P02-03 輝くふくろいの人Special 北京2022冬季オリンピックフリースタイルスキー・男子モーグル第9位 杉本幸祐選手に市スポーツ栄誉賞を授与  2月に行われた北京2022冬季オリンピックフリースタイルスキー・男子モーグルに日本代表として出場し、多くの人々に勇気と感動を与えてくれた本市出身の杉本幸祐選手(27歳)。国内外でのこれまでの活躍や今大会での功績を称え、市では杉本選手に本市第1号となる「袋井市スポーツ栄誉賞」を贈りました。 問 スポーツ政策課スポーツ推進係 TEL44‐3139 少年時代からスポーツ好き モーグルに魅せられ、中1で長野へ  豊沢生まれの杉本選手が初めてスキーを体験したのは小学2年生の時のこと。両親に連れられ幼い頃から県外のスキー場へ行き、そり遊びなどで雪と親しむ中、「自分もやりたい」とおもちゃのスキーを買ってもらったのが、滑る楽しさを知るきっかけでした。  運動が得意で、小学校時代には地元の少年野球クラブや空手教室にも所属するなど様々なスポーツを経験。負けず嫌いで、1番になるために何ごとにも地道に取り組むタイプだったといいます。  モーグルを習いたいと両親に頼み込んだのは小学4年生の頃。スキー場で見た同競技のスピードとアクロバティックな姿が頭から離れませんでした。そして翌年開催のトリノ冬季オリンピックの映像を繰り返し見て、1つの決意を固めるのです。「モーグルでオリンピックの金メダルを獲る!」。  小学校の卒業文集にも記したこの夢を家族も本気で応援。競技に専念できる環境を求め、中学1年生の夏、ついに一家で長野県に住まいを移しました。 スキー漬けの日々。逆境にもめげず27歳でつかんだ五輪への切符  長野では自宅近くのスキー場に毎週通い、朝から晩まで滑り続けて、高校時代には国内大会で優勝、大学時代には日本代表として国際大会にも出場するなど活躍。一時は強化指定選手から外れるなど、夢を諦めそうになる時もありましたが、幾多の努力を積み重ねてはい上がり、27歳でついに悲願のオリンピック出場をつかみ取りました。 日本勢のトップで予選を突破 決勝2回目でまさかのアクシデント  夢の舞台でスタートに立った杉本選手は、予選を日本人トップの6位で通過。決勝1回目でも安定した滑りとエア(ジャンプ)で高得点を出し、一時はトップに踊り出ます。  そして挑んだ決勝2回目。最初のエアを決めた直後にアクシデントが発生しました。右手のストックが折れてしまったのです。ストックは、コブの連なる斜面の滑走に欠かせないもので、そのまま左手のストックだけで滑りを続け、2つ目のエアも決めてゴールしましたが得点は伸びず。惜しくも決勝3回目には進むことができませんでした。  試合後、「悔しい」としつつも、「道具のせいではなく力不足。もっと上手く対応できていたら、1つ上のステージに行けた」と語るその姿に多くの市民が胸を打たれたのは、記憶に新しいところです。 勇気と感動をありがとう 市を挙げて五輪出場と健闘を祝福  全体9位で、夢の金メダルには手が届きませんでしたが、杉本選手のオリンピック出場と活躍に市内は大きく沸きました。  市では、杉本選手のオリンピック出場を祝い、また、健闘を称える横断幕や懸垂幕をそれぞれのタイミングで市役所に掲げるとともに、本人から提供いただいたスキー板やウェア、関連映像などを使った特別展示を開催。母校の袋井南小学校や袋井南中学校にもお祝いの横断幕が掲げられました。 偉大な功績を称え、「袋井市スポーツ栄誉賞」を授与  4月4日、大会後初めて袋井市に凱旋した杉本選手に、市は「袋井市スポーツ栄誉賞」を贈りました。  大場市長から表彰の盾を受け取った杉本選手は、「市民の皆さんの大きな応援を得て大会に臨むことができた。賞に恥じないよう挑戦し続け、4年後の世界一を目指して頑張りたい」と笑顔で挨拶。幼少期からの夢・金メダルへの思いを新たにしました。  市民に大きな喜びと、目標に向かって実直に取り組むことの大切さを教えてくれた杉本選手。次のオリンピックに向けて既にスタートを切っている杉本選手を、袋井市ではこれからも市民一丸となって応援していきます。 杉本選手からのメッセージ  袋井市民の皆様から多大な応援をいただき、強い気持ちを持って北京オリンピックで最後まで滑り切ることができました。本当にありがとうございました。  また、この度は過分なる賞まで受賞させていただき、身に余る光栄です。  今後は、4年後のミラノオリンピックに向けて、また新しい挑戦をしていきます。競技を続けられることへの感謝を忘れず取り組んでいきますので、引き続き応援をくださいますようよろしくお願いいたします。 表彰式に訪れた杉本選手を市役所で盛大に歓迎!  市役所1階・市民ホールでは、小学校時代に所属していた市内空手道場「翔友会」と「袋井南少年野球クラブ」の児童たちが花束でお出迎え。  市スポーツ栄誉賞は国際的なスポーツ大会に出場した個人や団体を表彰するもの。今年3月に創設され、杉本選手が第1号となりました。  ストックが折れた時の心境を明かす杉本選手。オリンピックの舞台でなかなかないアクシデントだが、良い経験になったと前向き。