P06-07 安心できる 地域医療体制のために 「住民の健康を地域を挙げて支援する」地域医療。 健康で豊かな生活を守るためには、医師や医療機関だけでなく、 市民の皆さんと行政が連携・協働して医療体制を維持していく必要があります。 救急診療や医療機関の受診は、診療体制を理解し、正しく利用しましょう。 問 健康づくり政策課地域医療推進係 TEL44-3138 ■救急当番医をご利用ください  市民病院では、月曜日から金曜日の午後5時から10時までは、緊急を要する手術や入院治療などの二次救急医療に専念するため、急な発熱や腹痛、軽度のけがなどの日常的な疾病を治療する一次救急医療は、救急当番医の利用をお願いしています。 ○一次・二次・三次救急医療システム 救 急 患 者 自主通院など 救急車 一次救急医療 (軽症患者対応) 転院搬送 二次救急医療 (中等症患者対応) 転院搬送 三次救急医療 (重症患者対応) ・救命救急センター ・高度救命救急センター 転院搬送  救急当番医は、袋井市医師会に加入する内科系医院と外科系医院の2医院が毎日、当番制で診療しています。  当番表は、毎月15日発行の「お知らせふくろい」、市ホームページ、市メール配信サービス「メローねっと」、テレホンサービスで確認できます。  救急当番医を利用する場合は、必ず、電話で症状などを連絡してから受診してください。 ○夜間・休日の救急対応時間(内科系・外科系) 曜日・時 〜9時 9時〜 13時 13時〜 17時 17時〜 22時 22時〜 8時30分 月〜金 救急当番医 市民病院 土 救急当番医 市民病院 日・祝日 救急当番医 市民病院 市ホームページ http://www.city.fukuroi.shizuoka.jp/ テレホンサービス TEL42-7151(通話料は、利用者負担) ▽月〜金曜日…17:00〜翌朝8:30 ▽土・日曜日、祝日…8:30〜翌朝8:30 ■子どもを病院に 連れて行くか迷った時には  県では、子どもの急病に対し、医師や看護師などによる電話相談窓口を設けています。  夜間や休日の子どもの急な発熱・けがなどでお困りの時や救急病院に受診させるべきか迷った時は、「静岡こども救急電話相談」をご利用ください。看護師や小児科医のアドバイスが電話で受けられます。 静岡こども救急電話相談 相談日 毎日(年中無休) 相談時間 午後6時〜翌朝午前8時 電話番号 ▽プッシュ回線の固定電話、携帯電話から…局番なしの「#8000」 ▽ダイアル回線の固定電話、IP電話から…054-247-9910 対象 おおむね15歳までの子どもの保護者 相談料 無料(通話料は、利用者負担) ◇育児相談はご遠慮ください。 ■救急当番医の 受診者数と袋井市の医師数  救急当番医の医師は、1日平均10〜12人の救急患者を診療しています。  袋井市の人口に対する医師の数は、全国平均や県平均よりも低く、この地域で医療を担っている医師は、少ない人数で地域医療を守るために、日々、診療を続けています。 ○人口10万人あたりの医療施設従事医師数 区域 医師数(人) 備考 全国 212.9 静岡県 176.4 全国42位 中東遠 113.5 県下最下位 袋井市 103.9 (平成20年度 医師・歯科医師・薬剤師調査より) ◇袋井市は、全国42位の県内で最下位の中東遠地域の数値も下回るほど、医師数が少ない状況です。 ○救急当番医 従事医師数(延べ人数) 平成20年度 平成21年度 平成22年度 730人 711人 665人 ○救急当番医 受入救急患者数(人) 内科系 外科系 合計 H20 5,690 1,910 7,600 H21 6,454 1,764 8,218 H22 5,540 1,325 6,865 〜医師の立場から 市民の皆さんへ望むこと〜 袋井市医師会会長 三橋孝さん ■良い医療は 信頼関係から生まれます  市民の皆さんが病気になった時に、安心して掛かることができる医療機関や救急医療があるということは、地域社会にとって必須です。  良い医療は、まず、患者さんと医師との信頼関係を築くことから始まります。お互いの努力がなければ、良好な信頼関係はつくれません。  医師、医療従事者が市民の皆さんに信頼されるためには、患者さんの立場に立った医療を行うよう努力することが必要ですが、一方で、患者さんにも協力していただきたいポイントがいくつかあります(左表参照)。医療にかかわる一人ひとりの努力が、良い地域医療を育てることにつながります。 ■地域医療を守るために ご協力ください  中東遠地域は、全国的に見ても医師が少ない地域です。限られた医師数で地域医療を守るため、夜間や休日の一次救急にも取り組んでいます。  こうした状況の中で、地域医療体制を存続させ、充実させるためには、医療機関・行政側の努力はもちろんですが、市民の皆さんの協力が欠かせません。  「コンビニ受診(緊急性がない軽症で、夜間・休日に救急外来を受診すること)をしない」「救急車の適正利用を心掛ける」など、小さな心掛けの積み重ねが、地域医療体制を守ることにつながります。  市民の皆さんと医療機関・行政が、互いに信頼し協力しあって、「地域医療は自分たちが守る!」という努力を重ねていきましょう。 医療機関にかかるとき・病気になったときに 気を付けたいこと 1自分の身体や病気に関心を持つ  過剰な心配は医療の障害でもあり、病気を自分でつくることにもなります。逆に無関心は、手遅れの事態を招く危険があります。 2医師や医療従事者との会話が一方通行にならないように  問診では、自分の症状をなるべく正確に伝えましょう。また、医師の質問を良く聞き、的確に答える努力をしましょう。自分勝手に症状を話すのは、診療の妨げとなることがあります。 3疑問や不明な点はそのままにしない  診療の中で疑問や不明な点がある場合は、そのままにしないで、納得いくまで質問しましょう。 4故意に複数の医療機関にかからない  同一の疾病で、故意に複数の医療機関にかかるのは、薬の重複投与の原因となります。まずは信頼できる医療機関(かかりつけ医)を持ち、受診しましょう。 5処方された薬はきちんと飲む  薬の効果や副作用を知るために、服用の状況を伝え、もし飲めなかった場合は正直に伝えましょう。また、薬の飲み合わせや重複を避けるため、飲んでいる薬がある場合は、隠さずにすべて伝えましょう。お薬手帳を持参すると確実です。 6病気に負けない気力を持つ  「病は気から」ということわざがありますが、気持ちが弱くなると身体も弱ってしまいます。病気に負けない強い意志で治療にのぞみましょう。 救急車の適正利用をお願いします  救急車の出動件数は年々増加傾向にありますが、出動要請の中には、かすり傷など軽症での要請や、「病院で待たずに診察してもらえる」「どこの病院に行けば良いか分からないので、案内してもらうために救急車を呼ぶ」といった安易な要請が増えています。  市民の皆さんの大切な命を救うために、救急車の適正な利用に、ご理解とご協力をお願いします。 「安心できる地域医療体制」を守るのは、一人ひとりの心掛け  NPO法人ブライツでは、平成22年度から「安心できる地域医療体制をめざす啓発活動」として、袋井市協働まちづくり推進事業を実施しています。今年度、救急医療・地域医療の実情を知ってもらうための冊子「しゃべり場救急隊」を発行しました。  市民・医療従事者・行政が、互いの考えや実情を知り、一人ひとりが「地域医療をみんなで育てる」という認識を持って、この地域の救急医療や地域医療を守り育てていきましょう。 ◇私たちができる5つの心掛け @かかりつけ医を持とう Aコンビニ受診を控えよう B救急車をタクシー代わりに使うのをやめよう C医療関係者の方たちに感謝の気持ちを持とう Dたすけあいネットワークを広げよう