P06-07 流域治水でまちを守る 〜浸水被害を軽減するために〜  昨年9月に発生した台風15号は記録的な大雨を降らせ、市内各所で床上・床下浸水、土砂崩れ、橋梁流失、道路冠水など多くの水害をもたらしました。被災された方々に改めてお見舞い申し上げます。  市では、被害軽減に向けてあらゆる機関と連携し、治水対策を加速化・強化しています。 問 土木防災課治水対策室 TEL44-3166 全国的に激甚化する豪雨災害  近年、日本では、平成27年の関東・東北豪雨をはじめ、平成30年の7月豪雨や令和元年10月の東日本台風(台風19号)などにより、大規模な浸水被害や土砂災害が頻発しています。強雨の発生件数も全国的に増加傾向にあり、1時間当たりの雨量が50ミリを超える「短時間強雨」の発生件数は、50年前の約1.4倍に増加しています。  国は、気候変動に伴って激甚化・頻発化する洪水被害の状況を踏まえ、河川に関わる全ての者で治水対策に取り組む「流域治水」を進めています。 「流域治水」とは  河川管理者である行政機関(国・県・市など)、流域の自治体による河川整備はもちろん、流域に住む全ての人々が協働して@氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策、A被害対象を減少させるための対策、B被害の軽減、早期復旧・復興のための対策を行っていこうという考え方です。  本市でも、あらゆる関係機関と協働し、水を「流す・貯める・備える」という3つの対策で浸水被害の軽減を図ります。 市が行う流域治水 “流す”  本市は平坦な地形が多く、川の流れが緩やかであるため、川の水が下流へ流れにくく、大雨が降ると市街地に水が溜まることにより、浸水被害が発生しやすいという地形的特徴があります。  この水の流れ”を改善するため、県が管理する敷地川、沖之川等の改修促進や柳原雨水ポンプ場の整備の加速化をはじめ、市が管理する松橋川、油山川の拡幅、護岸の整備などの河川改修や計画的な浚渫(※)を行っています。 ※浚渫…河川に堆積した土砂等を撤去すること “貯める”  下流の排水路や河川に流れる水を一時的に貯める場所を作ることで、洪水被害を軽減させることが可能です。  久野城址南遊水池等の整備や既存施設等を活用した対策を行っています。 ◎校庭貯留  学校の校庭に水を貯める機能を持たせ、大雨の時に周辺の洪水被害を軽減させる仕組みです。  市内では、袋井東小・袋井西小・袋井南小・今井小・高南小・浅羽東小・袋井中・袋井南中が校庭貯留施設として整備されています。 ◎田んぼダム  田んぼが持つ“水を貯める能力”は、近年、治水対策として注目を集めています。市では、県内でもいち早く田んぼダムの取組に着目し、静岡理工科大学と連携した社会実験を実施。今後、この取組の拡大を目指していきます。 “備える”  近年は、既存施設では対応しきれないような規模の大雨が増加しています。  市では、水害の危険を周知するため、浸水が想定される範囲や深さ、避難場所などを示した「洪水ハザードマップ」の作成や過去の浸水実績の公表、河川の水位情報の発信などをしています。  自分や家族の命を守るため、ハザードマップなどで、自宅や職場などの浸水リスクや避難経路、避難場所を確認しましょう。 浸水実績や水位情報はこちら 洪水ハザードマップ(市ホームページ)  同ページ内にある「ガイドブック」では災害情報の収集方法などを知ることができます。 過去の浸水実績(市ホームページ)  過去の被害状況報告などから、市内の大まかな浸水範囲を知ることができます。 袋井市気象観測システム  市内の雨量・風速・河川水位などを閲覧することができます。 静岡県サイポスレーダー  県内の最新の雨量・河川水位・防災・気象情報を知ることができます。 あなたもできる!流域治水 マイ・タイムラインを作ろう 問 危機管理課災害対策係 TEL86‐3701  マイ・タイムラインとは、大雨や台風の接近等による河川水位の上昇に備えて、いつ・何をすべきかを、あらかじめ時系列で整理しておく防災行動計画表です。  一分一秒が大切になる水害発生時の行動チェックリストとして、また、避難判断の手がかりとして活用することで、逃げ遅れの防止につながります。 作成に向けた準備やポイント 1 洪水ハザードマップ等を活用して、浸水等のリスクを確認する 2 避難所の場所や安全な避難ルート等を確認する 3 避難等の行動のタイミングを考える(高齢者や幼児、体の不自由な方等、避難に時間を要する人は早めに避難を開始する)  作成にあたっては、国土交通省ホームページ掲載のマイ・タイムライン検討ツール「逃げキッド」が、分かりやすく便利です。  皆さんもマイ・タイムラインを作成し、家族で共有しておきましょう。