裁許状絵図4点

更新日:2022年07月27日

袋井市指定文化財歴史資料

 「裁許状絵図4点」は、昭和58年(1983)11月3日に文化財に指定されました。
 その名のとおり、4点の史料から成っています。この内、延享2年(1745)のものは、原本と写しの2点が指定されているので、実際には、3通4点の文書です。それぞれ『浅羽町史 資料編二 近世』に収録されています。
 貞享3年(1686)11月12日付け裁許状(『浅羽町史 資料編二 近世』236号)。
 正徳3年(1713)8月4日付け裁許状(『浅羽町史 資料編二 近世』325号)。
 延享2年(1745)4月2日付け裁許状(『浅羽町史 資料編二 近世』257号)。

裁判の判決文と、その裏面に描かれた絵図

 裁許状絵図は、裁判の判決文の裏側に、論点となった場所の絵図を描いたものです。
 中でも貞享3年(1686)の裁許状は、17世紀の浅羽を描くものとして珍重され、多く紹介されています。
 ですが、絵図は参考資料なので、文書そのものから見れば、判決文がメインと言えます。

延宝の高潮からの復興

 3点の絵図の内、よく紹介されるのは貞享の裁許状ですが、今回は、正徳の裁許状について見てみましょう。
 正徳の裁許状では、延宝8年(1680)閏8月6日に起きた延宝の高潮で荒地になってしまった田地が、正徳2年(1712)にようやく復旧した、と言っています。
 延宝の高潮は、静岡県指定文化財史跡になっている、中新田命山(袋井市中新田)の建設にも影響を与えた大災害です。
 延宝の高潮で海水が入ってから、荒れた田地が回復するまで30年以上。自然災害の恐ろしさと、そこからの復旧の大変さが分かる史料です。

この記事に関するお問い合わせ先

生涯学習課文化財係

〒437-1102
静岡県袋井市浅名1028
電話:0538-23-9264
メールアドレス:syougai@city.fukuroi.shizuoka.jp

みなさまのご意見をお聞かせください(生涯学習課)

返信を希望される方は、住所・氏名・連絡先(電話番号・Eメールアドレス)を記載して下さい。

このページの情報は役に立ちましたか?
このページの情報は見つけやすかったですか?
このページに関してのご意見がありましたらご記入ください。