P20-21 袋井産の底ぢから 毎日の食事のなかに、地元産の農産物は どのくらい含まれているでしょうか。 「食」の安全や安心に注目が集まるなか、 市内での地産地消の取り組みを調べました。 ■地産地消と市の取り組み  地域で生産された様々な生産物や資源をその地域で消費することを「地産地消」と呼び、私たちの生活に身近なものになりました。  市では、地産地消に根ざした食育の一環として、地元の米と大豆を使い、年に4回の手づくりみそ講座を開催しています。  また、学校給食においても米飯は袋井産のお米を100%使用し、そのほか地元でとれた小松菜や大豆などの農産物も、積極的に取り入れています。  さらに、毎月23日を「ふるさと給食の日」とし、地場産品の多いメニューを学校給食 で提供しています。 地産地消、3つのメリット @生産者から直接購入することで、「顔が見える関係」が生まれ、食育の機会が得られます。 A地元でとれるものを食べることは安心につながり、食料自給率を高めます。 B食料の輸送距離(フードマイレージ)を少なくすることは、燃料消費に伴うコストの削減や、環境への負荷を減らすことにもなり、環境問題に貢献できます。  今年の3月には、その地産地消を後押しするための法律として、「六次産業化法」が施行されました。六次産業化(21ページ図1参照)が進められ、生産者の収益確保や向上につながることが期待されています。 地域資源で町おこし 「オンリーワンを目指して」 浅羽地域で、農産物直売所やバイキングレストランを運営している「有限会社どんどこあさば」を訪ね、取締役統括部長の一木宣宏さんにお話を伺いました。 地産地消へのこだわり  「どんどこあさば」は、10年前の平成13年に地元農家や主婦などのメンバーが集まって設立されました。  その背景には、地域にある資源を生かして町おこしをしたいという強い思いがあったそうです。  「地域でとれたものを地域で消費する生活は、ひと昔前までは当たり前のものでした。お客様も、新鮮で安く作り手が分かるものがいい。それは今も変わらず、とても自然なことで、農地を守る上でも、大切なことなんです」と一木さん。  市内で農産物直売所やスーパーの地場産品コーナーなどが増えている理由も、そのあたりにあるのかも知れません。 作り手が分かるという安心感  バイキングレストランで提供するものは、経営理念にそって「作り手が分かるもの」を厳選しています。  米、小麦、大豆などの穀類は、100%が袋井産。ほかの農産物も、安全を守る厳しい条件のもとに栽培された県内産のもので、生産者自らが届けてくれるものだけを提供しています。  季節にもよりますが、メニュー全体に占める地場産品の割合は、8割にのぼり、平日には100人、休日には300人前後の来店者があるのもうなずけます。 どんどこあさばの目標  そんなこだわりを貫く会社経営においても、課題は多くあります。  「皆さまに支えられて10年、この間にも、食を取り巻く環境は様々に変化してきました。後継者育成などの課題とともに、今後はオリジナル商品の開発とヒット商品を全国に売り出すことに全力を注ぎたいと思っています。そのヒット商品から『袋井』という地名を連想してもらえるくらいに知名度を上げ、それによって、地元がより元気になってくれたらいいですね」 袋井産で 元気に なろう! 特産クラウンメロン&低たんぱく米使用 米粉パン 米ろんちゃん  クラウンメロンの果肉入り。三川地区産の米粉を使っています。袋井物産交流館内の「フーちゃんのパン工房(袋井駅前)」で販売しています。 浅羽海岸沿い幸浦地域で栽培した サツマイモが原料  芋焼酎 幸浦  使われていなかった農地を活用して栽培されたサツマイモ「黄金千貫」「紅あずま」が原料です。  市内約20店の酒屋さんで販売しています。 地元の新鮮な牛乳を使用 太田牧場のソフトクリーム  地域資源をいかした手作りのまちづくりを行う三川地区の太田牧場の牛乳を使っています。太田牧場直営「Motaの店」で販売しています。 Q 6次産業化ってなんだろう? (図1) A 農産物を生産するだけでなく、加工や直売する多角経営で所得を増やそうという政策のことで、生産・加工・販売の一体化のほかに、地域資源を活用した新たな産業の創出を促進するものです。  このような考え方は、干物や漬物などを売って生活の糧にするなど、昔から取り入れられていました。 ソフトクリームを例にとると… 1次産業 農業 乳牛を飼育 2次産業 加工 牛乳からソフトクリーム製造 3次産業 販売 直営店で販売 3つの産業の掛け算で 1×2×3=6次産業 ☆ミニクイズ 袋井物産交流館の名称はどれ? @Jan・ne AE・jan BO・jan 答えは20ページ下 市民編集長がお伝えします Citizens'Eye 市民編集員のひとこと 「おはたき」を知っていますか?うるち米を使ったお餅です。 小関裕子、谷口史恵