P02-03 こどもと絵本を楽しもう 読み聞かせは読書の入り口です  生まれたときからスマートフォンやインターネットが当たり前の社会で成長していく今の子どもたち。そんな中でも、本から多くの知識を得ることにより、いろいろな光景や見たことのない世界を想像したり、様々な文化を理解したりすることは、子どもたちがこれからの人生をより豊かに生きていくために、とても大切なことです。  次代を担う子どもたちが読書を楽しみ、本を読む習慣を身に付けることができるよう、市では子どもの読書活動を推進しています。 問 袋井図書館 TEL42-5325 子どもが小さいうちは絵本を読み聞かせてあげよう 読み聞かせの重要性  ともに1冊の本を開き、絵を見せながら読んで聞かせる「読み聞かせ」。まだ字の読めない子どもでも、本に触れ、本の世界を楽しむことができます。  読み聞かせの中で、子どもたちは物語の主人公になりきり、絵本の中で様々な体験をします。耳でしっかりとおはなしを聞くことで、様々な言葉が自然と身に付きます。  また、絵本を読んであげることで、愛情を伝えることができます。子どもは大人が自分のために何かをしてくれたり、向き合ってくれたりすることで、自分が大事にされていると感じるのです。 どんな絵本を選んだらいいの?絵本を選ぶ6つのポイント 1 内容…子どもは主人公になっておはなしを楽しむため、最後に主人公が幸せになる本、読み終わった後に幸せな気持ちになる本を選んであげましょう。 2 絵…物語の雰囲気に合ったタッチで描かれ、文字を読まなくても絵だけで内容が分かる本を選んであげましょう。 3 文章…生き生きとした文、美しい言葉で書かれた本を選んであげましょう。 4 昔話の場合…昔から正しく伝えられてきたストーリーの本を選んであげましょう。 5 科学絵本の場合…文章に無駄がなく、論理的で、分かりやすく書かれた本を選んであげましょう。 6 難易度…子どもの成長に合った本を選んであげましょう。  図書館では、お勧めの絵本リストを配布しています。ぜひ参考にしてください。 正しく伝えられてきた内容の昔話を選ぶ理由  イギリスの昔話『三びきの子ブタ』は、1匹目と2匹目の子ブタはオオカミに食べられてしまいます。3匹目は三度オオカミに命を狙われますが、知恵を使って逃げ延び、最後に煙突から降りてきたオオカミをお鍋でコトコト煮て食べてしまいます。  子ブタがオオカミを食べてしまうところで大人はギョッとするかもしれませんが、良質な昔話は血が飛び散るような残虐な描き方はしていません。  主人公になりきって物語を楽しむ子どもにとって、3匹目の子ブタは自分自身であるため、命を狙ってくる悪者のオオカミは、ちゃんと本の中で退治されなくてはいけないのです。  ストーリーが変えられた絵本では、子豚が3匹とも助かったり、オオカミが最後に子豚と仲良くなるものもあります。でも、子どもは空想と現実の境界が曖昧なため、おはなしの中で物語がちゃんと完結されていないと、現実の世界で「おなかが空いたオオカミが、また襲ってくるんじゃないか」とか、「あの物陰にオオカミが潜んでいるんじゃないか」など、ずっと不安を感じてしまうのです。  そういった不安を現実の世界で感じないように、昔話を選ぶ時はしっかり内容を確認しましょう。 読み聞かせQ&A Q 同じ本ばかり「読んで」と言うけど、いいの? A 何度も「読んで」とせがむお気に入りの絵本がある場合、そこにはお気に入りの登場人物が出てきて、自分の思ったとおりの出来事が起こる、ほっとできる世界があります。子どもが望んだら、何度でも読んであげましょう。 Q 読んでいる間に質問ばかりするけど、どうすればいいの? A その都度、簡単に答えて大丈夫。絵本を読み終わるとしっかり分かる場合もあります。ただし、本の内容が難しすぎる場合は、お子さんの成長に合ったものを選んであげましょう。 @無理強いをする…子どもが読み聞かせを聞く気分ではない時は、無理に読まないでください。読めない日があっても気にする必要はありません。 A感想を聞く…絵本を読み終わった後「どうだった?面白かった?」とつい聞きたくなりますが、感想を聞くのはやめましょう。読んでもらった直後の子どもたちは、絵本の世界にどっぷり浸っています。質問をすると、せっかくの空想の世界が壊れてしまいます。 B教訓を垂れる…教訓を話すのも、空想の世界が壊れてしまうためやめましょう。 Cセリフなどを大げさに読む…大げさに声色を変えると絵本に集中できない場合もあるので、普通に読んであげましょう。 D理解できたかどうか質問をする…絵本の物語や、出てきた言葉を理解できたか質問しないでください。子どもは、知らない言葉があっても文脈から意味を推察しています。また、成長した時に理解することもあります。 E読み聞かせをしながら文字や数を覚えさせる…読み聞かせや読書は、文字や数を覚えさせるためにするものではありません。「文字や数を覚えるため」と感じた途端、子どもの気持ちは本から離れてしまいます。  本のことについての質問は、遠慮なく図書館へお尋ねください。本や絵本選びのお手伝いなどもします。 市立図書館 各館案内 ★袋井図書館 ★浅羽図書館 開館時間 午前9時30分〜午後5時30分(袋井図書館は水・木曜日、浅羽図書館は金曜日のみ午後7時まで開館) 休館日 月曜日ほか(※) ★月見の里学遊館図書館分室 開館時間 午前9時〜午後5時30分(水曜日は午後7時まで開館) 休館日 木曜日ほか(※) ※その他の休館日は、図書館ホームページをご覧ください。 市立図書館では、子どもの読書推進のためにこんな取組をしています ブックスタート  総合健康センターで行われる7か月児相談の機会に「絵本を開く楽しい体験」と「絵本」をセットでプレゼントする活動です。  絵本2冊と図書館お勧めの絵本リストを組み合わせた「ブックスタート・パック」を手渡すことで、親子が家庭で絵本を開くきっかけづくりを支援しています。 セカンドブック  ブックスタートでもらった本が少し物足りなくなった2歳児に、次に楽しめる絵本を5冊紹介し、その中の1冊をプレゼントしています。2歳児フッ素塗布の機会に実施。この頃から主人公になりきって物語の世界を楽しめるようになり、自分の世界もぐんぐん広がっていきます。 ブックスタート、セカンドブックは図書館(市内3館)でも受け取ることができます。 おはなし会・出張おはなし会  館内で絵本の読み聞かせをする「おはなし会」や図書館以外の場所でいつもと違う雰囲気の中で読み聞かせを行う「出張おはなし会」を定期的に開催しています。  日程はホームページでご確認ください。 ふくぶっくつうちょう  本を借りた日、書名、著者名、本の価格を記録できる通帳で、利用者カードをお持ちの方なら誰でも作成できます。18歳までは無料です(19歳以上の方は1冊100円)。