P02-03 市民と行政のパートナーシップによる 地震対策の新たな取り組み 巨大地震と大津波、安全とされていた原子力発電所の事故。 市では、東日本大震災での被害を踏まえ、市民と行政のパートナーシップによる 新たな地震対策の取り組みを実施していきます。 問 防災課防災係 TEL44-3118 市民協働課協働推進室 TEL44-3158  平成13年5月、静岡県が「東海地震第3次地震被害想定」を発表したことを受け、市では、被害の軽減を実行する「減災」をテーマに、施設や住宅の耐震、自主防災組織の活動強化など7つの主要施策に取り組んできました。  しかし、東日本大震災による被害は、大津波による被害、液状化による道路・建物の被害、福島第一原子力発電所の事故など、これまでの想定を大きく超える大規模なものでした。  このため、市では、従来の7つの主要施策に新たな4項目を加え、現行の地域防災計画の点検を行うとともに、市民と行政のパートナーシップによる「地域防災対策会議」を開催し、地震対策の課題や、災害対応について検討する、新たな地震対策の取り組みを実施していきます。 1「地震対策 地域意見交換会」の開催  新たな取り組みの第一段階として、市民の皆さんの地震に対する不安や地域の課題、その対応策などについて、市民と行政が意見交換を行う「地震対策地域意見交換会」が、市災害対策本部の各支部19地区で開催されています。  意見交換会には、自治会連合会長・連合防災隊長・地域防災指導員・自主防災隊長・消防団・避難所施設(小学校・幼稚園など)の代表者を中心に、地域の実情に合わせて、自治会長・市議会議員・民生委員児童委員・PTA関係者、防災協力事業所など、多くの方に参加していただいています。  市から、これまでの地震対策の取り組みや現行の地域防災計画について説明が行われた後、意見交換が行われ、各地区とも、活発な意見が出されています。 川井・袋井西地区 地震対策地域意見交換会での主な意見 「自分の住む地域は、液状化の被害が大きいと予想されるが、どう対応すれば良いのか不安」 「個人情報保護の関係で、地域の世帯台帳作成が難しくなっている。人員確認のためにも、地域のつながりを深めることが大切」 「災害時には、自主防災隊と市災害対策支部の連携が不可欠。支部から遠い地区もあるので、自主防災隊への無線の配備など、連絡手段の確保や情報交換の方法を考えて欲しい」 「企業も災害時に備えた訓練や、支援物資の準備をしている。要請があれば支援に当たる」など (6月11日実施、参加者46人) ◇各地区で出された意見、取り組みの検討結果は、今後、本紙や市ホームページなどでお知らせする予定です。 1地震対策地域意見交換会 [4〜7月]  市災害対策本部の各支部19地区で開催。各地域、関係機関、企業・事業所、団体などと、地震に対する不安や地域の課題、その対応策などについて意見交換を行います。 意見・課題の集約 2パートナーシップによる地域防災対策会議 [7月〜]  市災害対策本部の各支部19地区で開催。「地震対策地域意見交換会」で挙げられた意見をもとに、自助・公助・共助の役割分担を明確にしながら、各地域の地震対策の課題や具体的な対応方法を検討し、課題解決に取り組みます。  ◇自助…市民の防災対策  ◇共助…地域の防災対策  ◇公助…市の防災対策 津波被害軽減対策検討会  津波に対する住民の理解の促進と住民参加型津波避難訓練の実施、ワークショップなどを開催することで、「津波避難行動計画」を策定します。 意見・課題の集約 市災害対策本部での各種災害対応の見直し  東日本大震災での被害状況、災害対応などを踏まえた中で、様々な関係機関と意見交換を行うとともに、現行の地域防災計画の点検を行い、市災害対策本部(各班)の災害対応の見直しを行います。 災害対応の見直しに伴う課題・対策の整理 3袋井市の地震対策の取り組み  各地域からの課題や対策、災害対策本部での対応の見直しをまとめ、市全体で取り組むテーマを掲げ、重点施策として取り組んでいきます。  従来の7つの主要施策 1公共建築物の耐震対策 2一般住宅の耐震対策 3防災関連施設・設備の整備 4自主防災組織の活動強化 5医療救護の対策 6市民への広報啓発 7ライフラインなど今後の対策  新たな4つの主要施策 1東海・東南海・南海3連動型巨大地震への対策 2津波被害への対策 3液状化被害への対策 4原子力発電所の地震被害による事故などへの対策 「袋井市地域防災計画」への集約 袋井市防災会議  新たな地震対策の取り組みを踏まえ、また、国の指針や県の防災計画に基づいて、「袋井市地域防災計画」の見直しを行います。 今後のスケジュール 7月〜 市災害対策本部各班での、各種災害対応の見直し 「パートナーシップによる地域防災対策会議」 11月下旬 第3回津波被害軽減対策検討会 12月中旬 第2回袋井市防災会議(新たな地震対策の取り組み) 平成24年 2月下旬 第4回津波被害軽減対策検討会、第3回袋井市防災会議(地域防災計画の見直し) 2「パートナーシップによる地域防災対策会議」の開催  7月からは、第二段階として、市災害対策本部の各支部19地区で「パートナーシップによる地域防災対策会議」を開催して、地震対策における地域の課題や問題点の整理、課題解決に向けての具体的な取り組みの検討を実施していきます。 ■パートナーシップでの取り組みとは  市民と行政が、今まで以上にお互いの役割と責任を自覚し、対等の立場で地域の課題解決のために協力し合いながら、地域でできることは、地域が主体となって取り組んでいただくものです。  「パートナーシップによる地域防災対策会議」では、地域の実情に合った地震対策について、市民と行政が一緒に話し合い、具体的な対策や取り組みに結びつけていきます。 ■自助・共助・公助  行政の地震対策の対応にはどうしても限界があります。万が一の時には「自分の命は自分で守り、地域住民の命は地域で守る」という意識を持っていただくことが重要です。  「地域防災対策会議」では、こうした役割分担を明確にしながら、市民と行政がお互いにカバーし合う地震対策についても話し合っていきます。 ■地域防災対策会議の進め方  「地震対策地域意見交換会」で集約した地域の課題や問題点について、意見の共有化を図った後、現行の地域防災計画の点検を行います。  この中では特に、地域の防災は自分たちの手で担うという意欲を持って活動する自主防災隊の防災対策チェックリストに基づいて点検を実施していきます。  意見交換会で出された地域の課題や問題点、地域防災計画の点検結果を整理し、地域の実情に合わせた地震対策を検討し、課題解決に向けた新たな取り組みをスタートさせていきます。 3市全体の地震対策への反映  「地震対策地域意見交換会」「パートナーシップによる地域防災対策会議」で挙げられた、各地域からの課題や対策などを取りまとめ、災害対策本部での対応見直しや、津波被害軽減対策検討会での検討結果と合わせて、市全体の地震対策へと反映させていきます。 東日本大震災義援金 支援自治体からのお礼  5月26日・27日、市長、市議会議長、自治会連合会会長ら7人が、本格的な復興支援の実施と市の地域防災計画見直しに際し、被災地の現状やニーズを確認するため、宮城県岩沼市と岩手県釜石市の災害対策本部を訪問し、皆さんからお預かりした義援金の目録を手渡しました。これに対し、岩沼市と釜石市の両市長からお礼が述べられました。 ◇岩沼市・井口經明市長 「皆さんの温かいご支援に、心からお礼申し上げます。袋井市は、岩沼市と地形が似ていると聞きます。地震が起きないことが何よりですが、今回の震災の被害や対応を、是非、生きた教材としてお役立てください」 ◇釜石市・野田武則市長 「皆さんからの温かいご支援をうれしく思います。袋井市は、横山久太郎(袋井市村松出身、現「新日本製鐵釜石製鐵所」の先駆者)ゆかりの地であり、これを機に、両市の幅広い交流が始まればと思います。早期復興こそが最大のお礼だと思いますので、まずは全力で復興に向けて取り組んでいきます」