P22 輝くふくろいの人 子ども達の可能性を広げたい 海外体験のサポーター TERAKOYA & CAFE Tabic 代表 櫻井葉津記さん(上貫名) 「翻訳アプリの発達などで、海外の人との交流が気軽に出来るようになりましたが、やはり、言葉で気持ちを伝えることがお互いを理解する第一歩だと思います」  自身の経験から、そう語るのは、櫻井葉津記さん。様々な国や地域の文化に影響を受け、市内でカフェと英語の個別指導、さらには留学の支援を行っています。 姉妹都市ヒルズボロ市への訪問が人生の転機に  長く英語に関わる仕事をしている櫻井さん。そのきっかけは、中学生の時に参加した、姉妹都市ヒルズボロ市への学生派遣です。英語が好きだったことと、外国に対する興味で事業に申し込み、初めて海外に渡った櫻井さんは、そこで自信と悔しさを味わいます。 「ヒルズボロ市に滞在中、学校で教わった文法どおりでなくても英語が通じたので自信を持てました。しかし、その反面もっと英語が話せたら自分の思いをたくさん伝えられたのにという悔しい気持ちもあり、もっと英語を勉強してまた海外に行きたいと思いました」 異なる文化・価値観に触れることの大切さ  ヒルズボロ市への訪問をきっかけに櫻井さんは、海外に対してより興味を持ち、様々な国を訪れます。 「高校生の時は姉妹校との交流事業に参加し、米国に2週間滞在しました。大学は外国語大学に進み、語学を学びながらたくさんの国を訪問しました。様々な国の文化や価値感に触れることができたことはとても大きな経験でした」  大学を卒業した櫻井さんは、旅行会社での勤務を経て、高校の英語教師となります。 「生徒たちには、海外に興味を持ってもらいたいと思っています。異なる文化や価値感に触れることで、人と違うことを認め合うという多様性を感じて欲しいですね。言語(英語)は、あくまでそのためのツールの1つと思っています」 地域を担う人材育成のため 海外へのチャレンジを応援したい  英語教師として教壇に立ちながらも、「グローバル化が進む社会を生き抜ける子どもたちを育てたい」、また「自分を育ててくれた地元の食材を使ったメニューを提供するカフェを作りたい」という思いが芽生え、「学び」と「カフェ」の2つの顏を持つ寺小屋&カフェ『Tabic』を開業しました。 「『Tabic』の名称は、「旅は人を育てる」から「旅(tabi)」と「育(iku)」を合わせて名付けました。昼はカフェとして地元の農家の方が大切に育てた野菜を使ったメニューを提供し、夕方以降は、英語の個別指導や自主学習スペースの提供をしています」  『Tabic』では海外研修(留学)の企画や引率、渡航前の研修なども行っています。 「私の実体験からも、中高生という多感な時期に海外を体験することはその後の人生の可能性を広げてくれると思っています。また、グローバル化が進む中、少数派であってもしっかり自分の考えを持ち、はっきりと伝える力が必要になります。 海外での生活はその力を育てることができるので、ぜひ、多くの若者にチャレンジして欲しいですし、その背中を押すことができればと思います。そして、実際に留学を経験した皆さんが将来地域をリードする存在になってくれれば嬉しいですね」  英語や海外留学を通してグローバルな人材を育てる櫻井さんの「旅」はこれからも続いていきます。