P18 輝くふくろいの人 あらゆる音楽シーンに挑戦 音楽で地元に貢献したい サックス奏者 依田隆さん(諸井)  「自分の音楽の持ち味を、様々なシーンで発揮することができてとてもうれしいです」  愛用のサックスを手に自身の音楽活動について語るのは、依田隆さん・32歳。ジャズやポップス、クラシックなどあらゆるジャンルの曲を吹きこなすバリエーションの広さと、歌うように奏でる情緒あふれるメロディを持ち味に、市内外で音楽活動をしています。 文武両道な学生がある言葉を機に音大進学を決意  幼少期からピアノを習うなど、音楽が好きだった依田さんが初めてサックスを手に取ったのは中学1年生の頃。吹奏楽部に入部し、メロディを多く担う楽器を希望したところ、顧問から勧められたのがアルトサックスでした。熱心な練習の成果により、腕は日々上達。進学先の磐田南高等学校でも、しっかりと勉強に取り組むかたわら、引き続き吹奏楽部に入り、サックスの練習に熱を入れました。  そんな依田さんが音楽家を志したのは高校2年生の頃。アンサンブルコンテストで依田さんの率いるサックス四重奏が好成績を収めたことや、学生指揮者として部を引っ張る依田さんの姿を見て、秀でた音楽性を見出した顧問のある言葉がきっかけでした。 「『音大に行くのはどう?』と、ふと聞かれたんです。そこで初めて、音楽家を目指す道もあるんだなと気づき、大好きな音楽に更に没頭するようになりました」  そして、神奈川県の洗足学園音楽大学に進学。クラシックを専攻しつつも、幅広いジャンルの音楽を極めたいという気持ちから、ビッグバンド(※)サークルを立ち上げ、学内のイベントでの演奏や全国の大学等のビッグバンドサークルが集結する「ビッグバンドコンテスト」への出場により、ジャズの経験も積みました。 帰郷し、多様な音楽シーンで活動  大学卒業後、音楽で地元に貢献したいという思いで袋井に戻った依田さんは、県西部を中心にライブハウスやホールでの演奏会のほか、企業や商業施設のイベント、近年では葬儀で故人に思い出の曲を演奏する『献奏』など、多岐にわたって活動しています。 「様々なジャンルの音楽が好きなので、多様な音楽シーンで活動できることがとてもうれしいです。お客さんに喜んでもらえるよう、それぞれのシーンに合った選曲を心がけています」 周囲への感謝、今後も新たな挑戦を  依田さんの多岐にわたる音楽活動の背景には、本人の実力はもちろんのこと、マネージャーの努力やお客さんのつないだ縁があるといいます。 「マネージャーが積極的に営業活動を行ってくれたり、ライブに足を運んでくれた方が次の演奏の機会を紹介してくれたり。そういった努力やご縁にとても感謝しています。  応援してくれる方の期待に応えられるよう、これからも新たな音楽シーンに積極的に挑戦し、より多くの方に演奏を届けていきたいです」    次はどんなシーンで演奏でき、どんなお客さんと出会えるのか。期待を胸に、依田さんは今日もサックスの練習に励みます。 ※ジャズを演奏する、管楽器を主体とした15人以上のオーケストラ