袋井市の古墳時代

更新日:2023年01月06日

古墳時代とは

    古墳時代は、3世紀中ごろから7世紀ごろまでの年代を指し、前期(3世紀中ごろ~4世紀)、中期(5世紀)、後期・終末期(6世紀~7世紀)の3時期に区分されています。

    弥生時代に複数の集落を取りまとめて指導していた有力者が、さらに権力を持つようになった時代で、全国各地で古墳とよばれる首長墓が作られ始めます。

 

袋井市の古墳時代

    坂尻遺跡や掛之上遺跡、古新田遺跡では、区画もつ大規模な古墳時代のムラが形成されていたことが明らかになっています。区画の中には機能の異なる建物が配置されており、その中には支配者の居住区画も含まれていました。

坂尻遺跡の集落構成図

坂尻遺跡の集落

    袋井市域において、支配者層の墳墓である古墳は市内に200基ほど確認されています。

    五ヶ山B-2号古墳(方墳:5世紀前半築造)からは、甲冑(かっちゅう)(三角板革綴短甲(さんかくばんかわとじたんこう)・三角板革綴衝角付冑(さんかくいたかわとじしょうかくつきかぶと)・頸甲(けいこう)・肩甲(かたこう))や革盾(かわたて)、大刀(たち)、鉾(ほこ)(静岡県指定文化財)が出土しています。

    石ノ形古墳(造り出し付円墳:5世紀後半築造)からは、横剥板鋲留短甲(よこはぎいたびょうどめたんこう)や馬具(ばぐ)、大刀、蛇行剣(だこうけん)が、団子塚9号墳(円墳:6世紀前半築造)からは、挂甲(けいこう)や捩じり環頭(かんとう)大刀、馬具(ばぐ)が出土し、埋葬者の生前の社会的地位を証明する貴重な資料として知られています。

五ヶ山B2号墳出土甲冑

石ノ形古墳出土短甲

    大門大塚(だいもんおおつか)古墳(円墳:6世紀中頃築造)は静岡県内の古墳時代後期を代表する古墳として墳丘と埋葬施設である石室(せきしつ)から発見された土器や馬具、刀剣類(とうけんるい)などの出土遺物が静岡県指定文化財に指定されています。
    古墳時代後期には横穴式石室(よこあなしきせきしつ)や横穴墓(おうけつぼ)、横穴式木室(よこあなしきもくしつ)(木芯粘土室(もくしんねんどしつ))という全国的にも類例の少ない主体部をもつ古墳など、さまざまな埋葬施設を持つ古墳を見ることができ、墳墓から見た当時の社会構造を知る上では貴重な事例と考えられます。

大門大塚古墳石室

春岡A横穴群

当時の有力者についての文献

『先代旧事本記(せんだいくじほんき)』巻十「国造本紀(こくぞうほんぎ)」には遠江(とおとうみ)に遠淡海国造(とおとうみのくにのみやつこ)、久努国造(くどのくにのみやつこ)、素賀国造(そがのくにのみやつこ)の3名の国造(くにのみやつこ)の名が記され、当時の支配者を知ることができます。その中の1人、久努国造(くどのくにのみやつこ)は、旧袋井市成立前にあった山名郡久努郷(やまなぐんくどごう)を本貫地としていたと推定されます。奈良時代に郡役所が置かれた坂尻(さかじり)遺跡に近い七ツ森(ななつもり)神社では、ご祭神として祀っており、現在の地名である「久津部(くつべ)」は当時「郡辺(こおりべ)」と書き、七ツ森神社(ななつもりじんじゃ)は『延喜式(えんぎしき)』に記された山名郡(やまなぐん)4社の内の1社、「郡辺神社(こうりべじんじゃ)」であったと推定されています。

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