P02-03 台風シーズン到来―「流域治水」で地域を守る  本市は、原野谷川や太田川に沿った平坦な地形が多いことから、河川の勾配が比較的緩やかであり、下流に流れるまでに時間を要します。そのため、豪雨の際に浸水被害が発生しやすいという特性があります。  このような特性を踏まえ、本市では、水害の被害軽減に向けてあらゆる関係者が協働して水害対策を行う「流域治水」に取り組んでいます。 問 土木防災課治水対策室 TEL44-3166 全国的に激甚化する豪雨災害  近年、地球温暖化の影響により、全国各地で大規模な浸水被害や土砂災害が頻発しています。  令和元年10月の東日本台風(台風19号)をはじめ、昨年8月に強い勢力を保ちながら非常にゆっくりとしたスピードで九州・四国地方を横断した台風10号、9月に石川県能登地方で発生した線状降水帯による豪雨などは記憶に新しいところです。  市内においても、令和4年9月に台風15号の影響で床上・床下浸水をはじめ、土砂崩れや道路冠水など多くの被害が発生しました。  強雨の発生件数も全国的に増加傾向にあり、1時間あたりの雨量が50ミリを超える「短時間強雨」の発生件数は、50年前の約1.4倍に増加。気候変動に伴う豪雨災害が顕著になってきています。 みんなで地域を水害から守る流域治水  国は、豪雨災害の激甚化を受け、河川管理者である行政機関(国・県・市など)をはじめ、流域に住む全ての人々が協働して「氾濫をできるだけ防ぐ・減らすための対策」「被害対象を減少させるための対策」「被害の軽減、早期復旧・復興のための対策」を行う、流域治水を推進しています。  市でも、あらゆる関係機関と協働し、水を『流す・貯める・備える』という3つの対策に取り組み、浸水被害の軽減を図っています。  家庭で実践できる取組もありますので、皆さんも水害から自分や家族の命を守るために、今日から流域治水に挑戦してみましょう。 流す IMPROVE FLOW  ”水の流れ”を改善するため、柳原雨水ポンプ場の整備、市が管理する松橋川の拡幅、護岸整備の加速化や河川に堆積した土砂の撤去などを計画的に行っています。 あなたも実践!  雨は排水路を通って川へ流れ出ます。排水路に落ち葉などがたまると、雨が流れていきません。晴れている時に排水路周辺の清掃をしておきましょう。 貯める STORE  雨を一時的に貯める場所を作ることで、大雨の際も排水路や河川に流出する雨水の量が調整され、洪水被害の軽減が期待できます。  その一環として、校庭やグラウンドなどに貯留機能を持たせる「校庭貯留」「公園貯留」の整備や公共施設への「雨水貯留タンク」の設置を進めています。  また、沖之川と蟹田川の流域を中心に、水田の排水桝に調整板を取り付けることで水田内の雨水の流出を遅らせる「田んぼダム」を取り入れています。 あなたも実践!  雨水貯留タンクは、家庭に設置することもできます。雨どいから集めた雨水を貯留槽へ貯めておき、飲み水以外の生活用水として利用できます。 貯まった水は、花壇の水やりや洗車のほか、断水時にトイレを流す際にも利用できます。雨水貯留タンクは、ホームセンターなどで販売しています。 備える PREPARE  市では、浸水に備え、自治会からの要望をもとに、位置や必要数などを調整しながら「土のうステーション」を設置しています。  また、浸水が想定される範囲や深さ、避難場所などを示した「洪水ハザードマップ」の作成や過去の浸水実績の公表、河川の水位情報の発信などをしています。 あなたも実践!  自宅周辺の水害の危険性や有事の際の災害情報の入手方法を確認しておきましょう。 袋井市洪水ハザードマップ(市ホームページ) 同ページ内「ガイドブック」では災害情報の収集方法などを詳しく知ることができます。 過去の浸水実績(市ホームページ) 過去の被害状況報告などから、市内の大まかな浸水範囲を知ることができます。 市情報配信サービス「メローねっと」 市内の雨量・風速・河川水位などを閲覧することができます。 キキクル 大雨による土砂災害・浸水害・洪水災害の危険度の高まりを地図上で確認できます。 消防団も流域治水に取り組んでいます 袋井市消防団 伊東 祐 副団長(水防訓練担当)  袋井市消防団は、水防団も兼ねていることをご存知ですか?火災時だけではなく、大雨の時も出動し、排水作業や危険箇所の見回りなどを行っています。  また、毎年、磐田市消防団・森町消防団と合同で水防工法の実技訓練を実施しています。訓練では、土のうの作り方や積み方などを学んでいるほか、大規模氾濫が発生した場合の協力体制について確認し、いざというときのために備えています。  ちなみに私は、日常生活でも、地域の冠水しやすい道路をチェックしたり、大雨の日には風呂の水を流さないようしたりと、自分にできる流域治水を実践しています。水害の被害を最小限に留めるためには、皆さん1人ひとりの取組が必要です。自分にできることから始めてみませんか? 問 消防団事務局 TEL86-5577