農作業安全一口メモ

更新日:2021年05月31日

安全確保は理屈抜きで実践を

機械作業による事故は、機械の取扱いについての基本的なことを知らないために起こる事故のほか、慣れや油断により、引き起こされることが大変多くなっています。
 知っていて守らないのは、慣れ、油断といえます。安全確保は理屈でなく、実践あるのみです。
 自分を守り、他人の安全をも確保し、他人を守る人間愛が必要です。単に意識だけにとどまらず、実践するかしないかが事故を防ぐうえで大きな差になって現れます。

機械の点検

 農作業事故防止のために最も大切なことは、事故が起こらないようにする日ごろの心がけです。その第一歩が、日常の保守点検の励行です。
 清掃と点検を励行すれば、機械は必ずその効果を出してくれます。
 人に対する気配りと同様、機械に対しても気配りをして、オイルの不足や油切れ、ベルト、ネジのゆるみなど、気のついたところから順次手入れをしてやれば、それが安全と性能の確保につながっていきます。日常の保守点検を習慣付けしたいものです。

安全フレーム、安全キャブの取付

 全国の農作業による死亡事故は、平成21年で408件発生しています。
 農業機械によるものが全体の6割を占め、このうち乗用型トラクターが最も多く、約4割をしめております。
 乗用型トラクター事故の原因では、ほ場、道路などからの機械の転落、転倒が圧倒的に多く、安全保護装置が取り付けられていれば助かるケースも少なくありません。
 機械が転倒したとき、死亡事故を防いでくれるものが、安全フレーム、安全キャブで、その安全効果ははっきり実証されています。
 静岡県では、比較的平坦地でトラクターの利用が多いため、安全フレームや安全キャブの普及率が低い状況にあります。トラクターの転倒などの事故から身を守るため、水田、畑作にかかわらず、万一に備えて、安全フレームや安全キャブを取り付けたいものです。
 また、安全キャブを取り付けても、シートベルトを着用しなくては安全性が低下しますので、必ずシートベルトを着用するようにしましょう。

草刈機の取扱い

草刈機による事故では、回転刃によって小石を撥ねるなどの飛来物によるもの、足場の悪いところでの作業で足を滑らせたり、転倒した際の回転刃によるケガ、回転刃にからまった草などを取り除こうとした際のケガが多く発生しています。
 飛来防止カバーは、刈刃部分が見づらいからといって取り外したりせず、必ずつけるようにしましょう。
 また、作業現場の石や空き缶なども事前に除去し、吊りバンドの装着、足場の安全確認を励行するとともに、故障や草などの巻き付きの除去には、必ずエンジンを止めるようにしましょう。

耕うん機の反力

 耕うん機には、小型の管理機のようなものから、10馬力程度のエンジンを搭載したかなり作業能力を持ったものまでありますが、一般的に小型機のため取扱いしやすい機種といえます。
 しかし、使い方によっては、大きな事故を起こすことにもなりかねません。
 近年発生した事故事例をみますと、耕うん機がバックする際に反力が働き、ハンドルが持ち上がり、ローターの爪に巻き込まれたり、耕うん機と柱に挟まれてのケガも発生しています。
 特に、バック時や旋回時には、エンジンをふかさずに低速運転を心がけ、狭いところでの作業は、柱などに十分注意して安全な作業に心がけてください。

騒音

著しい騒音は、作業者間の連絡や警報の認知を妨げ、農作業事故の発生原因となるほか、難聴や身体機能の障害につながる場合もあります。
 機械の導入に当たっては、事前に機械の騒音の程度を確認し、できる限り騒音の少ない機械の選定に配慮することや屋内では天井や壁に吸着材を施工するなど心がけましょう。
 作業者の対応として、耳栓やイヤーマフなどの防音保護具を用いてください。ただし、危険を防止するために、あらかじめ作業に必要な合図を決めておくことが大事です。
 また、適当な間隔で休息を取るなど連続した作業はできるだけ避けましょう。

振動

振動に長時間さらされると、事故や身体機能の障害につながる場合があります。適当な間隔で休息や交替を行い、著しい振動が生じる作業現場での連続した作業はできるだけ避けましょう。
 また、新道の大きい動力刈払機などは、防振手袋を着用して作業するとよいでしょう。
 休息の間には、軽い体操、指の曲げ伸ばしなどを取り入れ、振動から身を守る作業方法を工夫したいものです。

ひやり事故

皆さん、「ひやり事故」という言葉をご存じでしょうか。
 皆さんも経験があると思いますが、農作業中に危険な場面にあったが、幸いにも事故には至らず、冷や汗をかいただけですんだようなことを一般にひやり事故といっています。
 農繁期を迎え忙しさに追われ、とかく注意が散漫になりがちです。このようなときこそ、農作業の工夫、農業機械の取扱いなどに十分気を配りたいものです。

労災保険

 いざというとき、頼りになるのが労災保険です。
 労災保険は、本来、労働者の負傷、疾病、障害または、死亡に対して、保険給付を行う制度です。
 労災保険は、治療費支給のほか、休業補償、障害補償、遺族補償と補償内容も充実しています。
 万一に備え、農協の傷害共済と合わせた労災保険にも加入をしましょう。

作業姿勢

 無理な姿勢は、作業効率を下げ、疲労を多くします。
 座り作業で特に疲れると訴えた部位は、胃、目、腕、背の順になっています。それぞれの作業には、最も疲労の少ない適当な作業姿勢があり、それに適した作業台や椅子、作業位置、配列などがあるとのことです。
 今までの作業状態がはたして最適な作業姿勢であるかどうか、今一度チェックしてみましょう。
 無駄な動きがなく、仕事の流れがスムーズで、エネルギーの消費が少なくなった状態が、疲労を防止し、作業効率を上げることになります。

防除衣

 農薬散布作業を行うときは、散布用作業衣を着用し、農薬が付着しても作業者に安全なように、農薬が浸透しないような材質とデザインを工夫したものを着用したいものです。
 農薬かぶれ、農薬中毒、また中毒までには至りませんが、気分が悪くなったと訴えた人は意外に多いものです。長時間連続して散布作業をするオペレーター及びその補助者は、信頼できる防除衣と農薬用マスクを使用することが農薬事故を防ぐ第一歩といえます。
 なお、作業が終われば、顔や手を洗い、他の作業衣に着替えて防除衣は手入れしておきましょう。

出典:中遠農林事務所「農作業安全一口メモ」

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