梅屋敷の看板

更新日:2022年07月14日

袋井市指定文化財歴史資料

「梅屋敷の看板」は、昭和57年(1982年)2月8日に、袋井宿の名残を残すものとして、袋井市指定文化財歴史資料に指定されました。
「梅屋敷の看板」という名前ですが、木製の看板と、中泉代官の林鶴梁(はやしかくりょう)という人物が書いた「別春居記」(べっしゅんきょき)という巻物とを合わせて、文化財に指定されています。

木製の看板

袋井宿にあった、「別春居」(べっしゅんきょ)という料理店の看板です。
看板には、「うめのはなめし」「うめのはなつけ」「うめひしほ」と、梅を使用した料理名が書かれています。
梅屋敷の看板の写真

梅屋敷の看板です。「梅花飯」などの浮彫が残っています。

「別春居記」

こちらは、小七のお店に「別春居」という名前をつけた、中泉代官の林鶴梁による、別春居と名付けた理由を書いた文章です。安政5年(1858年)4月に書かれました。
鶴梁によれば、小七(「別春居記」では「孤瑟」(こしち)と、格好いい文字で呼ばれています)という人物のお店には、梅の木が植えられていて、きれいで上品な雰囲気だったそうです。
梅の木を好む鶴梁は、幕末の梅好きにとっての愛読書、斎藤拙堂『月瀬記勝 乾』の「記四」という部分の言葉を引用して、「拙堂も言っていたけど、梅の木の周りは特別に春が存在しているようだよ。小七の店がまさにそれだね」と、小七のお店を「別春居」と名づけました。

袋井の「別春居記」はオリジナル中のオリジナル

実は、「別春居記」は、林鶴梁の著作集『鶴梁文鈔』巻5に収録されています。
『鶴梁文鈔』はよく読まれたようで、いろいろな本に「別春居記」も転載されています。
袋井市指定文化財の「別春居記」は、林鶴梁自筆の原本です。しかも、文字を比べてみると、内容が、『鶴梁文鈔』と少し違うのです。
そう、袋井市指定文化財の「別春居記」は、原本であるだけでなく、その内容までオリジナルだったのです。
別春居記の冒頭部分の写真

 上の写真は『別春居記』の冒頭部分です。一見、大胆に文字を書いているように見えますが、縦横がきれいにそろっています。
 文章や文字に相当気を使って書かれた文章です。

この記事に関するお問い合わせ先

生涯学習課文化財係

〒437-1102
静岡県袋井市浅名1028
電話:0538-23-9264
メールアドレス:syougai@city.fukuroi.shizuoka.jp

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