協働する力を身に付けるとともに、一人ひとりの主体的な意思決定を大切にします。  また、「わかった」、「できた」という学びの実感を重ねることで、「自己有用感」の醸成につなげていきます。 ◎4つの学園ごとに実施  現在の施設をそのまま利用した、施設分離型の一貫教育を行います。各学園は、地域や児童生徒の特徴を踏まえ、学園ごとに教育プログラムを編成します。  学校間の教育活動の効率化と情報の共有化を図るためICT環境を有効に活用します。 各学園の取り組み  本市の幼小中一貫教育では、4つの学園ごとにすべての教職員が、目指す15歳の子ども像を共有し、カリキュラムに基づいて子どもたちと向き合いながら教育目標の実現を図ります。  ここでは、各学園が教育目標を実現するために、どのような取り組みを行うかを紹介します。 袋井中学校区 学園名称 袋井あやぐも学園 構成する学校・園 袋井中、袋井東小、袋井西小、袋井北小、今井小(連携校) 袋井東幼、袋井西幼、田原幼、若草幼、若葉幼 主な連携園 明和第二保、めいわ可睡保、袋井あそび保、たんぽぽ第二保、どんぐり保、MOE保育園てんじん園 学園教育目標 「夢を追い続ける子ども」の育成 目指す子どもの姿 「自主」学習や生活、諸活動のそれぞれに目標を立てて、実現に向かう努力を怠らず、自分を鍛え続ける姿 「協同」集団の一員として自分の役割を自覚し、人のために一生懸命汗を流す姿 良さ 「みんなと何かをするのが楽しい」や「体験活動に積極的に取り組む」という生徒が多い。 課題 「授業がよく分かる」という生徒が少ない。「不登校生徒」の出現率が高い。 5つのアクションプラン @学びづくり  授業の中で「話す」「聞く」を大切にするとともに、家庭学習を工夫することにより、主体的に学習する態度を養う。 A特別支援教育  誰もが十分に力を発揮できる教育環境を基盤として「個別の教育支援計画」「個別の指導計画」を活用し、児童生徒の自立力・社会力を育てる。 B心づくり 「静をつくる」「温をつくる」という活動を通して、規範意識や思いやりの心を育てる。 C生き方 「働く喜び」や「住みよいまち」の視点で人のために尽くす力を育てる。 D体づくり 「体を動かすことを楽しむ子」を育てることを通して、良好な人間関係を築く力や目標に向けて努力し続ける力を育てる。 目指す授業 つけたい力を明確にした「主体的・対話的で深い学び」の授業 全教職員で「ボイスシャワー」「聞く指導」の実践 子ども一人ひとりにとって「魅力ある園・学校づくり」〜絆づくり・居場所づくり〜 周南中学校区 学園名称 周南たちばな学園 構成する学校・園 周南中、今井小、三川小、山名小、袋井北小(連携校) 今井幼、三川幼、山梨幼 主な連携園  明和第一保、袋井ハロー保、めいわ月見保 学園教育目標 「夢や希望を見出し、未来をひらく子ども」の育成 目指す子どもの姿 他者と協働する  主体的に行動する  自他を理解する 袋井南中学校区 学園名称 南の丘学園 構成する学校・園 袋井南中、袋井南小、高南小 袋井南幼、高南幼 主な連携園 袋井南保、たんぽぽ保、愛野こども園、ルンビニあゆみ園、山名幼 学園教育目標 「夢に向かい 自分らしさを生かして ともに輝く子」の育成 目指す子どもの姿 主体的に行動し、自分らしさを発揮できる ・学びに向かう意欲と力 ・思考力、判断力、表現力 ・主体的に行動する力 ・豊かな感性 ・健康な体と体力 ・粘り強く頑張り抜く力 人との関わりや協働の喜びを実感できる ・豊かなコミュニケーション力 ・自他を尊重する姿勢 ・他者と協働する力 ・高い規範意識 共通実践@ 「4つの承認」の推進 存在・意欲・行動・成果 共通実践A 「明るいあいさつ 元気な返事 いつでも笑顔」の推進 浅羽中学校区 学園名称 浅羽学園 構成する学校・園 浅羽中、笠原小、浅羽南小、浅羽北小、浅羽東小 浅羽東幼、浅羽西幼、浅羽南幼、浅羽北幼 主な連携園 笠原こども園、ルンビニ保、あさば保、ルンビニ第二保 学園教育目標 〜未来を拓く 浅羽の人づくり〜「こころざしをもち、共によりよく生き抜くたくましい子」の育成 ○自ら求めて学び続ける子 ○課題に最後まで取り組む子 ○自分の良さを発揮する子 ○お互いの幸せを願う子 ○健康を大切にする子 ○ふるさとを愛する子 自立(自立力) ○主体的な学び  ・学びの実感の積み重ね  ・思考スキルの定着  ・読書活動の充実  ・全国学力・学習状況調査の活用 ○基本的な習慣  ・規則正しい生活習慣の定着  ・日常の健康維持・増進  ・家庭学習の習慣化と充実 ○夢や希望  ・自分らしさの発揮  ・多面的な将来への展望 共生(社会力) ○時と場に応じた礼節  ・基本的な挨拶の定着  ・望ましい礼儀作法の励行 ○よりよい人間関係(居場所づくり・絆づくり)  ・道徳科の充実  ・かかわり合う場の充実  ・人権感覚の醸成  ・自治的な集団づくり  ・検査(Q-U等)の活用 ○ふるさとや学校を愛する心 魅力ある学園づくり 〇自己有用感の醸成(「居場所づくり」「絆づくり」)  〇かかわり合い(学び合い)から「わかる」「できる」「楽しい」を実感する授業や活動の充実 教科等カリキュラム 「目指す子ども像」⇔「小中9年間連続のカリキュラム」「保幼こ小の連携」 教科外カリキュラム 「目指す子ども像」⇔「縦(12年間)と横(園・学校)の連携」 浅羽学園版標準カリキュラム 思考力・判断力・表現力等を培う場面 思考ツールを活用し、思考スキルが身につく場面