P20 輝くふくろいの人 森とアートで子どもたちと地域をつなぎたい 「三日月の森」こどもアートギャラリー 諸井理恵さん(三門町) 「子ども向けアートって、温かみがあって、親しみやすくて、触れていると心がほぐれてくるんです。他の大人の方たちにもその感覚を味わってほしいんです」  そう語るのは、(学)山名学園山名幼稚園の理事長・園長を務める諸井理恵さん(52歳)。今年5月、園の敷地内に『「三日月の森」こどもアートギャラリー』をプレオープンしました。  プレオープン中の現在は、主に園での活動や子育てイベントの場として利用していますが、地域に開かれたアートギャラリーとしての活用も目指していて、グランドオープンに向けた準備を進めています。 大人も、もっと自由な発想を持って生きてもいいんじゃない?  幼い頃からアートに関心があったという諸井さんは、芸術系コースのある高校を経て美術大学へと進学。大学卒業後は個人事業主として広告デザイン業を立ち上げます。  その後、結婚を機に夫の所属する天理教山名大教会の活動に従事することとなり、広告デザイン業はやめてしまいましたが、『山名こどもアート教室』などを主催し、引き続きアートの世界で活動を続けてきました。  子どもたちと接している中で、その自由奔放に活動する姿に心を打たれたといいます。  「大人になると、常識や自らの固定観念に縛られがちですが、子どもの無邪気で何事にもとらわれない世界ってきらきらしているなあって。大人も、もっと自由な発想や感覚を持って生きてもいいんじゃないかと思ったんです」 アートを通して多くの方に“子どもたちの世界”に触れてほしい  このような思いを、自分の好きなアートを通して他の大人の方たちにも体験してもらう方法はないかと考え造ったのが『「三日月の森」こどもアートギャラリー』です。グランドオープン後は子ども向けアートの展示を主に行っていく予定ですが、保護者はもちろん、普段子どもと接することがない単身世帯の方や子どものいない世帯の方、学生など、様々な人に足を運んでもらいたいという思いがあります。  「昔は子どもたちのいる風景が生活の中に自然とありましたが、今は安全面の配慮もあり、子どもたちは囲いの中にいるような印象です。普段子どもと接することがない方が実際に子どもと交流することは難しいかもしれませんが、子どもたちの世界の投影である子ども向けアートに触れることで、少しでもその世界を感じてもらいたいです」 グランドオープンに向けて森を整備  『「三日月の森」こどもアートギャラリー』には、肝心の「森」がまだ整備されていません。森の整備には、自然とのふれあいを通して子どもたちの感性を育むことはもちろん、イルミネーションスポットとして地域を盛り上げる狙いもあります。現在、今冬の整備完了を目指して市内事業所へ「森づくり資金」の寄附を募っています。  森の整備をはじめ、展示の企画など、グランドオープンに向けて様々な準備に奔走している諸井さん。『「三日月の森」こどもアートギャラリー』が、子どもたちと地域をつなぐ拠点として本格的に始動し、新たな袋井市のにぎわいの場となることに期待しています。 『「三日月の森」こどもアートギャラリー』の最新情報は、SNSでご確認ください。