P04-05 〜袋井駅南まちづくりを振り返る〜 官民共創による袋井駅南のまちづくり 市では、まちの中心核である袋井駅周辺での商業・医療・福祉施設などの集約による都市機能の強化を目的として、袋井駅南まちづくり事業を進めてきました。これまでの駅南まちづくりを振り返るとともに、この地区でのまちづくりを市の財産として、にぎわいや潤いがあり、心の豊かさを実感できる都市づくりの実現に今後も取り組んでいきます。 問 都市計画課まちづくり計画室 TEL44-3122 都市の将来像における袋井駅周辺地区の位置付け  市では、都市の将来像や今後の都市づくりの基本的な方針を示す都市計画マスタープランの中で、袋井駅周辺から市役所周辺に広がる市街地を「都市拠点」として、また、上山梨地区周辺、愛野駅周辺、浅羽支所周辺を「地域拠点」として、日常生活や産業・経済活動を支える主要な拠点に位置付けています。 地域とともに創り上げた駅南構想  袋井駅南地区においては、平成17年の新市誕生(旧袋井市・旧浅羽町の合併)を契機に、市南部地域との一体的な都市形成による市域の発展を目指して、平成19年に「袋井駅南地区まちづくり構想」を策定。この構想を受けて、地元・田端地区では地区の将来像を描いた整備計画を策定し、田端東遊水池公園や袋井駅南都市拠点土地区画整理組合による既存集落の住環境改善、民間が主体となって進めるメディカル地区や商業地区などの取組を位置付けました。  これまでに進めてきた土地利用は、ここでの整備計画が原型となっているものです。 一歩一歩進めてきた都市基盤の整備  新市誕生当時、袋井駅にはまだ駅南からアクセスできる道路はおろか、駅舎に南口すらない状況でしたが、駅南からのアクセス向上と土地利用の実現に向けて、南口駅前線や駅南循環線などの都市計画道路の整備に着手。平成26年11月には、袋井駅の橋上駅舎化による南北自由通路を共用開始しました。  また、平成27年7月には、従来から課題となっていた田端地区既存集落の狭あい道路や密集市街地などの住環境改善のため、袋井駅南都市拠点土地区画整理組合を設立し、都市基盤の整備に取り組んできました。 「官民共創」による都市形成  また、都市基盤の整備と併せて進めてきたのが、駅前という立地環境を活かした土地利用事業です。  市では、人々がゆっくりとくつろぐことのできる都市空間の創出に向けて、田端東遊水池公園などの公共施設を整備。また、民間資本の活用により、後述の大規模商業施設の建設を行うための「業務代行方式・袋井駅南田端商業土地区画整理事業」や医療施設等の誘導を図る「メディカル地区」の整備が進められるなど、駅南地区のまちづくり構想を官民でしっかりと共有できたことにより、行政が持つ公共資源や知識と民間事業者の持つ事業推進力やノウハウを融合させることで、多くの人々でにぎわう新たな都市空間を創り上げてくることができました。 民間資本の活用(業務代行方式による袋井駅南田端商業土地区画整理事業)  通常の土地区画整理事業では、地権者の土地の減歩により生み出された保留地処分金や市費等で必要な予算を確保し、事業が進められます。  袋井駅南田端商業土地区画整理事業では、地権者が借地方式による商業施設の誘致を望んだこともあり、、組合が進める土地区画整理事業を民間事業者が代行して行う“業務代行方式”による土地区画整理手法を用いたことで、事業費の大半を占める造成費用等を民間事業者が負担し、事業費の削減につながりました。  また、業務代行者の選定にあたっては、袋井駅南まちづくり構想と一体となる事業提案を求めて決めたことにより、商業施設と田端東遊水池公園等の一体的な整備が可能となり、多くの市民が集う魅力ある都市空間の創出につながっています。 地域医療を支えるメディカル地区  メディカル地区では、高齢化社会で求められる都市機能として、医療・福祉、さらには子育て支援の施設等を誘導するため、医療コンサルタントと市が連携して土地利用を推進。これにより、現在は、4つの医療施設のほか、薬局、サービス付き高齢者住宅、そしてこども園に立地していただくことができました。  こうした整備は地域医療や子育て環境を支える新たな取組として、全国的にも注目を集めています。 さらに整備が進むアクセス道路 持続可能な都市づくりに向けて  袋井駅南地区では、今後も、駅南循環線の延伸とそれと接続される都市計画道路・田端宝野線の整備により、市東部方面とのアクセスを強化し、また、袋井駅北側地区との連動により、まちなかにおける交流・滞在空間を創出することで、市内外から多くの人々が訪れたくなるような「居心地が良く、歩きたくなる」空間づくりを推進します。  市では、袋井駅南地区の整備を通して、市の中心核である袋井駅周辺地区の都市機能を強化していくとともに、同地区でのまちづくりの事例をもとに、都市の将来像を市と市民・事業者などが共有し、それぞれの地域特性に応じた魅力ある都市形成を推進していくことで、これからも本市の持続可能な都市づくりにつなげていきます。