P02-03 貝化石が語る 200万年前の袋井の姿  貝は私たちの身近にある存在ですが、アンモナイトを代表とする貝化石は、大昔の環境や地形などを教えてくれるとても貴重なものです。  この特集では、本市周辺で発掘された個性豊かな貝化石や、それらから推測される200万年前の袋井市の姿について紹介していきます。 問 生涯学習課文化財係 TEL23-9269 知っていますか?袋井の地層群  地層とは、長い年月をかけて砂や泥などが積み重なってできたものです。その中に貝殻や動物の骨などが埋もれてそのまま残ることで化石となります。  本市には、牧之原市から磐田市北部にかけて広がっている地層「掛川層群」の一部である「大日層」と「宇刈層」があります。これら2つの地層は約200万年前にできたものであるといわれています。 200万年前の袋井は海底?周辺にはクジラも生息  掛川層群からは多くの貝化石が発見されています。その数は300種類以上にものぼり、うち半数は既に絶滅している種です。 残りの半数は現存している種ですが、それらの中には、現在では遠州灘より海水温が高い紀伊半島や四国、沖縄の海に生息している熱帯・亜熱帯性種のものも含まれています。大日層や宇刈層からもこのような貝が見つかっています。  このことから、200万年前の本市一帯は温かい海の底にあったことが推定されます。現在の台湾の気候に近かったとも言われています。  また、貝類以外にもサメの歯・クジラ・カニ・ウニ・クモヒトデなど、様々な種類の化石が発掘されています。 袋井は化石の名所  大日層をはじめとした本市付近に広がる掛川層群は、貝化石を豊富に産出することで全国的にも有名です。  また、「掛川層群大日層の貝化石群」は、200万年前の西南日本太平洋側の暖流系化石群の代表として、「県の石」に選ばれています。 「県の石」とは、日本地質学会が認定した全国の都道府県で産出される特徴的な岩石・鉱物・化石で、各都道府県ごとにそれぞれ1点ずつが選ばれています。  このように、本市は化石の名所なのです。市内にも、大日層やそこから発見された貝化石群を見れる場所がありますので、ぜひ現地に足を運んでみてはいかがでしょうか。 もっと化石を知ろう! 夏休みに行ってみませんか? 宇刈里山公園(宇刈3193) 本特集で紹介した化石を見ることができます。駐車場北側は大日層と宇刈層を見られる地層広場、公園中程の化石広場には貝化石が入った大日層の砂岩ブロックがあります。 市郷土資料館(浅名1021) 開館時間…午前9時〜午後5時 TEL23-8511 ※8月12日(土)、9月19日(火)・20日(水)・24日(日)、月曜日休館(9月18日(月)は開館) @企画展「掛川層群の化石」 時 9月29日(金)まで 内 田邊さんから寄贈いただいた化石を展示 料 無料 申 申込不要。直接会場へ A化石おじさんと話そう 時 8月16日(水)午前9時30分〜正午、8月20日(日)午前9時30分〜午後3時 内 田邊さんによるギャラリートーク 料 無料 申 申込不要。直接会場へ 化石収集家・田邊積さん(鷲巣)から484点の化石を寄贈いただきました 田邊さんからのメッセージ  40年以上かけて集めた掛川層群の化石484点を、市に寄贈しました。化石は私にとってロマンです。ぜひ、化石を見に企画展やギャラリートークにお越しください。  また、私は小学生向けの化石講座の講師も行っています。その中で、子どもたちが化石に興味深く触れる様子を見て嬉しく思っています。多くの子どもたちに化石に興味を持ってもらいたいですね。