P22-23 支え合い、つながる地域へ 人と人との結びつきやつながりの大切さが見直されています。 私たちの住む地域に目を向けてみると、より良く暮らしていけるヒントが 見つかるかも知れません。 肩の力を抜いた自然体のままで、地域とつながってみませんか。  少子高齢化という社会情勢の中、市民一人ひとりの価値観や暮らし方が多様化し、地域の連帯感が希薄になっているといわれます。  このような中、地域の持つ課題を共有しながら共に支え合い、地道な地域活動をしている皆さんがいます。  その活動の一例として、各地域で行われている「放課後子ども教室」と「日本語教室」の様子をご紹介します。 地域と行政で支える 放課後の子どもたちの遊び場 小学生も地域の大人も一緒になって放課後遊んでみませんか。  「放課後子ども教室」は、小学生が授業終了後に、安全で健やかに過ごせる居場所づくりとして、平成20年度から市が実施している事業です。現在市内の小学校12校のうち6校で実施し、その運営は、地域のボランティアによって支えられています。  スポーツや遊びを通して、異なる年齢の子どもや、地域の大人と交流することで、様々なつながりが生まれます。地域性を生かし、人と人とが関わることが、子どもの心の豊かさを育むことに大きな役割を果たしています。  市の放課後対策事業には、ほかに「放課後児童クラブ(いわゆる学童保育)」があり、共働き家庭などの子どもたちを支援しています。「放課後児童クラブ」の子どもが「放課後子ども教室」に参加するなど、連携が進められ、交流の輪が広がっています。 ●放課後子ども教室 浅羽東小学校  この日の活動は、方言かるた大会です。  教室運営の調整役をしているコーディネーターが司会進行をし、ほかのスタッフは子どもたちの活動を見守ります。絵札を一枚取るごとにみんなで声を出して読み、浅羽の方言に親しみました。  絵札を取り合いする子どもたちには、近くにいるスタッフが「じゃんけんしたら」と声掛け。終了後のスタッフミーティングでは、お互いの感想を話し合っていました。 ●放課後子ども教室 山名小学校 「今日は何をして遊ぶの」と体育館に集まってきた子どもたち。この日は色々な「昔の遊び」を体験する日で、お手玉遊びを楽しんだ女の子たちは、お手玉の作り方をスタッフに尋ね、「家に帰ってからもやってみたい」と話していました。  教室が終わってから、もう一度スタッフの顔を見て、さようならのあいさつをして帰って行く子どももいて、「これだからやめられない」とスタッフの方は笑顔で話していました。 参加していたスタッフに 放課後子ども教室の 感想を伺いました 顔見知りになって子どもからあいさつをしてくれるのがうれしいです。 子どもはすばやい。 子どもが好きなので、一緒に遊ぶのが楽しいです。 元気をもらった。 知らなかったスポーツを子どもと一緒に体験できます。 ここで遊ぶことで、色々な地区の子ども同士が仲良くなれる場です。 大人同士も顔見知りになれます。 子どもと一緒に参加でき、童心に返ってリフレッシュできます。 外国人住民との 共生に向けた取り組み  市内には、3,369人(平成23年12月末現在)の外国人の皆さんが生活しています。国籍別では、ブラジルが全体の約6割、次いで中国、フィリピンと続いています。  この背景には、平成2年に「出入国管理及び難民認定法」が改正され、日本への入国自体が容易になったこと、製造業を中心に、県西部地域に労働力の受け皿が大きいことなどが挙げられます。  このような実情を受けて、市では平成19年度から、市役所1階市民課に「外国人生活情報窓口」を設置し、行政手続きの支援や情報提供のため、ポルトガル語の分かる職員が常駐しています。  また、平成20年度からは、広報ふくろいから必要な情報を抜粋し、ポルトガル語に翻訳した「広報ふくろいポルトガル語版」を月1回発行しています。 ●日本語サロン 高南公民館  日本語サロンの講師を務める西野さんは、在住外国人児童の支援活動をきっかけに、高南公民館で日本語を教えています。  「勉強を教えるというよりは、自然体で日本語に親しんでもらいたい」と会話することを大切にしている西野さん。雑談から入って、教材のマザーテレサの伝記を読み始めました。  ほかにも生徒の興味や関心をひくような教材を用意し、意欲を持てるように工夫しているといいます。生徒の通いやすい時間帯設定や、少人数での授業形態というのも、魅力の一つかもしれません。   浅羽南、袋井北、高南公民館や、袋井市協働まちづくりセンター「ふらっと」で、日本語教室が開催されています。  お近くの日本語教室をのぞいてみませんか。   仕事や子どもとのコミュニケーション、学校からのお知らせなどを理解する上で「日本語を学びたい」と日本語サロンに通う2人。漢字にも興味を持ち、難しいながらもこつこつと勉強を続けています。  「子育てが落ち着いたら、いろいろな場所へ出掛けてみたい」と話していました。夜間の教室では、温かな雰囲気の中で、日本語サロンが行われていました。 ●あいさつから始めよう  「外国人生活情報窓口」で通訳を担当する長谷川末美さんにお話を聞きました。 Q市内に在住外国人が増えた理由は。 A県西部の中でも、袋井市を選ぶ理由としては、住環境が良く、公営住宅に空きがあって入りやすい、などの理由が挙げられます。 Q現在の仕事内容と工夫していることは。 A市の業務に関する翻訳や、広報ふくろいポルトガル語版の翻訳が主で、ほかには外国人生活情報窓口での対応をしています。  広報ふくろいポルトガル語版の翻訳では、「シンプルに分かりやすく」ということを一番大切にしています。 Q外国人住民の皆さんとの共生に向けて、私たち(市民)にできることはありますか。 Aブラジルでは、知らない者同士でも気軽にあいさつを交わす習慣があります。  人と人とが接するときの第一歩は、あいさつですよね。日本の皆さんにも、ぜひ勇気をもってあいさつをしてほしい。お互いに親しみがわいてくると思います。 ☆ミニクイズ 袋井の方言で「おんない」とは、どういう意味でしょう? @いらっしゃい A女性らしい Bざっくばらんな 答えは22ページ下 市民編集長がお伝えします Citizens'Eye 市民編集員のひとこと 浅羽方言かるたを知っていますか? 体験してみるとおもしろいですよ。 小関裕子、谷口史恵