袋井市の縄文時代 その1

更新日:2022年10月21日

縄文時代とは

     縄文時代は、今から16,000年から2,300年前までの1万年以上続く時代で、出土する土器型式に基づいて6期(草創期・早期・前期・中期・後期・晩期)に区切られています。

     縄文人の画期的な発明としては土器と弓矢の発明があげられます。
     縄文土器の出現によって、人々は容易に食物を煮ることができるようになったことから、調理できる食物の種類が増え、その結果、栄養価が高まり、生活は安定し人口も増えました。

     さらに、縄文時代になると動物相が小型化し、槍を使った狩りから弓矢を使った狩りへと変化していきます。

年表(旧石器時代~縄文時代)

袋井市の縄文時代

     袋井市内の太田川(おおたがわ)・原野谷川(はらのやがわ)流域の丘陵地や台地上には60ヶ所以上の縄文時代の遺跡が分布し、それらは山の尾根や川筋を境にして、大きく5つの地域的なまとまりをつくっています。
     この中には、大きな集落もあれば、土器や石器が数点だけ出土する小さな遺跡も含まれています。こうした遺跡群は同じ時代のものではなく、一つの集落の長い年月にわたる移住や、漁や狩り場での野営行為の結果形づくられたもので、縄文人の日常的な生活圏と考えられます。しかし、これを見ても袋井市域に存在する集落の数がきわめて限られていたことがわかります。

縄文時代 遺跡分布図

草創期~前期

     袋井市内では、後期旧石器時代に後続する縄文時代草創期の資料は今のところ確認されていません。縄文時代草創期は今から約1万5500年前~1万年1000年前にあたり、まだ氷河期末期の非常に寒冷な気候だったと考えられています。そのため、全国的に見ても非常に遺跡の数が少ない時期になっています。静岡県内では、富士宮市の大鹿窪遺跡や沼津市の葛原沢第4遺跡、伊豆の国市の仲道A遺跡などから縄文時代草創期の土器や石器が見つかっています。

     縄文時代早期になると気候は徐々に温暖化し、海面が上昇してきます。気候が安定したことにより、全国各地で遺跡数が徐々に増加していきます。市内では陣屋北遺跡から早期末期の条痕文土器が1片出土しています。

     縄文時代前期になるとさらに海面が上昇し、市内の1/4程度が海面下にあったと考えられます。そのため、前期の資料もあまり見つかっておらず、事例としては陣屋北遺跡から出土した北白川下層式土器のみです。

     袋井市周辺の市町でも、縄文時代早期・前期の資料が確認された遺跡は原野谷側上流域の段丘上に位置する萩ノ段遺跡・瀬戸山遺跡や磐田原台地上に位置する上取場遺跡など、遺跡数は非常に限られています。

その2へつづく・・・

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