P20 輝くふくろいの人 対戦相手も 言葉の壁も 全力突破! 女子ラグビーチーム「アザレア・セブン」 ナタリヤ・コザチュクさん(愛野) 「家族を置いて日本に来ることには迷いもありました。でも、今はたくさんのファンと素敵な仲間たちに囲まれて幸せです。日本に来て本当に良かったと思います」  青々としたフィールドを前にそう語るのは、ウクライナ出身のナタリヤ・コザチュクさん・25歳。エコパを拠点に活動する女子ラグビーチーム「アザレア・セブン」のメンバーで、ポジションはスクラムの要となり、力強いプレーが求められる「プロップ」です。 ラグビーで生きていくため 遠く離れた日本へ  来日以前、ナタリヤさんはウクライナのラグビーチームで選手として活動しながら14歳以下の子どもたちのラグビー指導もするなど、まさにラグビー一色の生活を送っていました。  しかし、昨年2月からのロシアによる軍事侵攻がその生活を激変させました。ナタリヤさんが住んでいた街も戦禍に巻き込まれ、ラグビーを続けることが困難になっていったといいます。  そんなナタリヤさんのもとに『日本の女子ラグビーチームがチーム強化や人道支援のためにメンバーを募集している』という情報が舞い込んだのは5月のこと。 「安心してラグビーができる環境に行きたいという気持ちがある反面、家族と離れることや海外生活への不安もありました。でも、このチャンスを逃したら絶対に後悔すると思ったんです」  多くの迷いもありましたが、意を決して応募。そして8月、晴れてアザレア・セブンのメンバーになったのです。 日本語も一生懸命勉強中  異国の地での生活で、まずクリアしたいのは言葉の壁。ナタリヤさんは日々の練習やトレーニングの合間を縫って日本語学校へ通い、今では日本語で簡単な会話ができるようになりました。また、新たに加入した外国人選手の通訳も行うなど、その上達ぶりはメンバーも絶賛。しかし、まだまだ課題があると本人はいいます。 「日本語は同じ発音でも違う意味を持つ言葉がたくさんあるので、よく聞き間違いをしてしまいます。アザレア・セブンのみんなは、私のためにジェスチャーを使ってゆっくりと話してくれますが、まだ完璧に聞き取ることができないので、もっと日本語を上達させたいですね」 力強いプレーで相手を圧倒し目指せコアチーム昇格!  ナタリヤさんは、3月25日(土)・26日(日)にエコパスタジアムで開催される公式戦「リージョナルウィメンズセブンズ2022」を控えています。 「コアチーム昇格が懸かった大事な試合です。得意のコンタクトプレーを生かして私も全力で頑張ります。ぜひ現地で応援をお願いします!」  1年前は想像もできなかった、日本のフィールドに立つ自分の姿。自ら掴んだチャンスを活かし、これからも更なる飛躍を遂げていくに違いありません。