P02-03 知ってますか?ネット時代の性教育 〜袋井市の子どもたちを性被害から守る〜  スマートフォンなどの普及により、子どもたちも自由にインターネットを利用できる現代。ネット上の不適切な情報から、性に関する誤った知識を身に付けたり、SNS等を介して子どもたちが性犯罪に巻き込まれたりする被害が全国的に増加しています。  市では、子どもたちが、性暴力の被害者・加害者・傍観者にならないよう、性のことを正しく理解し、適切に行動できるようになるための取組を学校・家庭・地域と連携して進めています。 問 学校教育課指導係       TEL86-3222  生涯学習課生涯学習係  TEL86-3191   すこやか子ども課子ども保育係 TEL86-3332  健康づくり課地域健康係 TEL84-7811 「自画撮り被害」が問題に  自画撮り被害とは、だまされたり、脅されたりして自分の裸体等を撮影させられた上、その写真等をメール等で送らされる被害のことをいいます。  警察庁の資料「令和3年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」によると、ポルノ事犯の被害児童(18歳未満の子ども)の数は10年間で約3倍に増加。また、令和3年度の被害内容の内訳は自画撮り被害が約35%、盗撮が約21%、児童買春等が約17%、その他が約27%で、自画撮り被害が全体の3分の1以上を占めています。 【被害の例】 ◆同じ学校の交際相手から裸の写真を送るよう要求され、嫌われたくない思いから送信。別れた後にその写真を学校中に広められてしまった。 ◆SNSで知り合った異性と仲良くなり、互いの顔写真を交換したところ、「裸の写真を送れ。送らないと、顔写真を悪用する」と脅されて送信してしまった。 園・学校での性教育  市では、幼小中12年間を通じた性に関する指導のカリキュラム(中学校区ごとに作成)に沿って系統的に指導を進めています。「ジェンダー平等」や「性の多様性」など人権教育の要素も盛り込み、それぞれの性について尊重し、性暴力の被害者・加害者・傍観者にならない子どもの育成に努めています。 幼児期  「水着で隠れる部分は他人に見せたり触らせたりしてはいけない」ということを知らせ、体の大切さを学んでいます。 小学校  「男女の体の仕組み」や「大人になる体に起こる変化」を科学的な知識として教えています。また、インターネット使用時の危険性についても学びます。 中学校  性の悩みや性行動など「思春期に知っておきたい知識」を伝えています。また、SNSのトラブル等についても学びます。 家庭でも「性」について話し合いましょう  性被害に遭った子どもたちの中には、性の話を恥ずかしいものであると感じ、被害について誰にも相談できず、辛い思いを1人で抱え込んでしまう子もいます。日頃から家庭で性を話題にコミュニケーションをとり、性被害から子どもを守ることにつなげましょう。  園・学校では、文部科学省がホームページで公開している性教育の教材を活用しています。また、警察庁のホームページでは自画撮り被害の啓発漫画を掲載しています。ぜひ参考にし、親子で一緒に「性」について話し合ってみてください。 おすすめの家庭で学べる性・ネットの図書  性やネットリスクに関する図書を紹介します。子どもの成長に合わせて選び、親子で性やネットの話をするきっかけにしてみませんか?全て市立図書館で貸し出しをしている図書です。  市立図書館には、ほかにも多くの関係図書があります。市立図書館のホームページで蔵書検索・予約することもできますので、ぜひご活用ください。   こころとからだの不安によりそう 性ってなんだろう?(新日本出版社)全5巻 (北山ひと美/監修 青野真澄/指導協力) 図解イラストで体の仕組み・成長・好きになること・性的同意など、性に関することを紹介しています。 おうち性教育はじめます 一番やさしい!防犯・SEX・命の伝え方(KADOKAWA) (フクチマミ、村瀬幸浩/著者) 幼児期の素朴な質問から思春期に訪れる心と体の変化まで、子どもへの伝え方が漫画で学べます。 12歳までに身につけたい ネット・スマホルールの超きほん(朝日新聞出版) (遠藤美季/監修) 子どもたちに知ってもらいたいネット・スマホのルールやSNS・メール・ウェブサイトを利用する際の注意点などを解説しています。 性やネットの専門家にお話を聞きました  市内の小・中学校で講師を務めている保健師・性教育トレーナーの佐々木睦美さん、NPO法人浜松こどもメディアリテラシー研究所代表の長澤弘子さんに、性とネットそれぞれの分野について聞きました。 佐々木睦美さん/長澤弘子さん 最近の若者に対して、感じている課題はありますか?  佐々木「女子は男子より二次性徴が早く、年上に憧れる傾向があります。手軽に年上とつながることができるSNSでの出会いに注意が必要です。また、ネット上の性に関する情報の中には不適切なものもあり、低年齢のうちから誤った情報にさらされる危険があります。だからこそ、小さい頃から性について学び、正しい知識を育むことが大切です」  長澤「SNSでの出会いによって、自画撮り被害や同意のない性交など、デジタル・リアルの両方で性被害に遭ってしまっている子がいます。インターネットの危険性をしっかり知ったうえで使っていくことが必須です」 若者に起こりやすいデートDVについて教えてください  ※デートDV…交際相手等からの暴力。暴言・スマホの中身や行動の監視などの精神的暴力や、性行為の強要・避妊の拒否などの性的暴力も含む  長澤「SNSなどで気軽に連絡が取れることにより、『つながりたい』という思いが強くなった結果、交際相手を束縛し、デートDVに発展するケースがあります」  佐々木「デートDVのことを知り、愛と暴力の違いを見分ける力を付けてください。また、いざというときのために、相談できる相手や公的に相談できる場を把握しておきましょう」 デートDVの事例や対処法などは、内閣府のホームページで詳しく知ることができます。こちらもぜひご覧ください。 困ったときは近くの警察署または少年サポートセンターへご相談ください 袋井警察署生活安全課 TEL(代表)41-0110 磐田地区少年サポートセンター TEL(直通)37-0146