P06-07 新しい時代に合った制服が誕生! この4月から、本市の中学校で新制服の運用がスタート!時代の変遷と生徒の声を反映した新たな制服について紹介します。 問 学校教育課指導係 TEL86-3222 制服にも現れつつある「時代の変化」  本市の中学校の制服は、長年、詰め襟学生服とセーラー服を採用し、それぞれの学校の伝統として受け継がれてきました。  しかし、これらの制服は重ね着や着脱が難しく、体調や気温に応じた調整ができないことや、「男子は詰め襟学生服、女子はセーラー服」という概念があり、生徒がどちらを着用するか選択しづらく、多様性への配慮が課題となっていました。  そこで、令和3年度から、市内全中学校が一体となって制服の変更について検討を開始。令和4年度には市内小・中学校の保護者代表や教員等による「袋井市制服選考委員会」が立ち上がりました。 生徒が主体となってデザインを選定  デザインは、中学生と制服メーカーとの意見交換や生徒会等による校内での意見募集など、生徒が主体となって検討を進めてきました。これは全国的にも珍しい取組です。  その他、小・中学生や保護者を対象としたアンケートや計3回にわたる袋井市制服検討委員会による協議を実施。その結果、体調や気温に合わせた着方が可能で、組み合わせの幅が広く多様性にも配慮された、ブレザー型の制服を採用することとなりました。 性別による型の指定はなく、体格差等を考慮した2つの型(3種類)から生徒が選択することとしています。ネクタイ・リボンのどちらを着用するかについても性別にかかわらず選択することができ、生徒の個性を生かすことができる、新しい時代に合った制服となっています。 新制服の検討を通して、生徒の手で学校を変える  新制服決定に向けて各校の中心となって話し合いを進めた、現・生徒会本部役員を務める皆さんに「新制服の検討を通して、生徒の手で学校を変える」をテーマにお話を聞かせていただきました。 袋井中学校3年 福井遥仁さん 浅羽中学校3年 田畑蒼依さん 袋井南中学校3年 半田思枝さん 周南中学校3年 高橋煌大さん ―新制服検討や導入にあたり、各学校ではどのようなことが話題になり、話し合いが行われましたか? 田畑さん(以下、田)浅羽中=えんじ色というイメージが強い人が多いと思います。そこで、ネクタイ・リボンにえんじ色を取り入れ、「THE・浅羽中学」といった色にしました。また、デザインについてはとてもたくさんの意見が出てきたので、みんなから支持してもらえるデザインを、アンケートで最終決定しました。 福井さん(以下、福)ネクタイ・リボンの柄などについてアンケートをとった中で、様々な点で意見があり、まとめるのが大変でしたね。例えば、現在、袋井中では、靴と靴下の色は白色でなければいけないと校則で定められていますが、「新制服に白が合うのか?」「他の色も取り入れたらどうか?」といった意見もでました。 高橋さん(以下、高)周南中でも、ネクタイ・リボンに学校のテーマカラー(青)を取り入れました。校則についても話し合いを行いましたが、特にセーターやカーディガンの着用に関しては検討が難航しましたね。 半田さん(以下、半)ネクタイ・リボンの柄について、スラックスやスカートと合うものを選びました。南中も、校則について2学期ごろから見直しを始めました。 ―制服の変更と合わせて、校則の見直しも行っているようですが、校則についてどのように考えていますか? 田 生徒会でアンケートをとった際、「なくて困る」校則よりも「あって困る」校則に対する意見が目立ちました。みんなが楽しく学校生活を送れるよう、意見を聞きながら校則を変えていきたいと考えています。 高 僕は校則があったほうが過ごしやすい部分もあると思っていますが、内容や程度によっては問題になることもありますよね。 半 私は、校則がなくても自分たちで考えて動けるようになることが大切だと思います。校則をできる範囲で緩和して、学校が判断力を養う場や自己表現の場になるといいなと思います。 福 「校則で困ること」がなくなっていけば、学校が楽しいと思う生徒が増えると思います。校則によってコンプレックスを隠すことができず、容姿をからかわれてしまうなどの「いじめ」が起きないようにしたいですね。 ―今回、制服や校則などに皆さんのアイデアが生かされました。生徒の力で学校を変えていくことへの手応えは、どのように感じていますか? 半 まだ実現できていないこともありますが、制服の検討などを通して生徒全体の意識や雰囲気は変わってきたと思います。 高 周南中でも先生方との話し合いを重ねましたが、実現できないことは色々とありました。でも、お互いに意見を言い合うことが大事だと感じました。 福 今、袋井中では目安箱に髪型の意見が多く集まってきています。自分が「やりたい、変えたい」という思いを、たくさん書いてくれるようになりました。 田 自分たちで動いてみる中で、生徒同士や先生との間で意見の食い違いがあるなど、様々な壁にぶつかりました。今はまだ道半ばですが、この経験を生かして、少しでもより良い学校になるように活動していきたいです。  新制服の検討をきっかけに、校則、さらには学校生活を変えることへの熱い思いを語った皆さん。様々な壁もあると思いますが、自分たちの手で変えていくことへのやりがいと充実感が伺えました。皆さんの率直な意見を全校生徒や先生方に伝え、誰もが楽しく集える学校づくりがさらに進むことを期待しています。