袋井市の旧石器時代
袋井市最古の住人
旧石器時代とは
旧石器時代とは、人類が営みを始める最古の時代です。
旧石器時代の人々は土器をまだ使っておらず、石を打ちかいて作った打製石斧を使って狩猟採集をしていました。また、旧石器時代は氷河期にあたるため、気候は非常に寒冷であり、旧石器時代遺跡の多くが火山噴出物を含む地層から見つかることから火山活動が盛んな時期であったと考えられています。
また、30万年前までを前期旧石器時代、30万年前から3~4万年前までを中期旧石器時代、3~4万年前から1万6000年前までを後期旧石器時代とよびます。
現時点で、日本の発掘調査で見つかっている遺跡や石器は後期旧石器時代のものが最古です。
袋井市の旧石器時代
袋井市域に、人が暮らし始めたのを確認できるのは、今から約1万5000年前になります。
後期旧石器時代から縄文時代へと順番にかわっていく時期で、地域によって差が生まれていました。そのため、袋井市ではまだ旧石器時代の生活がつづいていました。
袋井市における旧石器時代の人の痕跡は、磐田原台地(いわたばらだいち)に立地する山田原遺跡(やまだばらいせき)から発見されています。この頃の磐田原台地は、現在の静岡県内でも箱根山西麓地域や愛鷹山南麓地域に次ぐ人口集中地域で、本市と磐田市域では多くの後期旧石器時代のムラの痕跡が確認されています。
山田原遺跡における昭和58年(1983)の 発掘調査によって、火を使った跡(バーベキューの跡)と考えられる焼石のかたまりや、炭化物の集中、石器、石器を作るときに発生する細かな石の破片などが大量にみつかりました。

山田原遺跡でみつかったもの
山田原遺跡からは小型のナイフ形石器とよばれる後期旧石器時代を代表する石器が多く出土しています。
木などで作った柄にはめ込んで槍先として使ったり、動物の皮や肉を切り裂くための道具として使ったりしていたことが考えられます。
また、後期旧石器時代末に特徴的な槍先形尖頭器(やりさきがたせんとうき)とよばれる槍の穂先に使われた石器も出土しています。
石器石材としては、頁岩や安山岩が主体を占め、中には地元では手に入らない黒曜石も見られます。このことから、山田原遺跡の時期には既に他地域との交易があったことがわかります。
山田原遺跡出土石器
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更新日:2022年09月20日